毎日新聞の季語今昔に井上先生の句が載っていた
坪内稔典さんが毎日一句あげて鑑賞しているものだ
梅酒酌む漆光りの夕空に 井上康明
梅酒は夏の季語 晩夏になる
「漆を塗ったような夕空とは豪華だなぁ。
たしかに琥珀色の梅酒が似合いそう。」 鑑賞稔典さん
この欄を欠かさず見ているが、井上先生の句は初めて登場した
梅酒に対し、ものすごく格調高い取り合わせとなっている
さすが井上先生と思う
梅酒については一物仕立てが多く、
たいがい、梅酒の説明が多い
六月や梅酒抱へて一間過ぐ 廣瀬直人
直人先生の句は、六月と梅酒で季語が二つある
この句のポイントは「一間過ぐ」だろう
座敷がいくつもあるような屋敷の廊下を、
だれか梅酒を抱えて通り過ぎた
その人は?その一間の先は味噌などを置いておく蔵か?
蛇黒く住みつく家の梅酒に酔う 金子兜太
蛇が住み着く家は縁起がいいと言う
さぞかしどっしりとした家だろう
こんな家で酔っ払っている兜太先生が思う浮ぶ