うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

今更、生れてはじめて体験

2022年10月20日 | 日記

考えてみると、

私は、生まれてこの方、これを食べたことが無かった。

 

クレープ

 

おはようございます。

そう、焼き立てのクレープを食べた経験がなかった。

先日、スーパーの前にクレープ屋のキッチンカーを見かけて、

ついに、やっとついに、今まで口にしたことのない言葉を

我が家のおじさんに出してみた。

「ねえ、おじさん?あたし、クレープ食べたい!」

「じゃ、食べましょうね。」

と言っても、初めてのことで、

とてもじゃないが、注文が自分では出来る気がしない。

注文の仕方なんて、私には分からない。

私にとってクレープは、『原宿のお洒落っ子が食べる物』だ。

愛知の田舎のイモっこが、どんな顔をして、どんなトーンで言えばいいか分からない。

 

そこで私は、とりあえず、まるで忍びの者のように、

足音を忍ばせて、そーっとクレープ屋へ近づいた。

もちろん、正面からではなく、後ろからだ。

意を決して正面へ回ると、さすが、クレープ屋はキッチンカーもお洒落だ。

メニューも黒板にお洒落な文字で書いてある。

あかん・・・気絶しそう。

お洒落さに慄く私は、おじさんの背中を押した。

「なんでもいいから、頼んで」

「えっ?!おかっぱちゃん、なんでもいいんですか?」

「おお、なんでもいい!」

 

ということで、生れてはじめて食べたクレープは、

とりあえず、生クリームが入っているねっという事は、分かりました。

美味しかったです。

 

そして、もうひとつ、

我が家には生れて始めてが、起こった。

昨日の丑三つ時、それは起きていた。

おたまが、おじさんの上で寝ていた。

こんなこと、初めてだ。

おたまが、あの素っ気ない、おたまが?!

 

おたまは、あや以外に甘える素振りを見せたことがなかった。

でも、「どちらかといって、クールな子」とも、

実は思っていなかった。

甘えたいけど甘えられない、不器用な子に見えていたから、

これは良いことだ。

甘えられるようになって、ほんとに、良かったんだ。

その相手が、私ではなく、おじさんであっても・・・・だ。

 

のんちゃん、あれはどういうことだろ?

ねえ、のんちゃん?

どうして私じゃないのかしら?

 

のん太「ここは、のんの陣地らもん」

陣地争いの問題なのか?


トップダウンの毛玉

2022年10月18日 | 日記

朝から、

コーヒーをバシャーっと、勢いよく

溢しちゃったおかげで、急いでいる訳ですが・・・

 

おはようございます。

ふき取りに時間を取られてしまった。

じっくりお伝えしたかったのに。

 

我が作品を、じーっくりと講釈垂れたかったけど、

さくっと

はい、これ編んだ。

今回は、約2週間で、我が家のおじさんのセーターを編み上げました。

 

このセーター、トップダウンで編むという、編み方で編んだんです。

普通、セーターは下から編みます。

前身頃、後身頃、袖、と別々に編んで、最後はパーツを縫い合わせるのが

通常の作り方なのですが、

このセーターは、首から輪編みで、閉じはぎなしで編み続けました。

だから、こういう段染めされた毛糸の模様が

きれいに繋がるんですよね。

分かります?

前身頃と後身頃の模様が繋がっている~。

 

ん?

なんですって?

「おじさんのなの?58歳のおじさんのセーターにしては、あれじゃない?」

ですって?

 

確かに、試着してもらった時、私は密かに思った。

うわ~、なんか出勤前のオカマバーのママみたいと。

でも、安心してください!

