新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

少しだけ菅首相を批判しよう

2021-04-23 08:40:52 | コラム
後手と言うよりも準備不足ではなかったのかと言いたい:

菅内閣はどうやら「緊急事態宣言」を出して25日から発効すると決めるようだ。私はこれまでに菅首相を真っ向からの批判は避けてきたが、今回は少しだけ言わせて貰おうと決めた。

現在の大阪や東京の感染者が急拡大の一途である傾向を見ていれば、容易ならざる事態である事は明白だ。ここまで来る間に「蔓延防止等重点措置」で対応してきた訳だが、それでは間に合わない事態になって、バイデン大統領との首脳会談を終えて帰国されてから一層悪化した状態に出会って、対応すべく動き出されたのだろう。

私が敢えて「それでは遅いし、問題だろう」と見ているので、その理由を述べてみようと思う。だが、もしかして「それくらいは織り込み済みだった」とでもいう反響か、どこかで専門家の方から「無礼だ」と言われれば謝るが、私は緊急事態宣言を出すとの決定をされるのに時間がかかり過ぎている気がする点に疑問を感じているのだ。

即ち、蔓延防止等重点措置を適用した時に「この手法で行った場合に、もしも有効ではなかった場合の次の手は」という安全弁となる、次なる対策というか二の矢というか、私が繰り返し言及してきた“contingency plan”が準備されていなかったのかという事。この期に及んで、昨年の4月のような閉鎖であるとか自粛を要請する先を、どの分野にするかを鳩首検討しているのでは遅くはないかと言いたいのだ。大阪府の吉村知事等が要請しようと言いだしてから、どれほどの時間が経ってしまったのかという事。

私には政府が決定に当たって慎重に検討中なのか遅いのかは知らないが、先手を打つとか後手に回るとかの前に「事前に二の矢、三の矢」くらいの配慮が出来ていなかったのかと問いかけたくなってしまう。第4波が襲来する事態や、完全に外国からの人が入ってくるのを止めていなければ、変異株が蔓延するだろう事くらいは読めていたはずだ。

ワクチンにした所で、ファイザーが滅多にないような売り手市場の最中にあれば、仮令ニューヨークまで出向いて増量か緊急の出荷を辞を低うして要請しても事態は変わらないかも知れない。だが、日本法人があるようだから、アメリカまでお願いに行きたいので是非同行して欲しいくらいは言えたと思うのだ。私は(20年以上もアメリカから我が国向けの輸出業務を担当してきた者として)ワクチンの輸入を厚生労働省に任せてあったとしたら、齟齬を来すだろうと指摘してあった。

それだけではない、Moderna(言いたくはないが、この社名を「モデルナ」などと表記して恥じない感覚は理解不能だ)やAstraZenecaのワクチンを未だに承認していない厚生労働省の動きも疑問に思えてならない。

ここまで言いたい事を言っては来た。だが、昨日までの実績では感染者は国民全体の0.4%であり、最大の東京都にしても0.1%と、他の先進国とは比較にならないほど少ないのだ。それでも、テレビを中心にマスメデイアに連日あれほど騒がれては、明日にでも自分も感染させられて生死の境を彷徨わされるのかとの危機感に苛まれるし、こんな時期にオリンピックなんてやっていられるかと思ってしまうだろう。

私はこの難局を乗り切る為には、何と言っても菅首相以下閣僚が毅然たる姿勢を見せて、緊急事態宣言でも何でも発動して「何としても乗り切ってみせるぞ」という、断固たる決意の披瀝が必要な時だと思うのだが。「貴方が大将なんですよ」とは、加藤の乱の時に何方かが語りかけた台詞だった。これを菅首相に進呈したい。