夕芒祖母の黄ばんだひらがな帳 森迫永依
題:幼少期の写真
1 水野真紀 現状維持
クラゲ刺す男言葉の課長の娘
添削 刺されたるクラゲ罵る課長の娘
2 春風亭昇吉 1ランク昇格
父と子の季節短し晩夏光
3 的場浩司 現状維持
波飛沫母笑みて抱く裸の子
添削 母の抱く裸子は吾ぞ波飛沫
4 武田鉄矢 1ランク昇格
夏シャツのよごれそれぞれ昭和の子
5 森迫永依 1ランク昇格
夕芒祖母の黄ばんだひらがな帳
◆村上健志永世名人37句目に掲載決定
星明かりほどの重さの子に汗疹
◆千原ジュニア永世名人38句で掲載ボツ
祖父に兄縛られしこの柿の木や
添削 祖父が兄縛りし柿の木の夕焼
~~~~~~~
幼少期の写真には誰でも思い入れがあるだろう
今回は自分を詠んだり、父母兄弟を詠んだり様々だ
その中でも、森迫の句は一番兼題に相応しいかなと思う
「夕芒祖母の黄ばんだひらがな帳」 森迫永依
説明を聞いていると、森迫の祖母は中国人だそうだ
そして、一生懸命ひらがなを練習していたそうだ
そのノートが題材となっている
黄ばんだが、セピア色の年月の経過を現していて秀逸!
その点、村上健志の句は幼少期という昔ではなく、
「星明りほど」の比喩は、未来への明るさが感じられる
とても良い比喩であるが、兼題からすると森迫の勝かな…