新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「コンクリートから人へ」の影響

2013-11-30 10:31:24 | コラム
現場の作業員が不足?:

言うまでもないことだが、「コンクリートから人へ」は鳩山内閣が掲げた政策だった。聞くところによれば、この大転換のために仕事が減った貴重な現場の作業員が職を離れていき、今や人員不足が生じている由だ。世の中の実情を弁えない政党が「格好が良いだけの政策」をぶち上げた結果がこれだったならば深刻な問題だ。

昨日も述べたことで、築26年目に入った当アパートでは目下大修繕が進行中で、毎日多くの作業員が懸命に作業している。しかし、開始以降は何度も襲ってきた台風や雨降りのために工事は予定通りに進行していない模様。それでも現場の作業はカレンダー通りに休んでいる。「それでは遅れを取り戻せないでは」と言うと、事情通は「現場が休日出勤すれば、元請けの社員が休めなくなるではないか」と教えてくれた。ナルホド!

我が家では5月に雨露に耐えて25年も働いてくれ空調の室内機の半数が、耐用年数を過ぎて機能しなくなったために入れ替えを決意し実行した。作業は販売店の社員と下請けの作業員が来て半日で終わった。余談だが、本来は新鋭機で電気代が半減するはずだったが、菅直人の史上希な悪政と東電の不手際で電気代が高騰したために、所期の経費削減が出来なかったのは遺憾だった。

そして今週は台所で同じく25年間使用して老朽化した電気の調理用ヒーターを“IHクッキングヒーター”と交換した。同時に水栓も交換した。訪れたのは販売店の技術者と下請けの作業員だった。この作業員は何処かで見たような顔かなと一瞬思った。彼は勝手知ったる我が家の如くに台所に入り素早く作業に取りかかった。

そして「実は、5月に空調の交換に来たのも私だったので、お宅の中は良く知っています」と言った。即ち、彼は空調でも台所の電気でも何でも下請けする会社の者だったのだ。交換が終わったら、さっさと販売店の社員を残して帰って行った。そこから先は販売店の社員が慣れた手つきで水栓を新型に交換して帰って行った。

我々はそもそも不器用であり、何らの基本的知識が無い如何なる電気系統の機器には手を出す勇気も資格もない。だが、この種の作業員も含めて建設現場の作業員の需要はマンションの建設ラッシュもあることだし、これから先に始まっていくだろうオリンピック関連の競技施設でも需要が増加していくだろう。要員は間に合うのだろうか。

何も妙にアジア化が進んだこの界隈だけでも無く、私は方々の建築現場でアフリカ系その他の異邦人が働いている姿を屡々見かける。それを法律的にどうかと云々する前に疑問に思うのは、「かかる流入労働人口が技術的に我が国の高度な?!な要求基準を満たすのだろうか」という点と、最早「背に腹は替えられない」ほど現場の作業員が不足しているのかの2点である。