三冊並んでいるように見えますが、一番左は、函です。
池蘭子句集『白絣』と田村乙女句集『土佐幟(とさふらふ)』が一つの函に入った句集なのです。
池蘭子さんは、「童子」の中では伝説のような方。土佐の女で、粋で気っ風がよく、着物姿のかっこいい女性でした。蘭子さんは、生前句集を作らずじまいだったため、このたび、娘さんの乙女さんが、ご自身の句集とともに、こういう形で世に出したのです。
いい!
よかった!
昼寝する兄と妹足の裏
こぼれてはせはしく這うて栗の虫
耳鳴りのことにぎやかに花筵
吊しのぶ男の物を干す竿に
得意気に馬券見せに来きのこ汁 池蘭子
アスパラや未来はこんな形かも
一生を着物で暮らし白牡丹
父の声知らずや父の日のラヂオ
雨雨雨雨雨晴雨靑葉木菟
どうでもいい話堂々巡り暑ッ
茄子の馬好かんというて乗らんじやろ
手花火のうしろの影の青さかな
空を見て空見てをらず鰯雲 田村乙女
乙女さんの句の「一生を」「茄子の馬」は、亡き母蘭子さんのことを詠んだもの。
全体にさばさばしてて、俳諧味があります。
土佐、行きたいなあ。
日本中に、このように颯爽と生きている人達がたくさんいるんだろうな。そんなことをこの2冊を読んで思いました。
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