新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

菅義偉総理とジョー・バイデン大統領との初の首脳会談

2021-04-18 13:40:56 | コラム
菅首相に「上手く行って良かったですね。お目出度う御座います」と申し上げておきたい:

アメリカ時間の16日に開催されたこの初会談が無事に「上手く行った事」を、心よりお祝い申し上げたい。共同声明も発表されたし、外国人記者団がやや奇異なその場にそぐわない質問をしたとしても、共同記者会見もこなされた事をお慶び申し上げたい。その通訳のみの会談から大人数の会談も含めて、その経緯や論評には私如きが何か差し出がましい事を言う(カタカナ語を使えば「コメントする」だろうが)必要などなく、全て専門家とジャーナリストにお任せするのが筋だと思う。しかし、アメリカのバイデン政権の中国に対する毅然たる態度がトランプ政権時代とさして変わっていなかったようだったのは、誠に結構な事だったと見て良いと思う。

余計な事だろうが、バイデン大統領も菅首相も恐らく3M社製の「N95」のマスクをしておられたのが目についた。バイデン大統領はその上に黒いマスクを重ねておられたが、菅首相は単体だった。当方は未だN95を何枚か持っていて「万一」の場合に使うかと思っているが、これは今や我が国ではず入手できないだろう。それをアメリカ連邦政府だから準備されたのかと思って見ていた。トランプ大統領だったら、そこまではおやりにならなかったのではないだろうか。

私はこの記念すべき会談の他に成果だと思っている事がある。それは、仮令短時間であっても、菅首相がファイザーのCEOと電話会談されて、ワクチンの追加出荷を要請された点だ。私は追加よりも可及的速やかに我が国向けに出荷される事を要求して頂くべきだった気がする。この入荷の遅延は取りも直さず厚生労働省の取り返しが付かない輸入交渉の不手際である。厚生労働省の失態は内閣の不手際であり、その責任が何処にあるかと言えば、野党どもやマスコミが好む言い方をすれば「手配失敗の責任」は究極的には菅首相にあると言えるのではないか。

私は故に菅首相はその責任を自覚しておられたので、折角アメリカにおられる地の利を活かして、ファイザーに交渉されたのだと解釈している。だが、伝え聞く所では「ファイザーはドイツのビオンテック(BionTech)というトルコ人の会社と共同で(しつこいと言われても言うが、カタカナ語にすれば「コラボレーション」である)あのワクチンを開発して、アメリカ政府は億の単位の開発資金を投入して、入手の優先権を確保してあった」とかだ。我が方にはそのような資金面の協力もなく、素人の厚生労働省に交渉させたとの失態があった。菅首相はその点を現地で交渉して補われたのだろう。「良くやって下さいました」なのだが、賞賛に値するかの意見は留保したい。

アメリカの記者は「現在の我が国の状態でもオリンピックを開催するのか」と突っ込んだ由だが良く考えれば、これはお門違いで、IOCのバッハ会長とNBCに問い質すべき事柄ではなかったか。彼ら記者団とても、バッハ会長の専横振りを知らぬ訳ではあるまい。その会長様が我が国にお見えになるのは来月だとの事だ。私が何度「何時まで彼らを崇め奉る気か」と言ったではないか。

菅首相は今日中には帰ってこられるだろうが、そこで早速取りかかって頂きたい事は「蔓延防止等重点措置」では済まないだろう事態にどのように対応すべきかの検討に入って頂きたい事。都市封鎖というか何が何でも「外出禁止」を検討する段階だという現状を、速やかに再確認して対応して頂きたいのである。

余談で、またしても英語の講釈だが「上手く行った」を英語にすれば、精々“turned out to be a success”程度なのだ。彼らが使っている英語の感じでは「大成功」と言うよりも「上手く行った」という辺りの感覚のようだと捉えてきた。首脳同士の初会談は無事に予定通りに終わったのではないか。



田中将大がNPBに復帰した第1戦

2021-04-18 10:58:14 | コラム
「閃き通りの不安な出来だった:

