とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2015ぐるっと豊島一周エンジョイマラニック:1日目

2015-11-23 21:18:40 | マラソン
久しぶりにヒロボーさんのマラニックに参加してきた。今回は、瀬戸内海にある豊島をぐるっと一周するマラニックである。豊島は、小豆島の西3.7キロの海上にあり、岡山県(岡山市)と香川県(高松市)の中間に位置している。島の周囲は約20キロ、人口は1,000人余りの小さな島だ。2日間かけて、島をマラニックでぐるっと一周する計画である

今回の参加者は、宿のキャパシティから15人までということで、先着順で決まったランナーが岡山駅に集合し、その後全員で、宇野港まで移動した。宇野港からはフェリーに乗って豊島に向かう。宇野港では、直島に向かう便に外国人が多かったのには驚いた。何でも、アーティストにとっては、直島は世界的に有名らしい。我々が乗船したのは、豊島から小豆島に向かう便である。


40分ほどの航海で、豊島の家浦港に到着する。




家浦港からは歩いて古宿「たかまつ屋」に向かう。たかまつ屋は、豊島では一番大きい宿だ。昭和2年に開業した宿を改装して2012年に再オープンした古民家宿だという。荷物を宿に預け、ここから1日目のマラニックが始まる。


12:30。宿から島の西側に向かって走る。


家浦八幡神社前を通過する。


Y字路を左に入り、オリーブ園の中に入ってきた。


アモーレテシマリゾート入口前を通過する。このあたりで、どうも道が違うことに気付く。後ろを振り返っても、遅れて走っていたメンバーがいつまで経っても来ない。地図を確認すると、オリーブ園手前のY字路から間違っていたらしい。


とりあえず、近道を探そうと浜に出て見る。


結局、アモーレテシマリゾートの砂浜を走り、間違えたY字路まで戻ることになってしまった。当初の予定より3.5キロほど余分に走ってしまったようだ。


最初の目的地は、豊島にある産業廃棄物不法投棄現場だ。関係者以外立ち入り禁止の場所だが、事前に見学予約をしてあったので、そのまま中に入っていく。


産業廃棄物中間処理施設の建物が見えてきた。


息を切らして建物の3階まで上がると、既に到着していたメンバーが、産業廃棄物処分場の紹介ビデオを見ていた。




豊島といえば、産業廃棄物不法投棄で問題になった島といえば多くの人が思い出すだろう。豊島問題と呼ばれ、1978年から13年間にわたり、悪質な事業者と香川県がその業者を擁護したことによって有害産業廃棄物が不法に投棄され、野焼きされた事件を指す。当時は、産廃満載のダンプカーが我がもの顔に豊島を走り、現場では野焼きが連日行われ、児童らにぜんそくなどの健康被害が相次いだという。1990年に兵庫県警の摘発により操業を停止したが、あとには65万トンを越える有害産業廃棄物が放置されていたのだ。その後、産業廃棄物を取り除く事業が始まり、現在も除去作業は続いている。すべての除去が終わるのは、まだ1年半以上先になるという。行政が、業者に癒着し怠慢が生んだ悲劇的な事件だったといえる。除去が全て終わっても、地下水汚染が残っており、汚染がなくなるまでには、まだまだ先になる見通しだという。


これが、不法投棄された産業廃棄物の実物だ。事件を忘れないよう、一部が施設内に保存されている。


ひと通り話を聞いてから、産業廃棄物処分場を後にする。


これは、取り出された産業廃棄物を運搬する船だ。瀬戸内海の景観を損ねないよう、明るいイメージにデザインされ、一見すると廃棄物運搬船には見えないようになっている。この船で、隣の直島まで運び、溶融処理をしているそうだ。


14:00。再び家浦まで戻る。大きな煙突のような塔は、豊島横尾館だ。ここは、兵庫県生まれの美術家でありグラフィックデザイナーの横尾忠則のアートが展示されているという。興味があったが、時間がないのでそのまま通過する。


こんどは、島の東側に向かって走っていく。坂をずうっと上がっていくと、白いドームのような建物が見えてきた。次の目的地、豊島美術館である。


道路を下っていくと、海が真正面に見えてきた。まるで海に向かって飛び込んでいくかのように見える。


左側には、美しい唐櫃(からと)の棚田が広がっていた。




棚田の右側にあるのが豊島美術館だ。唐櫃の小高い丘に建設された水滴のような形をした建物で、アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による巨大なアート作品である。高さ40×60m、最高高さ4.5mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間だという。入場制限が有り、係員の説明を聞いてから靴を脱いで中に入る。


