風の強い一日だった。
いつもの火曜日、木曜日はエコノミックの授業が終わり、次のテニスの授業までは図書館で本を読んでいる。今日に限って、冷房が冷たく感じ、駐車場の車の中で、持参した紅茶を飲んでいた。
近くに住んでいながら、あまり会う機会もない、友人が駐車場を歩いてくる。
おーい、声をかけ、少し近況を話し合う。私の近況は随分と変わっている。あと、47日で帰国だと話す。彼女はとっても驚いていた。
ここで会ったのも運命。きっと神様が別れの準備をしなさいと与えてくださった、機会かもしれないと思う。テニスを頭痛がするとずる休みをし、彼女とランチをする。ゆっくりたくさんの話をする。
その後、ちょっとした買い物に出かける。ちょっとした買い物が余計なものになるのだけど、日本の友人達へのお土産も考える時期になった。
そこで、また、懐かしい人に声をかけられる。彼女の電話番号をもう記憶してはいないので、ここで会わなかったら、きっとそのままになっていたに違いない。
少しずつ、別れの時を迎えていると感じる。
日本からこちらに来る際は、空港で友人達、家族の姿を見たときにはさすがに涙が流れたが、準備期間においては、泣いているどころではなかった。未知の世界に入っていく興味はあったが、恐怖心も、不安もあった。子供達を巻き添えにする決断でもあったから。
でも、今回帰国するにあたっては、さしたる不安はない。やらなければいけないことが山積みになっているが、生活に関して大きく不安に感じることはない。どちらかというと、こちらの生活を終えていく安堵感があるのかもしれない。
人間は極度の緊張状態では泣かない。その後、ちょっと安堵が訪れたときに、泣くものらしい。 確かにそうだろうと実感する。