fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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軽み(かろみ)2

2016年03月17日 | 俳句
 防備録的に書きます。
 先日、童子句会で勉強したこと。
 「軽み」に関する元禄3年の芭蕉の手紙と、没後弟子の去来が書いた論書から。

 五百年来昔、西行の撰集抄(せんじゅうしょう)に多くの乞食(こつじき)をあげられ候。~

 芭蕉が若い門人宛に書いた手紙。
 
 菰を来て誰人います花の春  という句(乞食などという言葉の入った句)を歳旦帳(門人の句を集めて、お正月に出した本のようなものか?)の巻頭にしたことを、京の物達〈京都在住の俳人達)は、何事にやと批判しているが、「あさましく候」。
 乞食という言葉、五百年前に西行だって、たくさん使ってるじゃないか。と言っているわけで。

 いや、私がへえーと思ったのは、元禄の世に生きている芭蕉が、500年前の西行の書いたものを読んで学んでいるということ。不思議でもなんでもないのだけど、数百年の時間を経て、さらに我々が、それを学んでいるという事実。それが、いいなあ、嬉しいなあと、幼稚な感想なのですが、思ったわけでした。(いや、書かれている内容より、それ・・・)

 京にても京なつかしやほととぎす 
 木のもとに汁も膾(なます)も桜かな  芭蕉


 辻桃子主宰は、芭蕉がわかってくると、西行がわかってくる、おもしろい。ともおっしゃっていました。
 西行かあ・・・(遠い目)
 私には、西行はまだ遠いなあ。
 願わくば花の下にて春死なんその如月の望月のころ  西行

 という歌だけは、しっかり覚えてますが。でもちょっと調べたら、なんと西行は、人骨を集めて人を作ろうとしたことがあったとか! ええー、そそられる。(人のようなものはできたけれど、心がなく、草笛を吹くようにヒューヒューという声しか出さず、失敗だったと高野山の奥へ捨てた。・・・で、で、できたんだ。そして、捨てたんだ! 反魂(はんごん)の術というものなのですね・・・そういうのが平安の頃にあったんだあ!! 安倍晴明とかがいた時代だしねえ)
  葉山の牡蠣

 軽(かるみ)を好むとも能く(よく)好まば何の悔にかあらん。只軽(かるみ)の軽(かるみ)たるを知らずして、みだりに此を好まば、卑薄(ひはく)に落ちん。薄と軽とは違い(たがい)あるべし。  (不玉宛去来論書)
 表面を真似しているだけでは、ダメ。みだりに軽みに走ると、薄っぺらなだけで終わる。

 一人で本を読んでもぜーったい、わからないこと。ありがたきかな。

 *当日、そうだ句会へ行こう的に思い立って行ったところ、嬉しい出会いもありました。
『しゅるしゅるぱん』を読んでお手紙をくださっていた、いわきのMさんがいらしていたのです。(お会いしたことは一度もなく)しかも、偶然となりに座っていて。ご縁だ。