予め言っておきたい事は「田中将大の奮起を期待したい」と言いたくもなった田中将大の不出来だった。昨17日は午前中から腸の調子が狂ってしまったので、昼食も抜いてボンヤリとテレビの前に座っていた。そこでふと気が付いてテレ朝だったかで田中将大が登場する対日本ハムの試合を見て憂さを晴らしていた。正直な事を言えば「閃き」では「余り冴えがない田中将大」が見えていたのだった。

実は、私はヤンキースが田中将大と再契約しなかったのか契約延長しなかったのか知らないが、あそこまでの実績があった田中を手放してしまった背景には、公表できない「何か」があったのではないかと疑っていた。というのも、この球団は嘗て松井秀喜をWシリーズでMVPを獲った翌年の契約をしないで放出したし、黒田博樹も広島とは比較にもならない好条件を蹴って退団したとの実績があった。私はこの球団のフロントはかなり明白に先の見込みがないというか、翌年には年俸に見合う活躍を期待できないと判断すれば、いともアッサリと切る方針ではないかと疑っていた。

田中将大は言わば日本人選手としてその3番目の標的になってしまっただけの事で、樂天に復帰した事は無理もない選択だったのではなかったのかとすら考えている。何度も指摘してきた事で、彼らの二進法的思考体系では年俸を減額してでも残すとかいうような落とし所を探るのではなく、「残すか、残さないか」と極めて合理的に考えるだけで、それ以外には悪意も何もないのだと考えている。即ち、高校の頃から無理をして甲子園の準優勝まで投げ抜いて、NPBでも実績を残し、MLBで8年も勤めて33歳になった田中将大を見切ったと考えれば、解りやすいかななどと見ていた。

しかも、日本に帰ってきてから練習試合でも割りにボコボコと打たれていたのも、幾ら練習とは雖も何か無ければ良いのだがと見ていた。そこにリーグ戦が始まってみればふくらはぎだかに不安があったといって登場を回避して3週間も経ってしまった。しかしながら、現役バリバリのMLB、しかも我が国で異常に近く有り難がられているNYヤンキースの投手が帰ってきたのだから、再登場が大きな期待をされていたのは当たり前だったと思う。だが、昨日の田中はおかしかった。

第一に「表情が極めて暗かった」点が気になった。私の目には「何年振りかの公式戦で緊張した」と言うよりは、不安な表情にしか見えなかった。「矢張りか」という気がして見ていると、最初の西川遥輝はボール球のような高めの直球で三振に取ったが、近藤健介には制球定まらず四球を出してしまった。困った事に解説をしていた古田敦也は「見事な配球」と絶賛してしまった途端に、中田翔にはアウトサイド高めの伸びがない速球を綺麗に振り切られてホームランにされてしまった。ここまでは善意で「未だ調整不足で制球が」との古田の言い分を信用する事にした。

だが、私の目には「テレビでしか観た事がないヤンキースの田中将大投手の力感に溢れた投球フォームと、打つなら打って見ろとの気迫を見せる鋭く切れる変化球も全く見当たらず、ただ単に球速がない変化球を操って日本ハムの打者を何とか抑えて、2本塁打で3失点に切り抜けた普通の投手」にしか見えなかった。石井一久監督が5回で降ろしたのも無理がない決断だと思っていた。と言うよりも、専門家であるはずの石井監督が、田中の仕上がり具合を承知していなかったはずはないので、あれは予定の行動だと見る事にした。

現に、先ほどのTBSの張本勲の「喝」の時間でも、彼も新井貴浩も殆どこれという見解を述べていなかった。田中将大が次回は何時現れるか知らないが、調整不足であったのならば、それこそ二軍にでも落として復調する時間を与えるべきだし、身体に故障があるのだったならば、十分に治療してから出てくるべきだ。そうでないと推定9億円という年俸が無駄遣いになってしまうのだ。私はあの24勝無敗の田中将大投手が、MLBでの経験で更に進歩した所を見せて欲しいと期待しているのだ。それなのに、あの不安丸出しの表情は頂けなかった。奮起を期待したい。