美術館の中では、写真撮影、話し声は厳禁だという。白い巨大な空間で、床の小さな穴から染み出てくる水の流れを、ひたすら眺めるだけの場所である。この中で、周囲の風、音、光等を静かに一人一人感じて欲しいというコンセプトのようだ。水滴をうっかり踏みそうになると、係員から注意を受けてしまった。

10分ほどで退館する。入場料が1540円という事で、期待して臨んだ美術館だったが、どうも自分の感性には合わなかったようだ。しかし、遠くから棚田と美術館が並んだ風景全体が、大きなアートと考えると悪くはないと思った。


豊島美術館を出て、さらに豊島の東端まで向かう。最終目的地は、「心臓音のアーカイブ」と呼ばれる建物だ。ここも、豊島のアート作品の一つで、クリスチャン・ボルタンスキー氏が、人々が生きた証として心臓音を収集し保存している美術館?である。中には、希望者の心臓音を採録する「レコーディングルーム」、世界中から集められた心臓音をパソコンで検索して聴くことができる「リスニングルーム」があり、一番奥は、「ハートルーム」だ。真っ暗い部屋に入ると、爆音のように衝撃音が鳴り響く。音とともに部屋中央の電球が点滅し、部屋を薄く照らす。体内では心臓音がこんなふうに聞こえるというイメージのようだ。入場料は510円。ここも残念ながら値段に見合うだけのアートとは思えなかった。


あとは、唐櫃港沿いを走り宿まで戻った。唐櫃港では、神戸のイノさんが出迎えてくれ、ビールとたこ焼きを頂く。まったくイノさんは、神出鬼没の人だ。

宿についたのは、16:15。走行距離は、約21キロ程になっていた。早く着いた人から風呂に入り、18時すぎ、夕食の時間となった。夕食は、刺身と鍋だ。みんなで鍋をつっつき、この日のマラニックの話題で盛り上がっていた。


後半、豊島在住のN田さんが駆けつけ、得意のフルートで座を盛り上げてくれた。


最後はやっぱり、鍋の前で記念写真を撮る。


さて、次の日は、豊島中央部の壇山と南側を走る予定だ。

参考:この日のコースマップ


「2015ぐるっと豊島一周エンジョイマラニック:2日目前半」に続く。

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7 コメント

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芸術の島 (神戸のイノさん)
2015-11-23 22:09:49
小豆島ラン後の日帰りではピンポイントでのコンタクトしかできなかったですが瀬戸内はゆっくりのんびりがにあいますね。
次回は前泊して・・・・なんて!
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アートってなんだろう? (かわい)
2015-11-24 10:08:24
結果的にはアモーレテシマリゾートの砂浜も行けてよかったのでは?

豊島美術館は私の感性のも合わないですね。
ドームに入ったとたん、なんだこれは?これだけ?って感じでした。

アートってなんだろう?人によって感じ方がちがうのはしょうがないですね。
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アートって? (神戸のイノさん)
2015-11-24 11:29:45
アートって製作者の意図と見る人の感性が一致した時にアートになるんじゃないかな?私も昨年1500円払ってコンクリートの空間と水の流れをみて「高いな~」が第一印象でした。他の美術館ならもっと多くの美術品が見られるのに・・・と一杯飲みながら美術談義でしたね。
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神戸のイノさんへ (とっちー)
2015-11-24 21:19:19
小豆島走ってから豊島まで来ていただきお疲れ様でした。
コースをしっかり把握して、ピンポイントで待ってられたのですね。

豊島のアート作品のどれでも1日フリーで見られるようなチケットを販売してくれれば、
もっとお客が増えてリピーターも増えるのではないでしょうか。
そんなチケットがあれば、3000円でも払ってもいいと思いました。
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かわいさんへ (とっちー)
2015-11-24 21:23:04
そうですね。
アモーレテシマリゾートの浜は、キレイでよかったです。

豊島美術館と棚田のまじわった風景が、アート的にはいい感じでしたね。
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応援 (見切り発車)
2015-11-27 11:17:23
神戸のイノさんって 本当にあちこちに応援に駆けつけてくださいますね、
フルート演奏の応援もありがたいですし
仲好しのお仲間との交流 ランとは また 別の楽しみや嬉しさも 有りますね、
皆様の和気藹々とした雰囲気が感じられて 良いですね。
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見切り発車さんへ (とっちー)
2015-11-27 20:23:21
マラニックの良さは、走る事以外でも、いろんな交流がある事ですね。
和気あいあいと二日間、豊島を楽しめました。
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