新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

第3回目の緊急事態宣言発出が決まった日だった

2021-04-24 08:43:34 | コラム
ベイスターズの連敗が止まった日でもあった:

菅首相が「今度こそは効果を発揮させる」と勢い良く記者会見された夜だった。だが、宣言に含まれた対策が余程素晴らしい効力を発揮しない限り、我が人生の最後の局面をマスクをしたままで過ごさねばならぬ気がして、昨夜は気分は冴えなかった。変異株の蔓延の勢いの嫌らしさも去ることながら、フラストレーションの解消なのにストレスと言い張って、深夜まで路上で飲み続ける輩を根絶やしにでもしない限り、この急拡大する感染は止まらないだろうと怖れている。

という事で、私は菅内閣が宣言の発出を迫られたのは、必ずしも内閣が打つ手が遅れていただけの所為ではないと見ている。勤務時間終了後に飲みに出掛ける連中にも責任も問題もあるだろうし、時短の要請を無視する業者にも責任があるのかも知れない。だが、諸外国にはない「軽く一杯行こう」とか「飲んで憂さを晴らそう」との文化がある我が国の飲み方の習慣を根絶やしに出来ない以上は、事態は変わらないのではないかと密かに危惧している。

そのような重たい気分の下に、昨23日夜はしようこと無しに、10連敗の横浜ベイスターズ対何とか首位に止まっていた阪神タイガースの野球を見ることにした。テレビの画面に1回表のタイガースの守備陣の真ん中に藤浪晋太郎が立っていたのを見た瞬間に来た「閃き」は凶と出て「ベイスターズの連敗は今夜で止まる」だった。そして、結果はその閃き通りのタイガースの無残な負け方だった。藤波は確かに先頭打者の田中俊太を三振には取って見せたが、最後に投げた速球はアウトサイドの高めに外れたボール球だったが、田中が空振りしてくれただけだった。

私は藤浪晋太郎は素晴らしい素材であり良い投手だと評価しているが、噂ではタイガースの前監督である金本による重圧でほぼ潰されたとあった。監督が矢野に替わって復活しつつあるが、昨夜の出来を見ていると「日暮れて道遠し」の感が濃厚だった。何回だったか記憶もないが四球を連発した時の状態を見ていると「所謂『すっぽ抜け』で左打者のアウトサイドの高めに外れると、それを修正しようとして抑えを効かすとインサイド低めのボール球か暴投になってしまっていた」状態だった。解ったようなことを言えば「リリースポイントが掴めないままにボールばかり投げていた」のだった。

恐らく彼自身も投手コーチも解っている問題点なのだろうが、あれを根治するのは容易ではあるまいと、門外漢の私にも解る。その藤波の言わば独り相撲のような格好で、タイガースはベイスターズの連敗を止めて上げたのだった。と言うよりも「アメリカを発祥の地とする球技は、須くモメンタムの競技」なので、あのタイガースの無残な負け方は、その前にジャイアンツに東京ドームで2連敗してきた所で勢いが止まったか、あるいは所謂バイオリズムの底に落ち込んだのかの何れかだろうと見ている。

タイガースの問題点は既に先日指摘しておいたが「ホームラン打ち打ち負けるヘボテイーム」的な傾向は否定できないし、佐藤輝明を現場で育てる気なのか、戦力として依存するのかをハッキリしておかないと、彼のところで打線が途切れてしまうのも問題だし、流れの中で打点(RBI)が少ないのでは仕方がないと見ている。

一方のベイスターズは、テイームの為ではなく自分の為に打たせていれば、素晴らしい打者が多いのだが、如何せん野球の質が粗雑なのだ。そこに、「自分の為に」を絵に描いたような外国人選手に依存している打線ではあの連敗も止むを得なかっただろう。それに、エースだったはずの今永が不在では、数は揃っていても柱になる投手がいないのところに、テイーム全体の調子が最悪だったのでは、連敗は止むを得なかっただろう。私には張本勲が「喝」の時間で「新監督の三浦は野球を知っているのか」との疑問を呈してきたのが印象的だった。

私は張本が言わんとした所は、屡々聞かされる俗説で「投手上がりの監督の成功例は少ない」と言うこと。今日までの名監督と言われた人たちに投手出身者がどれほどいたかを考えて見て欲しい。私には辛うじて星野仙一を思い浮かべるだけだ。ホークスの工藤監督は成功しつつあるが、未だ名監督と呼ぶのは早いだろう。

タイガースは矢野監督が余程巧みに且つ素早く欠陥を是正しておかないことには、ウイルス禍で整っていなかった戦力が形を為してきたジャイアンツに抜かれて、更に遠からぬ将来に引き離される日が遠くないような気がしてならない。プロ野球の投手たちは着々と佐藤輝明のバッテイングを崩し始めているではないか。彼を活かすも潰すも監督次第になってはいけないのではないかな。