やっぱりというか、皆さんがそう思ったのかあの名物先生の本が出ました。
超辛口先生の赤ペン俳句講座。
こんな先生が身近にいればいいなぁというのを本という形にしたものです。
中身は、テレビで放映されたそのものですが、
それにその時に言えなかった部分に丁寧な解説が加えられています。
俳句愛好者であっても、”へぇそうだったのか”というようなことが載っていて勉強になります。
昨日はその「俳句の査定」の放映日でしたが、
まだ本には載っていない「句またがり」と言うのが新たに出て来ました。
俳句は5・7・5と教えらていますから、最初はきっちりこのように作ります。
しかし、今回は
故郷や/雪舞う駅舎/我ひとり 5・7・5
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故郷は雪や/駅舎に我ひとり 8・9
と添削しました。ぶつぶつ切れていたものがとても滑らかな韻律となりましたね。
初心者の域を超えています。次の段階に入っています。
回を追うごとに高度なものを入れていこうという先生の計らいでしょう。
しかし、この句またがりは普段の句会ではほとんど使いません。
使い方が難しいからです。
海凪る日や/菜の花の咲揃い ume
梅さんの句またがりの作品です。
近年、著名な俳人は、この句またがりを多用する傾向があります。5・7・5より、この句またがりが上というような意識があるかのようです。悪く言えば、私は難しい句またがりをこんなにできるだんぞ、と見せつけているかのようです。
個人的には、平易な言葉で、素人でも意味がわかるような句を作る方が、よっぽど実力があるように思えるのですが・・・。
まあ、そんなにたくさんの平易な句はつくれませんが(笑)。
それを避けるとなると、他の人が作らない「句またがり」のような用法になってしまうのではないでしょうか。
著名な俳人が多用することによって5・7・5の基本型が変わってしまうのも懸念されますね。