新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

消費税率引き上げに対する不安感

2013-10-01 13:43:54 | コラム
天候と景気不順な折から皆様方は如何お過ごしでしょうか。気が付けば世界は第4四半期入りしておりました。

本日は消費税率引き上げの発表があるとかで、先ほどまで見ていたニュースでは日銀短観で「景気が良くなった」と答えた企業がリーマンショック以降最大の(単位不詳ですが)12となった」と報じていました。しかし、3ヶ月先の見通しでは「良い」と見ている企業は11で横ばいと補足されました。

私も8月29日の退院以後は昼間の外出では安全策でタクシーを利用するようにしていました。その際に最も陳腐な景気調査をしてみると「アベノミクス以後に事情が好転した」と言う運転手は皆無でした。また最早現場を知らない悲観論者の私は、「円安」、「エネルギーコストの高騰」、「電力の値上がり」等々が原因で物価が上昇しているだけで、消費が増加したとか、雇用が絶対値で増加したとか、給与が目覚ましく上がった等という声を遺憾ながら聞きません。

なお、先ほどのニュースでは日銀出身のエコノミスト・池田氏が「平均給与が約25万7千円が25万9千円と約1%上がった」と述べていましたが、司会者は「1%だけ上がった」のか「1%も上がった」なのかは意見が分かれるのではと指摘していました。

私には何ら学問的でも経済学的な根拠もなく「消費税率引き上げの発表は負の効果しか生むまい」としか見えないのです。もしも何らかの根拠を示せと問われれば「アメリカの大統領の能力不足が全世界に悪影響を及ぼす危険性があるから」とだけは言います。

山崎豊子さんの調査能力に深甚なる敬意を

2013-10-01 08:05:32 | コラム
山崎豊子さんが88歳で亡くなった:

ご高齢であろうとは思っていたが、88歳であの凄いとしか言いようがない筆力と調査力には敬意を表する以外ない大作家だと思う。私は会社をリタイヤー後は自分で駄文を書いて発表することを好むようになり、70歳になって偶然であり止むを得ぬ事情からPCを使うようになって、読書量が視力(資力?)の年齢相応の低下もあって著しく減少した。正直なところ、これを恥じているのだが。

それでも山崎さんの「沈まぬ太陽」は連載中から熟読した。あれは小説なのだろうが、とてもそうとは思わせぬ「事実より凄し」とでも形容したい迫力を感じて、国民航空なる会社が益々嫌いになっていったものだった。実際に国民航空に擬せられた(のだろう?)会社の飛行機には、在職にシアトルまで乗ったのはお客様のたってのご要望でたった一度だけだった。その徹底的に嫌悪した理由をここに述べるのは今回の主旨ではない。

在職中の読書はアメリカないしは英語圏内の国の作家のものが主体で、それもほとんどが謂わばビジネス関係の小説だった。一例を挙げれば、アーサー・ヘイリーの企業ものである。こうするようになった理由は他でもない英語の勉強になったし、アメリカの会社の実態というか内容を綿密に調査出来ていて素晴らしいと感じたからである。特に"Money Changers"はアメリカの銀行から転出してきた同胞に「実態を良く表しているので感心した」と聞かされた。

申し上げたいことは、故山崎豊子さんの徹底した調査能力はアーサー・ヘイリーと共通するものがあるので感心し、尊敬しているという点である。週刊新潮の連載は20回文の原稿を書き上げておられたと報道されたが、その素晴らしい筆力にあらためて敬意を表すると共にご冥福をお祈りして終わる。