実は綺麗な色の服が好きなおじさんは、とっても喜んでいたから。

 

ママ、お似合いです。

 

そんな昨夜は、かずこさんもやって来た。

かずこ「この白いの、なんやろ?ようけ白い毛が服に着いとる。」

かずこさんのお洒落なベストが毛だらけ。

 

かずこ「なんでこんなに?はっ、あんたさんかいな~」

あやの毛だと、やっと気づいた模様。

 

かずこ「ほっかほっか、うわ~すごい格好やな~」

トップダウンだね。


命日の夜

2022年10月16日 | きくの事

昨日は、

きくの命日だった。

 

おはようございます。

きくが逝って、5年が経った。

せっかくだから、きくの画像を探そうと思ったけれど、

最近の私は、過去を今へ連れてくることに躊躇いがある。

 

今は、目の前の現実しか目に入らないからかもしれない。

かずこさんは金曜日、デイサービスで

「帰りたい」と怒ってキレて、挙句には、施設内で煙草を吸ってしまった。

次の日は、床で酔い潰れていた。

とはいえ、怒りは湧かない。

次週からは、煙草を持たせないよう、持ち物チェックを強化するべきだし、

どうやってベッドにあげるかが課題であり、

ニコパッチ買ってくるかとか、吞み過ぎないよう、どうすべきかとか

そんなことで頭がいっぱいだ。

 

きくとの暮らしも、こんな感じだった。

夜鳴きが酷かったり、他猫との小競り合いは常だったり、

巻き爪との対決したり、

きくのストレスが爆発して自傷行為が出た時は、

居心地の良い安心な場所を作ってやらんと、夜中だって大胆な模様替えをしていた。

押し入れの物を全部放り出して、きくのお部屋を作ったりもした。

何度も繰り返した。

最終的には、他猫ときくを隔離して暮らさせた。

その時は、衝立を用いて、完全な個室を作った。

急いでいたから、寸法は間違えだらけだが、凄まじい速さで個室をこしらえた。

 

私は、きくとの15年間で、ずいぶん鍛えられた気がする。

布団なんて無くても眠れるようになったり、

いつでも動けるよう、立って食うことも覚えた。

なにより、「諦めない、きく」に、諦めないということを教えられた。

 

きくが逝って、やれやれと思うはずの頃、

かずこさんの異変に気付き始めていた。

元々、きくとかずこさんは、よく似ている。

見た目も習性も、驚くほど似ているし、

今、老い痴れたかずこさんは、まさに、きくの終末期とそっくりだ。

すごく、いい笑顔を見せてくれる。

撫ぜるにも注意が必要だった頃のきくとは大違いだ。

終末期のきくは、膝に抱くとゴロゴロと喉を鳴らして笑顔になった。

その姿に、私は泣いた。

昨夜、床に横たわる、かずこさんを抱き起こす時も、

これがなかなか動かない。

それでも、説得しながら何度も抱き起していたら、

かずこさんが不意に素直になって、頑張ってベッドの這い上がった。

「ありがとさん、ありがとさん」と笑いながらだ。

私は、その姿に泣けてきた。

笑い泣きなのか、なんなのか、自分でも分からない。

ただ、その涙さえ、5年前きくを抱きながら流した涙と、

似ているということは間違いない。

 

さて、我が家ののんちゃんは、

頑張って毛繕いをしている。

諦めず、

 

やればやるほど

 

あや「ボロ雑巾みたいになっていくわね。」

ほんと、どんどん毛が絡まっていく。

 

のん太「よち!きれいになった」

 

あや「そんなとこも可愛いわ~。泣けてくるわ~。」


シンクロニシティな母娘

2022年10月14日 | カズコさんの事

久し振りに、

二日酔いな気がする・・・

 

おはようございます。

夕方、実家へ頼まれ物を届けに行くと、

かずこさんが、自室でしょんぼりしていた。

「どうしたん?」

と聞くと、

「わし、可笑しなってまった。」

と言う。

どうやら、大便を漏らしてしまったらしい。

認知症になって以来、これが3度目だろうか。

しかし、認知症になる前も、何度かある。

大酒飲みの宿命だ。

酔っぱらうと、なんだって漏らす。

私も酒に酔って、あらゆるものを漏らしてきた。

大便なら、まだマシな方だと思うけれど、

最近のかずこさんは、酔って漏らしている訳ではない。

かずこさん自身も、それがショックなのだろう。

 

父は、それを大きな声で、説明する訳だ。

「ひでぇなんて、もんじゃねえぞ。」

から始まり、何度も何度も、

まるで大きな熊と格闘した武勇伝のように、

後始末の様子を話す。

それを聞く、かずこさんは、さらにしょんぼりだ。

 

「よし、吞もう!

