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死は畳いちまいのくに天の川 三森鉄治
今朝の新聞にこの作者の訃報が載っていた。
この俳人がどういう人か多くを知らないが、毎月発行される俳誌でよく見かけた。
とても大事な人を失ったような気がして、おろおろしてしまった。
記憶に残しておかなければ…
山国の空引き寄せて通草挘ぐ
茶の花や山なみ四方の空を裁つ
菫摘むなかに見知らぬ子もゐたり
おおよそ名前から想像できないような柔らかい肌理の細かい作品だ。
山梨の風土と懐かしい風景がある。
蛇笏忌の過ぎて四五日夜空冷ゆ
紅梅のかたはらに師の来てゐたり
なきがらと夜を明かしたる青葡萄
(2011年/三森鉄治句集『栖雲』より)
縁ある人々への鎮魂、そして亡き母への思慕が豊かに詠まれていて、
初めてこの俳人の心の内を知った。
句集を五冊出していてこの栖雲は第5句集となる。
第1句集からすべて読んでみたいと思う。
合掌