新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

高齢者の負担を増やそうというのは安易だ

2013-11-29 15:51:38 | コラム
高齢者の医療費負担を増やそうとするのか:

今朝もシルバーパスを利用してバスに乗った。停まる度に乗ってくるのは同じような高齢者ばかりで、皆シルバーパス組だ顔見知りだ。後ろに座った二人組の男性はの1人は「耳鼻科の予約があって、同じ団地の老人クラブの2泊3日の旅行会を見送った」と残念がっていた。

当方も06年1月の心筋梗塞発症以降、定期検診と種々の検査、07年1月の右目の下の皮膚ガン切除手術、大腸ガンの疑いによる内視鏡検査、CT、PET検査、白内障の手術等々と数え切れないほどの病と疑いがあって、05年以前とは打って変わった病院通いの生活となった。また、大病院であろうと開業の医師の医院であろうと、何処に行っても老人ばかりだ。

また、94年2月のリタイヤー後に熱心に?通っているスポーツジムにしても、午前中は老人の社交クラブであるかのような感が深い。だが、ここは病院よりは遙かに健康的だと言えるだろう。

しかし、自分の経験からしても高齢者の医療費が嵩むのは当然というか、阻止しきれるものではないと痛感する。05年の10月までは病気と縁が無く、高校時代の仲間とフットサルを楽しむに十分な体力が残っていた当方も、06年2月以降は顔付きだけが健全である病弱な老人と化した。これでは財務省か厚労省か知らぬが、高齢者の医療費負担を増やそうなどと言い出す訳だと思っている。

だが、私はそれは不当であると秘かに思っている。旧制中学以来の高校のクラス会では幹事が「病気と孫の話は禁じる」と開会宣言したように、皆が何らかの病気を抱えているか経験している。これは避けられない実態であると言いたい。だからと言って、高齢者は蓄えがあるからと言って、そこから取ろうという発想は一見尤ものようだが、安易で不当だと思う。

彼等官僚や政治家の今日あるは、我々世代が努力して築き上げた嘗ての世界第二の経済大国という基盤があったからであると言いたい。その基盤を何とか言う脆弱な世代が維持できなかったせいではないのかと言いたくなる。また、近代医学発展・発達したお陰もあり長生きする人が増えて、その人たちが皆将来というか一層の老後に時代に備えて蓄えた資金から取ろうという魂胆は間違っていると言いたいのだ。

今時、2~3年でも生き延びれば消費税その他の増税、後期高齢者医療費負担、介護保険料に加えて安倍政権がインフレを目指せば、一寸した蓄えでは賄いきれないだろうし、同じ団地の老人クラブの2泊3日の旅行だって行ける余裕がなくなりはしないか。多少僻みっぽいが、こうも言いたくなってしまう。

だが、少し時代の変化を考えてみれば、その変化をもたらしたのは現代人だ。その実績は評価するが、アナログ時代を過ごした高齢者には全く暮らしにくい時代となった。我がアパートでも新築後25年も経てば台所の設備も老朽化して入れ替えれば、IHヒーターで高額であるばかりでなく、文明の利器への対応に戸惑う。我が家では昨年から種々の設備の更新が続き、その負担は少額では無い。それでも高齢者の老後の備えから取ろうというのは不当だと思う。

官僚でも政治家でも遠からぬ将来に高齢化して、我が世代と同じ目に遭うはずであると思うのだが、彼等はそこを考慮していないのかと疑ってしまう。私は同じことが形を変えて循環しているだけだと考えている。だが、そういうものを思わない政治家を選んだのも我々だと思えば、諦めなければならないのかと、ふと考えてしまう今日この頃だ。

私にはそうしてくれという知恵はない。そういう知恵を出させるために税金で政治家と官僚を雇っているのだと思っているが、どうだろう。