きのうは、東京も雪でした。(朝)その中を吟行に行くのだから、酔狂だ。(これはまた後日)って、きょうも?
さて。
5分間の物語、一時間の物語、一日の物語、三日間の物語、そして一週間の物語という5冊のタイムストーリーが出版されました。いずれも、5話の短編から成るアンソロジーです。
この『一週間の物語』には、椰月美智子さん、最上一平さん、森川成美さん、後藤みわこさん、眉村卓さんの作品が載っています。
「この世は夢」(森川成美)は、冒頭から、主人公ミカは、(自分は夢を見ているんだな)と思います。マトリョーシカのような花柄のスカーフをかぶり、雪道を歩いています。寝る前にロシア民謡の「一週間」をテレビで聞いていたからです。そして、友だちらしい女の子に「日曜は協会って、どうして決まってるのかなあ」と話しかけられます。物語は、このロシア民謡「一週間」をベースに進みます。が、「これは夢」と友だちに言ったことで、一転、ミカはある所に閉じこめられてしまいます。これは夢なのか、それとも?
夢というコントロールのきかない世界の中であがきつつ、自分の今いる世界の不確かさに気づくという「怖い」物語です。
一週間というテーマを与えられた作家たちが、どう物語を紡いだのか、とても興味深く読ませていただきました。リアリズムだったりSFだったりと分野はいろいろ。他の時間枠のタイムストーリーも興味深いですね。読みたいと思います。