新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月7日 その3 再び「アメリカに向かって言うべき事」を

2018-05-07 17:07:19 | コラム
未だに「非関税障壁でアメリカの自動車が売れない」と我が国を責めるのは戯言だ:

私は5月5日にアメリカの我が国に対する貿易赤字問題を論じて次のように指摘していたので、ここで敢えて重ねてアメリカ側というかデトロイトの主張が如何におかしいかを述べておこうと思う。非関税障壁などという言いがかりは30~40年も前の蒸し返しであって、全く現実味がないのだ。もしもアメリカの自動車メーカーもトランプ大統領も、ライトハイザーUSTR代表が本気でそう言っているのだったら「知らないからこそ言える妄言」の他ならないのだ。

>引用開始
私はトランプ大統領が大統領として貿易赤字を削減しようと言われるのは普通だし、特に間違っているとは思わない。だが、細川氏も指摘されたように30年も前の貿易摩擦の時期に何あったのか、何故アメリカは大きな赤字を抱えるようになったかをご存じで言っておられるとはとても思えないのだ。また、何かと言えば、デトロイトの詭弁を信じて「我が国が非関税障壁を設けてアメリカ産の自動車を輸入しないのが怪しからん」と言うのは、自国の問題点を全く認識していないからこそ言える台詞だと思う。

私は何度「未だに左ハンドルの車しか作らない姿勢を反省もしていないのは不当である。ドイツを筆頭に欧州車が何故我が国で売れているかを知ろうともしないのか」と批判し続けてきた。英語の表現では右ハンドルの我が国の車は The steering wheel is on the wrong side. となってしまうのだ。即ち、「ハンドルが誤った位置にについている」という観念なのだ。誤った位置に付けているのは自分たちだという自覚がないのだ。

細川氏はこの件の締めくくりで興味深いことを言っていたのには同感だった。それは「もしも、我が国がそれではアメリカ産の車を100万台輸入しましょう」と言ったならば、その場合に入ってくるのはアメリカで製造されたトヨタやホンダの車になることになってしまうぞ」だった。現に、所謂逆輸入の車は入ってきている。私は細川氏の言を借りるまでもなく、政府なのか経産省なのか、茂木大臣なのか知らないが、デトロイトに向かっては「貴方たちが如何に誤っているか」を怖めず臆せずに言って聞かせるべきだし、ライトハイザーUSTR代表もこれくらいのことが解っていないはずはないと思っている。
<引用終
わる

お気付きの方が多いことを希望的に考えているが、未だにハンドルが反対側に付いた車しか造らず、売れないのを我が国の市場のせいにしている点などは典型的なアメリカの産業界人の悪い癖で「自分たちの至らざるを潔く認めることなく、買わない日本が悪い」と開き直っている姿勢は1990年代かそれ以前から全く変わっていないのだ。私は何度も繰り返して指摘したが、1994年7月にUSTRのカラーヒルズ大使は「対日輸出が振るわないのはアメリカで初等教育が充実していないことと、識字率が低すぎる点に問題があるからだ」と率直に認めておられた。

同じ頃にFRBの議長のグリーンスパン氏は「アメリカの労働者階級では numeracy (=一桁の足し算と引き算ができる能力)が低いことは問題である」と指摘されてていた。これらの指摘が意味するところは簡単に言えば「労働力の質の低さ」である。そういう言い草を21世紀の今日まで引き摺って難癖を付けるアメリカの手法はフェアーではない。尤も、カーラヒルズ大使は「そうであっても買わない日本が悪い」と指摘された。彼らは何があっても負けないのだ。

貿易赤字対策で我が国に圧力をかけるのも一法だろうが、その手法はクリントン政権下でも失敗した実績がある。どのような製品を如何なる手法で売り込めば成功するかをもっと真剣に検討すべきだ。トランプ大統領がご執心のFTAも一つの手段だろうが、それがもしも締結に成功したとしても、どれほどの日時を要するかをお考えだろうかと疑ってしまう。既に指摘したが、W社の紙パルプ製品がなくなっただけでも数百億円を失っているし、他のアメリカの同業者だって同様に市場を失っているはずだ。

我が国がアメリカの貿易赤字削減に協力すべきだろうとは思う。だが、自分たちが何ら工夫も十分な努力もせずにいきなり関税をかけるとか、圧力をかけるだけではこの世界でも有数に難しい市場での売上高を伸ばすのは容易ではないと20数年の経験からも敢えて指摘しておく。ところで皆様に伺いますが、アメリカ産の自動車で何をさて措いても買いたい車種かブランドがありますか。何でも良いからアメリカの製品でなければ買わないと執着されたい品物がありますか。


