アメリカの紙パルプ産業界を批判すれば:
その昔「腐っても鯛」と言ったものだが:
アメリカの紙・板紙の生産量が4年連続で減少:
紙業タイムス社のFUTURE誌 15年第9号によれば、「今や中国に次ぐ世界第二の紙・板紙生産国に成り下がったアメリカの14年度の総生産量は対前年比△1.2%の7,210万 ton に止まっていた」とある。1990年には8,754万 ton を誇っていたアメリカの凋落傾向は著しいものがあるという見方は成立するかも知れない。実は、不景気論を除いて言えば、我が国でも同様にマイナス成長が続いているのだ。
だが、私の見方は「そういうことも言えるだろうが、現実には先進工業国ではICT化の進行と共にこのような減産傾向には広まりつつあり、悲観的に考える必要はない。寧ろ紙パの減産傾向は、その国の文明度の進展を表すと受け止めても良いほど」なのである。それが証拠に、既に13億の人口を擁する中国では生産量が経済発展につれて急増し1億 ton を超えているのが実情なのである。この2ヶ国の何れの文明度が高いかは論を待つまい。
アメリカは輸入のコピー用紙に反ダンピング関税を賦課:
私は以前にアメリカの商務省が製紙業界の請願を受けて、中国やインドネシアや韓国等の新興国からの印刷用紙(コート紙)に反ダンピング関税(ADD)と相殺関税(CVD)をかけて、アメリカ市場から閉め出した事実を指摘して「アメリカにTPPで例外なき関税撤廃を言う資格があるのか」と批判した。しかし、この関税は後に国際貿易委員会(ITC)の指示で廃止されてはいた。
だが、今回はそのITCが輸入のコピー用紙(非塗工上質紙のカットサイズとの表現もある、念のため)にADDとCVDをかけると決定したのだ。その対象はオーストラリア、ブラジル、中国(香港)、インドネシア、ポルトガルの6ヶ国の由だ。私が奇怪に思うのは、生産がない香港や先進国であるはずのオーストラリアと遙か遠方のポルトガルまでが入っている辺りだ。
アメリカではW社が2005年に洋紙事業部門を分離したように、インターナショナル・パーパーを始めとして大手メーカーが相次いで洋紙部門を売却乃至は整理して毛経営体質の転換を図った結果で、輸入しに依存せねばならない事態が発生していた地方があったのである。それでも、残ったメーカーは政府に輸入紙の脅威を訴え出ねばならないほど経営状態が思わしくないのである。
何度でも言うが、このような国内産業の保護を打ち出しておりながら、未だにTPPの早期締結を目指すが如き政策に拘泥する連邦政府の見識を疑いたくなるのだ。敢えて言えば「フェアーではない」のだ。また、経産省やJETROがこの度の関税賦課策を知らないはずがないだろうし、我が国のマスコミでもこの程度のニュースは承知しているはずだと思う。だが、一向に報じられていないのは何故だろう。如何に何でもアメリカに腐って貰いたくはない。
なお、この件はFUTURE誌の第11号から引用した。
その昔「腐っても鯛」と言ったものだが:
アメリカの紙・板紙の生産量が4年連続で減少:
紙業タイムス社のFUTURE誌 15年第9号によれば、「今や中国に次ぐ世界第二の紙・板紙生産国に成り下がったアメリカの14年度の総生産量は対前年比△1.2%の7,210万 ton に止まっていた」とある。1990年には8,754万 ton を誇っていたアメリカの凋落傾向は著しいものがあるという見方は成立するかも知れない。実は、不景気論を除いて言えば、我が国でも同様にマイナス成長が続いているのだ。
だが、私の見方は「そういうことも言えるだろうが、現実には先進工業国ではICT化の進行と共にこのような減産傾向には広まりつつあり、悲観的に考える必要はない。寧ろ紙パの減産傾向は、その国の文明度の進展を表すと受け止めても良いほど」なのである。それが証拠に、既に13億の人口を擁する中国では生産量が経済発展につれて急増し1億 ton を超えているのが実情なのである。この2ヶ国の何れの文明度が高いかは論を待つまい。
アメリカは輸入のコピー用紙に反ダンピング関税を賦課:
私は以前にアメリカの商務省が製紙業界の請願を受けて、中国やインドネシアや韓国等の新興国からの印刷用紙(コート紙)に反ダンピング関税(ADD)と相殺関税(CVD)をかけて、アメリカ市場から閉め出した事実を指摘して「アメリカにTPPで例外なき関税撤廃を言う資格があるのか」と批判した。しかし、この関税は後に国際貿易委員会(ITC)の指示で廃止されてはいた。
だが、今回はそのITCが輸入のコピー用紙(非塗工上質紙のカットサイズとの表現もある、念のため)にADDとCVDをかけると決定したのだ。その対象はオーストラリア、ブラジル、中国(香港)、インドネシア、ポルトガルの6ヶ国の由だ。私が奇怪に思うのは、生産がない香港や先進国であるはずのオーストラリアと遙か遠方のポルトガルまでが入っている辺りだ。
アメリカではW社が2005年に洋紙事業部門を分離したように、インターナショナル・パーパーを始めとして大手メーカーが相次いで洋紙部門を売却乃至は整理して毛経営体質の転換を図った結果で、輸入しに依存せねばならない事態が発生していた地方があったのである。それでも、残ったメーカーは政府に輸入紙の脅威を訴え出ねばならないほど経営状態が思わしくないのである。
何度でも言うが、このような国内産業の保護を打ち出しておりながら、未だにTPPの早期締結を目指すが如き政策に拘泥する連邦政府の見識を疑いたくなるのだ。敢えて言えば「フェアーではない」のだ。また、経産省やJETROがこの度の関税賦課策を知らないはずがないだろうし、我が国のマスコミでもこの程度のニュースは承知しているはずだと思う。だが、一向に報じられていないのは何故だろう。如何に何でもアメリカに腐って貰いたくはない。
なお、この件はFUTURE誌の第11号から引用した。