かずこさん?まず、オムツを履こう。万全にして、吞もう!!」

私は、実家の冷蔵庫を物色して、ちょちょっとつまみを作り、

どっかり座った。

「さて、はじめますか」

大きな熊を退治したと威張る男を退治する意気込みだ。

この手の話は、放っておくと、さらに話が大きくなる。

改めてほじくり、別の話にすり替えてしまえばいい。

私は、分かっている。

熊は、そんなに大きくなかっただろうと。

床にぼとぼと、落ちた訳じゃない。

かずこさんは、下着の中にとどまった状態で、ちゃんと風呂場へ行けた訳だ。

「それは、セーフだ!母さん、それはセーフだよ。よく堪えたなぁ。

うまいこと、風呂場まで溢さず行けて、凄いなぁ。」

私は、そう言って、大笑いした。

 

「そういえば、私も今日、寸でのとこだったの。

思わず、市役所のエレベーターで、尻を押さえてたからね。

あの市役所のエレベーターは、どうしてあんなに遅いんだろうな。」

まさに、おそらく、丁度かずこさんが漏らした頃、

私は本当に、エレベーター内で、幼子のように尻を押さえて泣きそうな顔で

頑張っていた。

「嗚呼、なんという、シンクロニシティよ!」

さらに、必死の思いでエレベーターを降り、

眼に入った最初の人にトイレの場所を聞いたが、日本語の話せない外国人だった。

そしてさらに、自力でトイレを探し入ったら、清掃中で開いてなかった。

だから私は、「お願いします~お願いです~」と清掃員さんに縋った。

「そんなら、ババは、おまえの分も出してくれたみたいやないか」

と、父も大笑いだ。

「そうだよ。かずこさんのおかげだよね。ありがとうね。」

 

こうして、昨夜は『大便ネタ』で大いに盛り上がった。

大便ネタで、二日酔いだ・・。

 

そんな我が家は、並んでいる~。

冬用のベッドにぴちっと収まって並んでる。

 

こっちも

いや、こっちは、漏れている!


本当の、初めて物語 (補足的に追記したです)

2022年10月12日 | うんこの事

思い出さないように、

いつも通りを過ごそう。

 

おはようございます。

「今日は、そんな感じでいこう」と決める前に、

午前3時、不意に目が覚めた。

おかしな時刻に目が覚めるもんだと寝直そうとしても、

どうにも眠れない。

「そうか・・・」

10月11日の午前3時は、うんこが死んだ時刻だった。

こうなると、思い出さずにはいられない。

そして私は、うんこと初めて出会った日を思い出した。

 

「俺も、姉さんの猫になりたい」

男は、鳴き疲れて喉が潰れた捨て猫みたいな声で言った。

思いもしない言葉に、私はハッとして男を見た。

捨て猫みたいな声をした男の眼は、捨て猫とはまるで違っていた。

捨て猫は、こんな眼をしない。

絶望の最中に、強烈な希望の光を放つものだ。

けれど男の眼は、絶望の闇で濁っていた。

私は怖気づいたが、それに気付かれたくなくて、

虚勢を張るように、男に名前を付けてやった。

「じゃあ・・・そうだ。ミーちゃんって呼んであげる。」

私のボキャブラリーの中では、もっとも猫らしいと思える名前だった。

 