5月7日 その2 黄金週間が終わってホッとしている

2018-05-07 08:28:08 | コラム
私には何の為にもならない連休だった:

昨日で漸く連休という無意味な束縛から解放されてホッとしている。それは既に述べてあったように、私はこの制度の為に4月29日から始まる週では体力と体調の整備の為に通っているジムに2日しか入場出来ない会員なのである。ジムの制度改悪も恨むが「何が故に我が国の政府は休日を増やすのか」と嘆き節の日々だった。何とか運動不足にならないように少し散歩に出たり、室内でストレッチなど試みてはいたが、所詮は動かずにいた為の体重の増加を効果的に予防するのは不可能だっただろう。

だが、連休も悪いことばかりではない。議員どもが喜んで休んでいるのかどうかは知らないが、野党の連中のモリだカケだの揚げ足取りや、福田淳一前財務省事務追及の悪口雑言や、柳瀬審議官を証人喚問せよと喚く声が聞こえてこないだけでも気分が悪くならないで済んでいるのだから。特に柳瀬審議官の場合は「首相マター」と「総理案件」が混同された文書ではなかったかと言われているにも拘わらず喚き続ける、辻元清美のような害あって益なき国対委員長の顔が見えないだけでも有り難い。

何度でも同じ事を言っていることになってしまうが、現時点のアメリカ、DPRK、中国、ロシア等が関連した世界情勢が陳腐な言い方で恐縮だが「風雲急を告げている」時に、国会を空転させただけで満足せずに「柳瀬氏は証人喚問でなければ」と因縁を付けているだけの野党には本当に腹が立つのだ。立憲民政党の長妻などは「この文書問題は重要案件であり、証人喚問せねば」と先月だったかPrime Newsで吠えていたが、その人相が悪化したのには驚かされた。

一昨年だったかに国民会議で講演した時の理路整然とした彼の語り口が雲散霧消し、如何にも低級な野党議員面になっていたのは、彼の為にも惜しみたくなった次第だ。長妻をあそこまで劣化させた枝野が率いるこの党こそが、本気で国会を空転させた責任を正直に認めて真摯に反省すべきだ。だが、そんな殊勝な連中ではあるまい思うと、益々ウンザリである。


カタカナ語の濫用を戒める

2018-05-07 07:51:47 | コラム
日本語を何故“片仮名文字”にする:

渡部亮次郎氏主宰の「頂門の一針」第4676号の渡辺好造様の「日本語をなぜ“片仮名文字”にする」と題された片仮名語の濫用を戒めるご投稿は確かに「我が意を得たり」の思いで同感でしたし、有り難く拝読しました。そこから長くなるが引用してみようと思います。

>引用開始
1)カジノ=博打場、とばく場⇒堂々とてら銭をとる公共の超法規的賭場施 設。もうすぐ日本にも。

2) シェフ=優秀調理士⇒板前、板長、料理人、包丁頭なら目の前で調理し てくれる。シェフは命令するだけ。

3)タレント=芸人⇒ただのお笑い芸人なのになんでも完全にこなす能力 がありそうで、照れず厚かましい。

4)コンシェルジェ=ホテルの接客責任者⇒客がどんな悪辣なことを言った り、したりしても我慢できる接客係。

5)ファイナンス=金貸し⇒利息も安く、簡単に貸してくれ、取立ても厳し くない善意の金融業者。

6)コンプライアンス=規定・法律を遵守した行動⇒規定・法律の抜け道を どこに見つけるかが秘訣。

7) マニフェスト=公約⇒公に約束はするが、後で訂正自由。最近の貼り 薬”膏薬”は剥れないのに。

8)アジェンダ=政策課題⇒期限がなく実行希望の政策。後で間違いなく" 唖然とする"。

9)タトウ-=刺青⇒やくざのいれる全身のモンモンとは違い、体の一部に 化粧するような軽い感覚。

10)エッセイ=随筆⇒タレントが「エッセイ書きました」は、起承転結の ない日記、手紙、メモなどの駄文が多い。

11)コラボレ-シヨン=協同競演作業⇒過去の栄光をひきずる者同士の再生 競演策。

12)レシピ=調理法⇒美味そうに感じさせる秘密の調理法。美味くない時 の表現”この味は玄人好みですね”

