新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月24日 その2 8月23日のPrime Newsより

2021-08-24 09:13:08 | コラム
「横浜市長選が政局左右“菅離れ”で総裁選は」:

これがPrime Newsのタイトルだった。橋本徹氏と橋本五郎氏の対談形式のようだったが、実際には反町も論戦に参加していた印象があった。私の深読みでは「流石にこれだけの経験も知識も豊富な練達熟練の論者が揃えば、直接的な表現で菅義偉内閣総理大臣・自民党総裁を貶しはしていなかったものの、裏に流れていた論調は悲観的だし、菅義偉氏の危機を語っていたのだった」としか聞こえてこなかった。

横浜市長選挙の敗北の原因を、今更IR推進派の菅首相が非推薦派の小此木氏を全力で推したなどという分かりきった矛盾を採り上げても詮無いことだったと思う。だが、それに触れないことには惨敗の原因の分析にはならなかったのだろう。両橋下氏は山中竹春氏の若さを挙げておられたが、私には小此木氏の年齢と何となく(山中氏との対比で)服装も含めて垢抜けしていない印象があったのも、無政党派の支持を得られなかった一因のように思えてならなかった。極端に言えば「小此木氏と菅首相でなければ誰でも良い」だったのかとすら感じたときもあった。

両橋下氏は「菅首相と菅内閣は公約として掲げたことも、バイデン大統領に代わったアメリカとの関係強化にしても、巧みにこなしてこられたにも拘わらず、中途半端な印象しか一般大衆に素直に認識させ受け止めさせておられなかったことを遺憾である」と主張していたのは、誠に尤もだと思って聞いていた。私には今でも「官房長官」時代のような総理大臣の補佐役だった事の控え目な姿勢から脱却できていないようにしか見えない。

更に感じたことは「外交(の分野での成果)は票にならない」が画に描いたように現れていると感じている。菅氏自身も閣僚も二階幹事長もこの点を一向に吹聴していないのだ。現在、茂木外相が何処で一生懸命にやっておられるかなどは、大向こうには受けないのか。

両氏の発言の中で印象的だった点を挙げておこう。橋本五郎氏が菅首相に欠けている残念な点であるとして「橋本徹氏のように」とまでは言って口籠もったのを受けて、橋下徹氏が引き取って「口八丁手八丁と言いたいのでしょう」と指摘して3人で大爆笑になったことがあった。余りにも、所謂「言えている」(余計なことだが、英語では“well put”となる)ので面白かった。菅さんには自己顕示欲の持ち合わせがないようだし、実績を華々しく自己宣伝をすることもされない辺りは「スタンドプレイ」のみの名手・小池百合子東京都知事と非常に対照的である。

また、政治取材の権威者である「五郎氏」は自民党内に「菅首相では選挙の顔に出来ない。菅首相・総裁の下では選挙を戦えない」との声があることを厳しく批判したのは良かったと思う。「選挙は総理・総裁の顔でするものではない。永年当選を続けている議員は自分の力で努力して実績を積み重ね、地元を回ってきたことの成果だと知るべし」と強調していた。尤もだとは思って聞いたが、ANNの世論調査のように25.8%の支持率でどうすると、私でさえも懸念してしまう。

私には菅義偉氏の宣伝広報の拙さは今に始まったことではないと思ってはいる。何方の発言だったか失念したが、その点をイヤと言うほど指摘した一言があった。それは、横浜市での出口調査で、山中竹春氏に一票を投じたという人が、調査員に「ところで、山中って何をしている人」と逆に尋ねたということ。作り話か笑い話だったとしても、強烈すぎる菅陣営の選挙下手に対する皮肉だった。私は精一杯自民党の肩を持てば「立憲民主党の山中氏に負けたのではなく、内部分裂していた自民党側のオウンゴールだった」となる。

昨夜の鼎談?の興味深かった点は、マスコミ界の「永年にわたって政界を取材してきた伝聞の権威者の橋本五郎氏」とテレビタレントだった弁護士が「選挙を経験して大都会の大阪で首長だった、今ではコメンテーターを自称される橋下徹氏」の論戦だったということ。徹氏は煎じ詰めれば「経験談」に立脚しておられるので、五郎氏とは合わない点があったともう。だが、流石に両氏は大人であり、興味深い論じ合いにして見せてくれた。

私自身が経験からしか論じないので、屡々未経験の知識だけ豊富な方には私の主張が受けない事があったので、両氏の主張にも、それと同じような感があったと思う。結論として両氏の論調からは「菅氏危うし。可及的速やかに何とかすべし」の感は払拭できなかった。正直なところ「今になってそう言われても、菅氏に打つ手があるのだろうか」と懸念するのだが。


中田翔をジャイアンツに無償で

2021-08-24 07:48:43 | コラム
物事には限度というものがあるのではないか:

私は「ファイターズから同僚を殴るという問題を起こした中田翔を無償のトレードで譲り受けたというジャイアンツも形振り構わぬ姿勢には、ただただ驚き呆れた」とまでは言った。だが、いくら何でも即刻使い出すとまでは予想していなかった不明を恥じねばならないと反省している。それは、中田は先日には出場させて頂いた上に、ベイスターズの今永から同点ホームランを打ったという報道には「呆れ返る」よりも強い表現があるのかと、大いに慌てさせられたほど驚愕させられた。

ファイターズ球団なのか栗山監督の決心なのか知らないが、中田翔には一及び二軍での無期限出場停止という罰が与えられたと報じられていた。そして、栗山監督は「自分の責任」と述べて涙ながらにジャイアンツにお引き取りを願ったというニュースがあった。そこまでで、私はナイーブにも(英語本来の意味は「間抜けか馬鹿」に近い蔑称的なこと)ジャイアンツは引き取って、当分の間は塩漬けにでもするものだと解釈していた。

私は浅はかだった。出場停止はリーグを変えるか、所属球団さえ変われば解除される性質だったのだった。NPBには確か「野球協約」だったかが存在していると思うが、この協約には「出場停止」についての条項はないようなのだ。正力松太郎氏だったかは「ジャイアンツは紳士たれ」と言われたそうだが、同僚を殴って放出された選手は紳士なのだろうか。先日も指摘したが、中田はジャイアンツでは許されていないもようである汚らしい茶髪を黒く染め直し、顎髭も剃り落としていた。これが紳士の条件で、暴力沙汰は免責となったようだ。

野球マスコミは(私の偏見かも知れないが)大正力が残したジャイアンツや読売新聞に楯突くような報道をしてはならない模様なので、この物事の限度も限界も等閑にして、読売ジャイアンツの大甘な中田翔の扱いをそよとも非難しようとはしなかった。僅かに産経抄氏だけが口を極めて批判していたのは最低限度の救いだった。だから、私が遠吠えしようと思った次第。

思うに、今シーズンが最後の原監督は一塁手に西武からMLBに行って失格とされて帰ってきた古物の中嶋と併用乃至は入れ替えるつもりと読んだ。するとどうだろう、内野の坂本と岡本は兎も角、外野に至っては左からウイーラー、丸、梶谷と余所から仕入れた選手が並ぶ壮観振りだし、投手だって菅野がいなければベンツじゃなかったメルセデスとかサンチェスだったかとオリベイラ等々の南アメリカ人が主力の如きだ。

選手層も他のどの球団も比較にならないほど厚い。これで、タイガースを追い落とせなかったら、どうするのだろうか。優勝のためには物事の限界も限度もどうでも良いのかな。