新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月10日 その2 「ウイルス」の言葉学

2021-04-10 09:29:44 | コラム
「ウイルス」の語源を探れば:

今回は決して得意のカタカナ語批判ではない。嘗ては「ヴィールス」と呼ばれていた、英語以外の多くの言語でも“virus”と綴られている言葉が、どうして今日では「ウイルス」になったのかを、一寸だけ調べてみただけである。余談だが、家内などは未だに「ヴィールス」と言っている。

結果的には「何故か」は解らなかったが、「へー、そうだったか」と思うような発見もあった。お断りしておくが、私は英語以外の第2外国語を習得せずとも卒業できる大学に迷い込んでいたので、英語以外には本当に暗いのだ。

先ずは以下の言語では何れも“virus”となっていると再確認しておく。順序不動で行くが、先ずはラテン語で発音は「ウイールス」となっていて、最も「ウイルス」に近いようだ。次はドイツ語で「ヴィールス」で良いようだ。余計な事を言えば、ドイツを信奉する傾向がある我が国の事だから、嘗てはこれを真似たのかも知れないと疑っている。ところが、イタリア語も「ヴィールス」だった。フランス語では「ビ-ルス」となっているようだ。スペイン語では「ヴィルス」となるそうだ。最後は英語だが、ご存じの方が多いと希望的に思っているが「ヴァイラス」である。

私はどれをとって良いのか解らないので、この言葉に関する限りは、「ウイルス」というカタカナ語を使う以外の選択がないのだ。因みに“virus”の訳語はないようだ。広辞苑には「遺伝情報を荷う核酸(DNAまたはRNA)とそれを囲むタンパク質(カプシド)からなる微粒子」とあるが、何のことかサッパリだ。

なお、「言葉学」は週刊文春に鷲田康氏が連載している「野球の言葉学」から借用してみた次第。


蔓延防止等重点措置

2021-04-10 08:46:19 | コラム
後手なのか先手なのか:

遂に東京都にもこの措置が12日から適用されるようになった。もう既に野党がそう言って批判したかどうかは知らないが、「後手後手」であると感じておられる方は多いのではないか。私の受け止め方は屁理屈めいた言い方で「先手ではなかった」だけなのだとなる。菅内閣の誕生以来、必ずしも内閣の責任とまで決めつけにくい形で、とうとう第4波の襲来だとしか思えない事態にまで来てしまった。その点については、一昨日に採り上げた尾身茂分科会長の指摘である「人々の行動の問題が・・・」という、若者を中心にした人々の軽率であり認識不足と非難したい無謀な行動が主な要因の一つになっていると思うのだ。

今日まで特措法やその範囲内の緊急事態宣言で後手気味に対応してきただけで、ヨーロッパの諸国のように都市封鎖(「ロックダウン」は使いたくないだけだが)を可能とする法律がない為に、全てが「要請」でしかなかった為に、大都市では無自覚な若者を主体とする大量の人たちが出歩くのを阻止できなかったのだから、政府だけに責任を負わせるのは不当だと言えると思っている。だが、もっと突っ込んでいけば「強制力がある規制」にまで至らなかったのが、政府の駄目な点だとの指摘も成り立つかとは思う。だが。私は何れにせよ、事態の進展と変化の速さは予測を不可能にしていたので「政府が先手を打てなかっただけだ」と好意的に見ている。我が国民の性を善なるものと信じて、要請だけで対応してきた方針は限界に達したのではないだろうか。

それで、緊急事態宣言を解除してしまった後とあっては、「蔓延防止等重点措置」で対応する以外の手がなかったのではないだろうか。テレビの報道で見る街頭の民の声では「事ここに至れば、経済とウイルス征圧の両方を追うのではなく、先ずはウイルス対策に重点指向すべきだ」との意見が多い。だが、政府からは二者択一の方向を選択するとの方針の表明はない。方針を決めきれずにいる間にと言うか考えている間に、変異株か全国に蔓延しつつあるにも拘わらず、ワクチンの接種は医療従事者に対してだけでも終了していない状況になってしまった。私には、街頭の意見のように「罰則を伴う外出禁止法」でも、緊急に国会で審議して成立させない事には、経済を回すどころではないようにしか思えないのだ。

それでも、マスコミは暢気なのか強気を装っているのか、「何処の県では嘗ての有名選手誰それが聖火を掲げ、沿道の(いてはならないはずの)観衆に手を振って和やかに走った」などと報じて、如何にもこの状況でもオリンピックは開催されると、何らの不都合も生じていないように振る舞っている。しかも、彼らマスメディアは相変わらず、何処の国でワクチンのどのような副反応が生じたかを「これでもか」と言わんばかりに報道してくれるのだ。

彼ら報道機関は一体全体どっちの方向に目を向けているのかと、不信感が募るだけだ。私は今や対応が難しくなる一方にしか見えない変異株等のウイルス征圧の優先度を第一として、オリンピックと経済は第2位以下でも良いとする時が来たのではとすら考えている。その為には、ごり押し一方のバッハ会長とIOCに対して言うべき事を、論争と対立を懸念せずに怖めず臆せず申し入れたら良いのだ。オリンピック開催の為に、国民の健康と資産に危機が襲ってくるような事態を招いても良いとは思えないのだ。悲観論者の私は考えすぎかも知れないが、橋本聖子組織委員会長と山下泰裕JOC会長に何処までその自覚と認識があるのかが不安だ。

なお、4月12日から接種開始と報じられていた高齢者の私には、未だに新宿区から何のお知らせもない。八王子市では予約申し込みが殺到して、20分で終了したというのに。河野太郎さん、お頼みしますよ。ここでは先ず「先手必勝」で行って下さい。