新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

トランプ大統領対金正恩

2017-08-10 07:52:43 | コラム
トランプ大統領は”Fire and fury”でと応じた:

私は繰り返しトランプ様を”unpredictable”と形容してきた。しかし、近頃はunpredictableだろうとpredictしても良いかと思わせてくれるほど、言いたい放題である。一方の金正恩の言動は金正日時代から「ソウルを火の海にしてくれる」などという脅かしが続いていたので、今や何を言われても「オオカミ少年」の遠吠えかと思うほどの余裕?も出てきた。

そこに、この度の「核弾頭が完成し、それを搭載したmissileでグアム準州を狙う」という声明が出てきた。またかと思わせてくれるが、口先だけではなくそこまで本当にやってしまったならば、それが如何なる事態を世界全体でもたらすかくらいは聡明と言われる金正恩は考えていないとは思っていない。だが、unpredictableのトランプ大統領は休暇中にも拘わらず、ニュージャージー州から時を移さず”Fire and fury”で応じてきた。

我が国の政界用語(?)に「口先介入」というのがあった気がするが、この度のトランプ様と金正恩の遣り取りが口先だけに終われば良いとは思う。だが、これまでの予測不可能な政策を次々に打ち出して来られたトランプ政権の下にあっては、いくらテイラーソン国務長官が否定してかかっても、二進法的思考のアメリカ人であるトランプ様が果たして口先だけに終わらせるのだろうかと、少しだけ不安になってきた。河野外相に倣って得意の英語にすれば、最早”I’m concerned.”と言っていられる事態ではなく、”I’m seriously worried.”とでもなるだろうか。

金正恩というかDPRKは巷間伝えられているように、本気で本格的にアメリカと対等で対話したいが為に、このような脅迫的言辞を弄しているのだろうか。本気でグアムにmissileを落とせば、それに対してアメリカが何の反撃も見せずに対話に応じるとでも考えているのだろうか。

アメリカ側でもトランプ様は兎も角、金正恩の真の狙いは何か、文在寅大統領が何を目指しているか、習近平の腹の内は、プーテイン大統領の目論見は等々に関しては、既に十分に調査も分析も済んでいると思っている。だが、既に「世界の警察職」を辞退したアメリカが、一国で相手にせねばならないのはDPRK一ヵ国だけではないのである。それらへの対抗策が”Fire and fury”で十分なのだろうか。

私程度が口先で言うことではないだろうが、トランプ大統領は休暇をお楽しみになっている時期ではないのではという気もするのだが、どうだろう。安倍総理、お願いしますよ。トランプ様に「要らざる口先の威嚇や軽挙妄動をお慎み下さい」とお伝え下さい。