新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

FIFAランキング25位対53位のサッカー観戦記

2015-03-28 08:09:04 | コラム
日本代表対チュニジアのサッカー:

監督が替わったからと言って急に何かが変わるものではない:


昨27日の対チュニジアのサッカーでの我が代表に出来は想定内で、満足も失望もなかった生煮えの勝利だった。不調を推して寝ないで観戦した偽らざる印象を上げておけば、

チュニジア代表のサッカー:
「FIFAのランキングは当てにならないのであり、チュニジアはこれが本当に53位の我が国よりも28位も格上の25位になのだろうか。2度も続けてW杯出場を逃したのも無理はないな」と思わずにはいられなかった。全体的に見て「何がやりたいのか、どうやって点を取る形を作る気なのか」が最後まで解らなかったところを見せつけられたのは、言ってみれば「大いに遺憾に存じます」とでもなるだろうか。

「ひょっとして、ベルギー人だとか聞こえた監督は二軍だけを連れてきたのかな?」と疑いながら見ていた。

前半の我が代表の出来:
ハリルホジッチ監督は前日に「出来るだけ新しい者を使いたい」と言っていたと報じられていたが、確かに本田、香川、岡崎、今野、内田、川島等のザケローニ時代からの一本目を外して、彼が短期間に見て回って選んだ新人を使ったのは納得出来る起用法だった。だが、彼等川又、永井、藤春等や準代表の酒井宏、清武では「意余って力足らず」にも至らず、縦一発が主体だった。あれでは、あの弱敵?を相手に例よって後陣での見事なパス回しを主体にしただけで一点も取れずに終わったのも監督の想定内か。

事前の練習が僅か4日間であったこと等を考慮しても、全員が未だ「合わせられる段階に至っていなかった」という想定内の出来だったし、国際試合慣れも不足する者を集めたのでは新監督も不満には思わなかっただっただろう。あの前半のメンバーでの出来は評価の対象とするには値しないと判定せざるを得ない。

何度か指摘してきたことだが、Jリーグ内の試合で通用する技術では、世界とまで行かなくとも外国人が相手は思う通りにはならないものだと解れば、使っただけの効果があったのではないか。要するに現時点では「世代交替は難しい」と悲しいまでに解らせてくれただけとも言える前半のメンバーだった。

後半に投入された旧主力の欧州組:
それを言う前に、川島を外したハリルホジッチ監督の決断を大いに評価したい。私は何度も「川島は顔付きが怖いだけのヘボGKで、好い加減に外すべきだ」と指摘してきた。残念ながら、欧州で辛い経験を積んできた香川、本田、岡崎が入った途端にサッカーの質が向上してティームとして機能し始めた。これは当然の結果で敢えて評価するまでのことではない。

監督が敢えて使ったのだろうガンバの宇佐美もそれなりに機能していて「これから先にも使えるか」と思わせるところもあった。だが、今後身体が大きく足が長い外国人と当たることを考えると、彼にも女子の大儀見ほどの欧州やアメリカで鍛えられた「当たられ強さ」が求められると思う。何も欧州とは言わないまでもオーストラリアや韓国勢の無謀にも近い当たりに耐える体幹を育成するべきでないのか。これは何も彼だけではなく全員に求めるべき力だろうが。

結局は欧州組が順当に力を見せて2点取って勝つには勝ったが、もう2点は取れても不思議ではない相手だった。しかも、相変わらずの後陣でのバックパスと横パスが何度もチュニジア勢に狙われていた。これはパスの蹴り方が弱いのと、受け手がパスに一歩でも寄っていけば避けられたことで、改善と工夫が求められる重大な欠陥だ。記憶が正しければ惜しまれつつ引いてしまったオシム元監督は厳禁したのだが。

今後新監督が昨夜も未だその香りが高かったフェアープレー賞獲得狙いから脱却し、その他の多くの欠陥をどれほど改善してくれるかに期待して終わる。最大の問題点は「昨夜効果を発揮した欧州組ではフラジルW杯で予選敗退だった」ということだろうが。