新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

井の中の蛙が多い我が国のプロゴルファー

2013-11-11 08:15:58 | コラム
優勝したのは外国人ばかりだった:

昨日は情けない思いで男女のプロゴルフの中継を見ていた。我が国のプロのトーナメントを見ると、かなりの確率で男女とも韓国人ないしはその他の外国人が優勝して大金を獲得してしまう場面に出会う。「何をしているのか」と歯がゆい思いである。特に韓国の女子の場合は、日米を股にかけてその腕で稼ぎまくっている者が多い。

一説には「韓国では英語教育と同様に、スポーツ選手育成の国家が援助する機関があって、世界に通用するように育てている」とある。体格と身体能力的には我が国とそう変わらないと思われる韓国の選手があれほど多くの競技で強いのには、精神論以外の何かがあるのかと思っている。

しかし、昨日は話が違っていた。男子のトーナメントを制覇して4,000万円を獲得したのは、これまでに優勝経験がなかった呉阿順という中国人だった。男子ではこれまでに何人かの中国出身のプロを見たが、ここまでやった者を見たのは初めてだった。実は途中までで誠に情けない思いがしたので、結果を予測して見るのを止めていた。

女子では我が国で開催されたアメリカのトーナメントで、台湾のテレサ・ルー(廬暁晴)が最後まで韓国と競り合って優勝し、18万ドルを獲得していた。前日までは日本人が3名同スコアで1位に並んでいたが、残念にもひっくり返された。後難を怖れても敢えて偏見を述べれば、台湾の人が勝ったのだから遺憾に思うとまでは言わないが、あれで良かったのだ。如何にも我が国のプロたちは情けない。

我が国のプロたちが伸びきれない理由は種々取り沙汰されている。だが、既に述べたように韓国の女子はアメリカに渡っても大きなトーナメントで優勝するなど「国際化」された者が多い。台湾の廬も「ルー」とカタカナ書きされているようにアメリカにも出て行っている。彼女らがアメリカに行きまた我が国に来る理由には、自国の多額の賞金がかかったトーナメントが極めて少ないからだそうだ。

一方の我が国ではアメリカまで出てい行った者の数は少ない。過去には優勝していた青木功や丸山茂樹の例はあるが、現在では石川遼と松山英樹くらいだ。女子には宮里藍と宮里美香や上田桃子等は現地で認識されるほどの実績がある。だが、どうやら言語風俗習慣が異なるアメリカまで出て行って世界の強豪と競い合うリスクを取るよりも、国内に止まる安全策を選んでいる者が多いのだろう。この辺りに、アメリカその他の外国の大学に留学する者が減少傾向にあることと何処か似ている気がするのだが。

アメリカに出て行かないその心情は理解出来なくもないが、「あれほどアジアの同業者の勝たれてばかりいて何とする」と言いたくなる。女子の場合はそれでも20歳前後の若手が数多く出てきているが、男子の場合は未だ未だ「昔の名前で出ています」的な者が多いし、アメリカ行きのリスクを取る者も少ないのは如何なものか。

私は何も海外に行けと言っているのではない。「行きたくないのでも結構だが、行かないでも腕を磨いてむざむざとアジアから進出してきた者たちに負けないように努力すべきではないのか」と言いたいのだ。何もゴルフに限ったことではないが、一度アメリカでも何処でも外国に自分一人で滞在し、見て歩いてくれば、世界が変わるのである。