13)パフォ-マンス=表現、才能、処理能力⇒派手な言動、ごまかし、でた らめ演技。

14)リベンジ=雪辱する⇒仇討ち、復讐、返り討ち、闇討ち、暗殺。

15)ホ-ムレス=住む家のない哀れな人⇒道路や公園を不法に占拠する同情 の余地のない浮浪者、乞食。

16)バッシング=たたく、攻撃⇒高収入、好待遇に見合う行動、成果をあ げないとやっかみで眼の敵にされる。

17)パテシエ=製菓技術者⇒砂糖とクリ-ムをたっぷり使い、高血圧や糖尿 病を忘れさせてくれる菓子職人。

18)ボランテイア=時間と能力の無償提供奉仕⇒作業量に見合った経費の いらない、善意に期待した労働。

19)アドバイサ-=助言者⇒野球賭博や脱税など楽して儲かることを教えて くれる人。

20)バックパッカ-=リュックサックを背負う旅人⇒金のない貧乏のふりを して、安上がりの旅行をする人。

21)リーズナブル=価格が手ごろなさま⇒品質が良く、より安いのを手ご ろというが、、。つい騙されやすい価格。

22)キャンペーン=企業・団体の目的をもった宣伝活動⇒消費者のためと みせかけて、自社の販売拡大が狙い。

23)アウトソ-シング=外部発注⇒下請け会社に無理やり安く発注し、資金 が少なくてすむ経営方法。

24)アシスタント=助手⇒安い給料で便利にこき使える我慢強い見習い人 で、「今にみておれ」と歯噛みしている。

25)エコカ-=燃料節約車⇒燃費が安いといわれる高級車で、税金で補填し てくれるのでよく売れる車。

26)コメンテ-タ-=解説者⇒聞かれたことの3倍以上にしゃべりまくるこ との出来る人。「、、そうすね」は失格。

27)カリスマ=教祖⇒一見すると能力ある風で、他人と違うことをする目 立ちたがりの超変人。

28)コンテンツ=内容物、中味⇒内容のない、中味のないものでもなんと なく見たくさせる。

29)セレブリテイ=話題の人 、有名人⇒親の莫大な遺産を相続しただけ で、実力があるとは限らない。

30)モラトリアム=(融資金返済)一時停止⇒単なる一時停止なのに、 「もう取らぬ」と全額返済不要と錯覚させる。

ハングル文字に統一した韓国では、漢字の自分の名前が読めない人が現れ たという。中国の物まね商品、商標権侵害を非難したら「日本は漢字を盗 んだ」と開き直った。その大事な漢字を略字にしてしまう中国は変な国だ。

片仮名文字はこれからも増え続ける。以上、日本語で”ボヤキ”。(完)
<引用終わる

私の年来の主張はこのように無意味だとでも言い切ってしまいたいようなカタカナ語の氾濫と濫用には、マスメディアの軽佻浮薄さと文化人とやら称されている連中の言葉の誤用と英語擬きを使っては良い格好をしたがる姿勢が如何にも情けないと思わせてくれるのです。

私はこれまでに何度も繰り返して指摘して事ですが、「小学校の3年から英語を教えて国際化の時代に適用できる人材を養成しよう」などと言う見当違いも甚だしい理想論が横行している現在に「本当の英語ではそういう言葉は使わない」だけではなく「正しい英語の発音とはかけ離れたローマ字読みやカタカナ表記がされているカタカナ語を氾濫させることは英語教育には先ず貢献しないだろう」という問題点でした。

2008年には、A4判にして17頁にも及ぶカタカナ語批判の資料を纏めて発表しました。それを何度かにわたって投稿しましたし、自分のブログにも連載の形で載せてきました。恐らく200語近くを取り上げたと記憶します。その中から例を挙げればキリがありませんが、私が最も憎んでいるのが「メジャー」(=majorが英語である)、「セキュリテイー」(=securityはこんな発音ではない)、「フリップ」(=flip chartが本当の英語だ)等々です。英語を母国語とする人たちには笑われそうで恥ずかしいのです。

何度も言ってきたことで「耳から入る言葉の普及の速度は速い」のです。テレビを見ていて(聞いていて)下さい。何が何でも「トラブル」であり、「コミュニケーションを取る」であり、「ジューシー」であり「コンパクト」であり、「スタッフ」であり、「リニューアルオープン」なのです。「好い加減にしろ。お前たちは国語を破壊する気か」と心の中で叫んでいます。私は彼らテレビ局がカタカナ語を重用する意図は「国民の総HAKUCHI化」かと疑っています。