新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

森林を管理していないと

2013-11-18 12:32:57 | コラム
Managed forestの意義は:

先日「木質バイオマス燃料」を論じて「W社では"Managed forest"と称している」と述べた。私の森林管理についての知識は、謂わば「門前の小僧習わぬ経を読む」的であり、W社の社員として心得ておくべき最低限のものである。

その視点からすると、我が国の森林の管理は余り良い状態ではないと危惧する。これは関連の業界にいれば、そう思わざるを得ない現象であろう。即ち、森林は内部で空気(酸素等)を循環させ、地面の日当たりを良くするために間引く作業が必要であることから始まる。そして、下枝を払って置く必要もある。更に肥料をまく必要もあるし、雑草も抜かねばならないとも聞いた。針葉樹(soft wood)を主体とするW社では冗談のように「種が風で運ばれて育ってしまう広葉樹(闊葉樹=hard wood)は雑草と同じ扱い」としているとも聞いた。

こういう管理(manage)を怠ると地面に樹木が十分に根を張らず弱くなって痩せていくので、大雨でも降ると崩れてしまうことになるのだそうだ。素人の私が見ても、我が国の美しく紅葉する広葉樹林には木が密生し、間引きされている様子がなく、下枝も払われてはいないようだ。これでは地面というか地盤というかが、強固にならないのかと思って見ている。大雨が降れば崩れる危険性があるということ。

我が国では多くの人手を要求する林業が衰退した上に、嘗ては丸太が輸入され、さらに製材品(四寸角や「ツーバイフォー=2×4等」を指す)も輸入されるようになって来ていた。それだけが原因かどうかは知らぬが、山林が手を入れられずに放置され樹木が伸びるままになっているのかと見てきた。林業が盛んな地域もあるが、一時の円高では苦しい競争になっていただろう。

製紙用には我が国の広葉樹だけでは強度を要求される品種には外来の針葉樹のチップかパルプが必要であり、チップなどは1960年代から輸入されていた。また、我が国の広葉樹は北海道等の寒冷地の多く育つので、一部の論者が指摘されるような乱伐や乱獲が本州だろうと何処だろうと、行われる訳がないのだ。即ち、紙は天然資源である木材を乱用していないのである。

それどころか、山からの土石流や崖崩れを防止するために、国内と森林の管理を怠ってはならないことを論ずべきだと、森林の管理には門前の小僧の私は考えている。