ガンを克服するために日本に帰った友人は、様態が思わしくなく、ご両親、妹さんと近くにホテルを取り待機している状態と連絡があったらしい。伝えてくれたのは、わたしよりもっともっと彼女と深い繋がりがある、年上の友人。その後、彼女を訪ね、二人でたくさん話をし、泣いて、笑った。彼女は、明日の便で日本へ行く。奈良の病院へお見舞いに行ってくれる。私は、なんとか春色の細いパステルカラーで編んだ、ショールを間に合わすことが出来た。
一年前、彼女は一年後に自分が闘病生活をしなくてはいけないこと、ましてや死と向き合うことになるとは思ってもいなかったはずだ。昨日今日の生活に、小さな喜びや不満を持ち、近未来の夢も持っていたはずだった。クリスチャンの友人は、この世は仮の姿で、本当の幸せは天国にあるというが、私は彼女は無念であろうと思う。
ちゅらさんというNHKのドラマがあった。岡田恵和作。二人兄弟の兄が亡くなった時(少年)、小学生の弟が、何故兄貴が死ななくていけないのかと問うた。有名なおばあの台詞が私の心の中に残ってる。和也君はね、命の大切さを教えるために、神様に選ばれた子なんだよ。何年も前に見たはずなのに、そのシーンも、台詞も覚えていた。
彼女はどうして神様に選ばれたのだろうと思う。私には分らない。