それ以来、

男は当たり前のように、私のボロアパートに住み着いたように見えた。

離婚して引っ越したばかりの部屋には、

猫3匹とキャットタワーと猫のトイレ以外、ほとんど何もなかった。

4月、夜はまだ冷えたが、男の体が大きかったおかげで、

私も猫らも、暖を取るにはちょうど良かった。

「ミーちゃんは暖かいわね。」

女とメス猫3匹に集られる男は、静かに微笑んでいたが、

その眼は、相変わらず、奥深くまで濁っているように見えて、

私は言い知れない不安を抱いていた。

 

男は猫らしく、ふらっと出かけて行った。

何日も帰らないと思えば、当たり前のように帰ってくる。

何度目かのミーちゃん不在日、夜中に携帯が鳴った。

「姉さん、助けて!お願い、助けて!」

男は一旦出かけると、2~3日は連絡もなく帰ってこなかった。

私は、それを問いただしたことがない。

猫だもの。仕方ない。

きっと、他でもご飯を貰っているのだろうと覚悟していた。

それが、この日は珍しく電話を寄こしてきたのだ。

「どうしたの?ミーちゃん?」

「昨日から、子猫がいるの。

昨日の夕方、歩いていたら、俺の目の前に落ちてきたんだ。

カラスが糞したのかと思ったら、違うの。

よく見たら、小さな子猫。

でも、俺・・・拾えるような状況じゃないから、植木の下に置いた。

姉さん、ごめん。

もうすぐ産まれるんだ。別れたはずの女が出来てて、

今更、産みたいから責任取れって言ってきかないの。

そいつが、子猫なんて放っておけばいいって言うんだよ。

俺、俺・・・どうしたらいい?」

 

男からの電話は、思いがけない内容だった。

子猫も子供も、あまりに唐突だ。

何が正解かなんて考えも出来ないまま、私は言葉を発していた。

「ミーちゃん、今すぐ来て。子猫を連れて来て。早く!」

 

しばらくして、男は来た。

待っている間、男に何を言ってやろうかと身構えていたけれど、

男の手の中の子猫は、想像していたより、遥かに小さくて驚いてしまった。

「うわ~、まだ赤子じゃない?!よく頑張ったね。」

24時間以上、外で生き抜いた割に、悲壮感を感じない子猫だ。

むすっとした顔が、まるで貫禄のある、どこぞの親方みたいだった。

「姉さん、ごめんね。ごめんね。」

ひたすら謝る男に、疑問も苛立ちも、悲しみも湧いてこない。

いや、あったのかもしれない。

けれど、男から手渡された小さな子猫が生きている。

私は、それだけで、充分な気がした。

だから、

「私は、この子を私の子として育てる。

ここからは、私だけの手で、必ず幸せにする。

貴方は、もう、ここへ来てはダメ。逃げてはダメよ。」

と伝えて、玄関のドアを閉めた。

 

涙は、不思議と出なかった。

「負けるもんか。負けるんじゃない。

この子は、誰よりも幸せにするんだから。あたしの子なんだから。」

私はそう決意して、ミーちゃんという名前を完全に捨て切るように、

子猫に、なんとも猫らしくない名前を付けた。

「うんこだ!お前は、うんこだよ。あたしの子だよ。」

 

あれ以来、私は誰にも、この話をしていない。

「うんこは、私の元へ空を飛んでやって来たんだよ。」

うんこ自身にも、そう嘘をつき続けた。

私を親だと疑わない、うんこに、一度でも

「放っておけばいい」だなんて言葉を掛けられた記憶を、

絶対に思い出させたくはなかった。

寒い4月を独りきりで乗り切ったことも、カラスに食べられそうになったことも、

何もかも、思い出させたくはなかったんだ。

 

あぁ、やっと白状した。

うんこ、もういいよね?

 

嘘をつき続けて、皆さん、申し訳ありませんでした。

これが、本当の、うんこの初めて物語でした。

 

昨日の夜は、仕方ないから、

うんこの好きなケーキを食べたよ。

うんこ、これだろう?

これが食べたいから、午前3時に私を叩き起こしたのだろう?