ちゃぶ台に干支の過ぎたる祝箸 梅沢富美男
題:鍋つゆ売り場
才能アリ1位70点 高橋真麻
片言の子の猫舌と鱈の鍋
添削 片言の子の猫舌と鱈鍋と
凡人2位60点 勝俣州和
無事願いかかあと待ってる三平汁
添削 無事帰港願うかかあの三平汁
凡人3位55点 宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
牛鍋の〆のおうどん捜索隊
添削 牛鍋の〆のうどんをさぐる箸
才能ナシ4位25点 ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)
鍋囲う笑顔思いて出汁選び
添削 鍋の出汁選ぶ売り場や冬の夕
才能ナシ5位20点 加藤ローサ
よーいドンおしくらまんじゅう鍋の夜
添削 おしくらまんじゅうみたいに寄せ鍋を囲む
現状維持 ◆森迫永依
商談の中華テーブル窓凍てる
添削 窓凍つや商談中の中華卓
特別永世名人なのにガッカリ… ◆梅沢富美男
ちゃぶ台に干支の過ぎたる祝箸
添削 かしましや干支の過ぎたる祝箸
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お題は鍋のつゆだが、鍋はそれだけでは季語ではなく、
三平汁というように具体的に鍋の種類を入れて使う
今回、鍋で検索すると「社会鍋」と言うのが沢山出てきた
大胆に銀一片を社会鍋 飯田蛇笏
十円の銭の音鳴る社会鍋 石川桂郎
このような句だが、この社会鍋とは、食べ物の鍋ではなく、
慈善団体が年末に行っていた募金活動で用いる「募金を入れるための鉄鍋」のこと
随分前のことなので、今の人たちは殆ど知らないと思うが、
こうして募金活動していた時代が確かにあった
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二三本葱抜いて来し牡丹鍋 廣瀬直人
牛鍋に下仁田葱の奢りかな 瀧春一
牛鍋に箸ふれ合ひてより親し 石黒澄江子
直人句や春一句のように、風土詠も良い
実際、我が家でも春菊を一坪菜園で作っているのでこのようにして使う
とっても新鮮な感じがして美味しそうな鍋だ
こういう句には誰も太刀打ちできないだろう
又、コロナ禍以前は、澄江子句のような場面も多くみられた
楽しそうな場面が浮んでくる
臨場感があってよい句だなと思う