新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカの民主党を笑う

2015-03-06 15:27:13 | コラム
笑止の沙汰だ:

最近最も笑えたニュースの一つにアメリカで「与党である民主党の議員に『TPPで関税無しの輸入品が入ってくればアメリカ国内の雇用を失う恐れがある』と主張してTPP反対を言い出している」というのがあった。笑わせるのも好い加減にしろと言いたい。そもそも経験上も知識としても、私は「アメリカ基本的に輸出国ではないし、国際市場に疎い」と繰り返し述べてきたし、「頂門の一針」にも以下のような投稿もしたし、自分のブログにも掲載したし、機会があれば多くの場でこの点を強調して語っても来た。

以下に取りあえず昨年2月のブログから引用しておく。

>引用開始
私はこれまでに何度もアメリカにはTPP交渉の一環として関税の撤廃などを言う資格があるのかと指摘してきた。その根拠はもう何年も前からアメリカの商務省は製紙業界の請願を受けて中国、インドネシア、韓国等からの印刷用コート紙に高率の反ダンピング税と相殺関税を賦課してアメリカ市場から閉め出していたし、中国やドイツ(アジアの国ではない、念のため)等からの店頭のレシート等に使われる感熱紙にも関税をかけて締め出した実績があるからだ。

アメリカ政府がやってきたことは自国の国際競争力が衰えた産業の立派な?保護であり、TPPの理念だか理想だかとは正反対の方向にある。流石に国際貿易委員会はコート紙への関税の賦課は撤回を促したようだ。だが、こういうことをやりながら良くも聖域なき関税撤廃などと言えるものだと感心している。私はまさか経産省やJETROがこのアメリカの保護政策を知らないとは思っていない。甘利大臣はこういう点を交渉の場には持ちだしておられないのだろうか。

それだけではない。私が何年前だったか、この件を当時のizaのブログにエントリした際には全く何処からも反応がなかった。それは何方もTPPに関心がないのか、あるいはアメリカの製紙産業の横暴だと言いたい振る舞いに興味を持たれなかったかの何れかだろうと勝手に解釈していた。この関税を請願したアメリカ最大のコート紙のメーカーはこの努力も虚しくChapter 11の申請に至り、その手続き終了した後のごく最近に言わば最大のライバルとの経営統合にまで落ちぶれてしまった。
>引用終わる

ここには当方の専門分野である紙パルプ産業界を例に採ったが、アメリカという国の人たちは自己防衛のためとあらば、形振り構わず関税を賦課するような手段をお採り願いたいと、連邦政府に請願するのだ。こういう保護貿易というか、高圧的な姿勢を平然と採るのが民主党政権の得意技だ。よもやオバマ大統領は足下の商務省がこういう政策を採っているとご存じではないと思えないのだが、如何なものだろう。

しかも、依然として我が国等にTPPの早期決着を迫っていながら、与党内部から苔むしたような懸念、即ち、「安値の(無関税の?)他国の優れた製品が輸入されれば、自国内の雇用が危うくなる」等という50年以上も前に蔓延ったようなことを臆面もなく言い出しているのだ。もっと解りやすく言えば「彼等は事ほどさように国際貿易市場の事情に暗い」のである。

幸いにも、私は海外の事情と市場に精通せざるを得ない対日を含めて輸出に専念した会社に長年奉職したので、アメリカ企業の「輸出に対する考え方」を知り得た。だが、そういう機会を得なかった日米の一般人や議員さん方は現在の一部の民主党議員の海外音痴の背景が解らないのではないかと懸念する次第だ。だからではないが、ここに敢えて1年前の記事を引用して「アメリカとは」とを説く次第だ。

要するに、私の主張は「アメリカとアメリカ人を国際的な事情に精通した国や経済人の集まりだ等と思い込まないように願いたいものだ」という極端だと思われるような説なのだ。誤解なきよう申し上げておくと、当然アメリカにも海外と国内の事情に精通したビジネマスマンは数多くいる事も付記しておかないとフェアーではあるまいが。

15年2月の新宿区の人口

2015-03-06 08:54:27 | コラム
2015年2月の新宿区の人口:

誠に残念なことだったが、私は今年の1~2月は病院で過ごしていたために、2月の新宿区の人口は前年同月との対比とともに進行せざるを得ないことになった。

新宿区役所の“広報新宿”の15年3月5日号によれば、15年2月の人口は1月よりも330人増加していた。だが、対前年同月比では542人と0.16%の減少だった。外国人は対前月比で376人増えて36,392人で、これは対前年同月比では2,009人と5.8%の大幅増となっていた。2月中には日本人が1月との対比で46人の減少だったことと対比すれば、急増と言えるのだろう。即ち、対前年比では区内で増加した人口は外国人だったことになってしまう。

この他に目立った現象に、世帯数の変化があった。即ち、14年2月には201,470だったものが、今年には204,794と対前月比311も増加し、ほぼ人口の増加数と等しかったことだ。外国人の単身者が増えているのかという気もするが、これが具体的に何を意味するのかは、言うなれば所謂専門家の解説にでも委ねたい気がする。

当方は1~2月を病院で過ごしており、2月下旬から再び大久保通りを通って国立国際医療研究センター病院の外来に通い始めたところだ。そこに見えたのは寧ろ意外な現象で、大久保通りでは最早衰退期に入ったと思っていたKoreatownが巻き返しに出て来た様子。晴雨に拘わらず多くの婦女子で賑わっているのだった。既に指摘したが、彼女らの眼中には日韓の政治的関係などは入って来ていないと思わせてくれる。

確かに、一時は東方神起だったかを招いた「イベント」(なんでこんなカタカナ語が罷り通るのだろうか?)に引き寄せられた女子が多かったが、やや往時の賑わいを思わせるほどの人数が歩道を占めていたのだった。

15年2月の人口に占める日本人の比率は88.9%で、昨年の89.4%からは微減だった。外国人の比率は11/1%で14年2月の10.6%からは増加していた。因みに、14年12月の人口は328,182人で、日本人が291,820人で、外国人が36,352人だった。これに見る限り、2ヶ月間に外国人の数に大きな変化がなかったことになる。

参考資料:“広報新宿” 15年3月5日号