新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月2日 その2 黄金週間

2018-05-02 17:47:02 | コラム
今となっては迷惑なだけの代物:

現在はゴールデンウィークなるものの最中なのだそうだ。尤も、5月1~2日を挟んでこれからその後期とやらに入るという説も聞いた。リタイヤー後24年目に入った私にとっては、この有給休暇の取り方次第では9日の連休となるとかの期間は迷惑なだけである。最大の理由は2016年から病が癒えた訳ではないが、主治医を理学療法士の許可を得て復帰したジムの規定では、シニアーの部では規定が変わっていて土日祝日は利用できないようになっていたからだ。

その為に30日は偶々ジムの休館日と重なったが祭日とやらだったし、明日から6日(日)までも利用できないのだ。何時頃からこうなったのかも知らないが、我が国の政府はやたらに休日を増やし、それだけに飽き足らず休日が日曜日と重なれば月曜日に移すなどという愚策!!を採用したので、恐らく事情を知らずに来日した外国人に「なんて日本には休日が多いのだ」と驚かせてもいるし、私は迷惑している。

我が国の働き方ではなかった休日の楽しみ方の特徴では「皆で一丸となって」ではない「皆が同時に休む」結果で、この黄金週間中と夏のお盆の季節は日本中の行楽地は言うに及ばず、羽田や成田を始め多くの国際便が出る空港は大賑わしだし、新幹線だってテレビ局が挙って満席と定員超過ぶりを報じる有様だ。あの報道を見るまでもなく、私は何処かに出ようとする意欲を持ったことがない。

一度だけ在職中にどうしてもお盆の時に本社に出掛けねばならぬ事態となってアメリカに短期間の出張したが、帰国した時が悲惨だった。重いスーツケース(あの時代にはトローリーケースなどという便利な存在していなかった、念の為)を運ぶにはカートを利用するしかないのだが、そのカートを取るだけでも1時間待ちの長蛇の列。漸く到着ロビーに出てみればエヤーポートバスも含めて全ての乗り物が1~2時間の待ち時間という具合。

結果的には最短の待ち時間だったYCAT行きのバスを利用したが、飛行機を降りてからの待ち時間中に、もう一度アメリカまで行ってこられたのではないかと思わせられた。懲り懲りだった。「皆で一丸となって」はスポーツの世界にだけでもしておいてくれれば良いものを、何で皆で一時に行動させるような我が国の独特の文化を生み出すような休日を設定するのかと、あの時は本気で政府を恨んだものだった。

それもこれも、我が国で働く方々の文化では折角の有休を個人の意志と都合で取りたい時に取るというようになっていないので、ついつい黄金週間とお盆の季節に休暇としての行動が集中するのだと思って眺めてきた。それが決して悪いことだとは思っていないが、あの混雑は何とかならないものかと思うと同時に、これらの期間中に動くのは得策ではないと思っている。故にと言う訳でもないが、これまでにこれまでの期間中は万難を排して避けてきた。

事の序でに何度か触れてきたアメリカ人たちの休暇の取り方を少し語っておこう。彼らは有給休暇がある以上、彼らの文化である「自己主張」を貫いて自分の都合を基にして休みたい時に休んでいる。それでは勝手ではないかと思われるかも知れないが、与えられた権利を行使するだけだ。それに多くの勤め人たちは同じ部内でも他人と重複しないように仕事を割り振られているので、勝手に休んでも誰にも迷惑がかからず、休暇を取った当人には復帰した時に積もり積もった仕事の山と格闘するだけのことだ。

そういうアメリカ式と我が国の一斉に休むという文化の何れが良いかとか優れているかなどを論じる気はない。ただ既に述べたように、現在の私にはジムに通えない日が多くなったというのは大いなる迷惑だというだけだ。さて、明日から先はどうしようか。最後に矢張り英語の講釈を。Golden week とだけ言ったのではアメリカ人には通用しない。お仕舞いに holidays と言って初めて意味を為すのだ。


ノーベル平和賞

2018-05-02 08:28:31 | コラム
UKの賭け屋は気が早すぎないか:

報道によれば、UKでは既にノーベル平和賞受賞候補の筆頭に文在寅大統領と金正恩委員長が挙げられており、二番手がトランプ大統領となっているそうだ。専門家の論調では期尚早だということだ。ミシガン州で講演されたトランプ大統領は多くの支持者の「ノーベル」という大合唱に満更でもないような顔付きで Thank you. と言われたし、自らも Nobel とも言われたように聞こえた。

当方はこの賞に余り関心がないので、歴代の受賞はと言われても金大中元大統領だのオバマ大統領を直ぐに思い浮かべることが出来る程度だ。だが、少なくともこのお二方がどれほど受賞に値するだけの平和に対する積極的且つ具体的な貢献があったかと言えば疑問だらけだと思う。寧ろ「平和」という抽象的な観念に対して貢献があったのではないかとすら思わせてくれるのだ。

ところで上記のお三方だが、もしも3~4週間以内の開催とトランプ大統領が語られたUSA対DPRKの初の首脳会談がアメリカ側が予定したようなCVIDまでを金正恩委員長に確約させて関連する世界の諸国を安堵させ、それに加えて我が国がアメリカ政府に再三再四願い出ていた拉致被害者の奪還も実現するような結果を出されて初めて「大成功だった」との評価が成り立つのではないのだろうか。授与の検討などはそこから先のことではないのか。

私はトランプ大統領が金委員長の微笑外交の底意を読み切って駆け引きを蹴散らされ、アジェンダ通りの成果を挙げられ、間違っても席は蹴って立たれることがないことを切に望むものだ。言うまでもないことだとは思うが、決裂となった場合には大統領の側近におられる新布陣は名うての対DPRK強硬派であるから、如何なる事態が起きるかは予測に難くないのだ。私はそれを望んでおられる方々がアメリカ連邦政府の中でも共和党内でもそれほど多くないと希望的に観測している。

トランプ大統領へのノーベル平和賞云々は、あの会談が上手く行き、何年を要するか知らないがCVIDが実現するか、その道筋が目に見えた時に俎上に登るべき事だと思うのだ。受賞という意味では南北首脳会談を兎に角実現させ、その前にトランプ大統領と金正恩委員長の会談への段取りを整えた文在寅大統領の方に多少以上の確実性が見えるかという気もする。一方の金正恩委員長は叔父でもあった張成澤、異母兄の金正男を始めとして多くの側近を粛清した所業が平和賞に相応しいとは到底思えないのだ。

だが、ノーベル平和賞云々は兎も角、トランプ大統領と金正恩委員長の会談が一度で全てが決着するとも予測しがたい面が多々あるかと思うので、速戦即決がお好みのように感じさせられるトランプ大統領が「急いては事をし損じる」ことなきよう、腰を据えて金正恩委員長を説得して頂きたいものだ。トランプ様には一度で結論に達しなければ場所を改めてでも、世界の安全保障の為をお考え頂いて、何度でも会談をして頂きたいものだと思う。受賞も自己陶酔もその先のことではないかな。