新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月3日 その2 カタカナ語排斥論者は言う

2021-08-03 10:45:49 | コラム
何でMinor Leagueは「ミノル・リーグ」としないのか:

たった今オリンピックの野球を採り上げて、Minor league(ML)に言及した。ご承知だと思うが、アメリカにはMajor Leagueの下にと言うか下部組織にMinor Leagueがある。我が国では何処の誰か、または通信社か知らないが“major”を何をとち狂ったのか「メジャー」とカタカナ表記して、全てのマスメディアは言うに及ばず罪なき一般の国民までに広めてしまった。何度も酷評したが、彼らは辞書を引くこともしなかったらしい。

だから誰しもが平気で「メジャー」という情けなさだ。私は嘆き悲しんで怒り狂って、何度も「メジャー」という発音では“measure”即ち「計る」となってしまう。アメリカには「計測リーグ」があることになってしまうと批判したが、無駄な抵抗だった。

そのカタカナ語製造業者たちの不可思議なところがある。彼らはMLBの下部組織であるMinor Leagueを知らん顔で正確に「マイナーリーグ」と表記するのだ。私に言わせれば「何故ミノルリーグにしないのか」なのだ。彼らのインチキさはワクチンの製薬会社であるModernaをいきなり「モデルナ」と呼んで(読んで見せ)瞬時に全国に普及させた。

私はこの件などは「モダーナ社あるいはマダーナ社に、御社の社名はモデルナというのですか」と問い合わせてみたい衝動に駆られる。他人様の会社の名称を勝手に誤読するのは許されるべきではない非礼だと思うが。

これまでに何度も指摘したことで、英語の読み方では”r“をローマ字のように「ル」と後ろに母音を付けて発音することは、ごく少数の例外を除けばないのである。それにも拘わらず、我が国は昔から「モルガン」(Morganという綴りだが)という会社がある。この手のrの読み方は山ほどあるが、モルタルと表記されているのは”mortar”だから「モーター」となって、”motor”即ち「モーター」と、紛らわしくなるので「モルタル」としたのだろうかと密かに察している。カタカナ語製造語業者たちにも、人知れぬご苦労があったのかな。


オリンピックの野球では我が代表がアメリカに勝った

2021-08-03 09:50:44 | コラム
昨夜の対アメリカ戦の勝利を論評すれば:

私から見れば、我が代表には幾つかの不安材料があった試合だった。だが、兎に角、あの程度のアメリカに勝ったのはとても良いことだった。在職中に何度も現地でMLBの野球を見てきたし、同僚たちにもアメリカの三大スポーツに精通している者たちが多く、彼らから学んだ事柄も多かったので、アメリカの野球通であると密かに自負している。その視点から、昨夜の我が代表の勝利を分析して少しだけ来たる韓国戦にも触れてみよう。論点が多いのだが、例によって順序不同で行こう。それに私独特の視点からだから一般受けしないのは承知している。

*アメリカのマイナーリーグ(ML)代表対NPBのオールスターテイームの対戦だった:
結果としては我がNPB代表はアメリカのMLよりも格が上だろうと思わせてくれた。お気付きの方はおられたと思うが、昨夜のMLの代表テイームには南アメリカ勢がいないのだ。これ即ち、私が酷評してきた「身体能力ショー」を演じる選手が不在で白人ばかりでは、身体能力や体格や力業を思い切り発揮できていなかったのだ。より解りやすく言えば「メイジャーリーグには投・功・走・守の全てが適切に備わっていなければ引き上げられないのだから、昨夜出ていた者たちはこれらの4項目のどれかが不十分だという欠陥があるという意味」なのだ。

そのMLB不適格者か元MLB(例えばDeNAのオースティンやヤクルトのマクガフ)を集めて結成されたアメリカ代表では韓国には勝てたが、我がNPBオールスターには延長10回の裏にサヨナラ負けを喫する程度だったと言うこと。しかし、ここにはたった一度の勝ち抜き戦で勝っただけで、リーグ戦で何回も退けたのではないとの留保条件が付くのだ。彼らの中にも「流石」と思わせてくれた二塁手やショートストップのような見事な守備力を見せてくれた者もいたが、思うにMLBでは通用しないような打撃力だったのだろう。

*投手力:
私の見る我が方の最大の不安材料がこれだった。その筆頭が田中将大。ヤンキースから鳴り物入りで樂天に復帰したが、私はシーズン入り前と後で何度かその投球振りを見て「なるほど、過去にヤンキースが7年1億5,500万ドルで契約したが、昨年契約延長しなかった訳だ」と見ていた。それにも拘わらず、稲葉監督は彼を選び、昨夜まで温存して先発させた。結果は無残にも回の途中で引っ込められる有様だった。次に出した阪神の青柳も懸念した通りのお眼鏡違いだった。この投手起用をした稲葉監督については別途触れる。

田中と青柳の2人で6点取られて大いに形勢不利だったが、私の予感では「最後に勝つのは我が方だが、どうやって勝てるかは不明」と出ていた。投手で良い材料だったのがソフトバンクの千賀の復調だった。故障上がりの千賀がロッテ戦で3回投げて10点も取られた様子を見ていたので「稲葉さん。それでも千賀を入れるのですか」と問いかけていたほど不安な回復振りだった。だが、昨夜の千賀は2回も投げて球速は150 km台が出ていたし、売り物のフォークボールもチャンと制球されていた。これは良い材料だった。不安材料の一人、山崎康晃も何とか通用していた。

アメリカの投手陣は簡単に言えば「球は速いのだが・・・」となる。特に先発に使った22歳だったかのバズは宮本慎也に「そう言えば速いですな」と言われた程度だった。マクガフも9回の裏の虎の子の1点を守り切れなかった。私は「アメリカはオリンピックを取って見せようという気があったのか」と疑わせられている。

*打つ方:
アメリカの打者の特徴と問題点は「腕力があるので当たれば飛ぶ」のだが、ML球の者たちの欠点は「当たる確率が低い」事だと思う。それに何度も指摘したことで、彼らは「自己顕示欲が強いので『我こそは』とばかりに、その場の状況やカウントなどは考えずに振り回してくる。即ち、我が国で言う『テイームバッテイング』などに重きを置いていない」のである。我が國のように自己犠牲を尊いと敬う精神構造ではないから犠牲バントなどはしないのだ。

監督もそういう世界の人だから、10回表のタイブレークの場合の攻め方でも、宮本慎也が予告した通りにバントはせずに打ちに出て失敗した。それに、彼等アメリカ人の弱点は落ちる球のようなボール球を振りに行くこと。そうと知っている稲葉監督は田中将大を使ったのだろうが、最早彼の球威ではML級の打者にも通用しなかった。

我が方では当たっていなかった鈴木誠也が大きなホームランを一本何とか打って見せたが、彼はシーズン前半にも当たり外れが多く決して良い出来ではなかった。あの一本が回復の兆しだったら良いがと危惧している。同様に、柳田悠岐も彼本来の出来ではないのが不安。ML級の投手相手ならもっと打てしかるべきだ。村上宗隆は最年少だったかで、代表選手の重圧に押しつぶされているのだろと見ているほど打てていない。だが、試合慣れして明日だったかの韓国との一戦で打ってくれれば良い。

*稲葉篤紀監督:
前任者の小久保裕紀もそうだったが、稲葉篤紀もプロ野球の監督経験がないのだ。その人選が良いのか悪いのかは私には解らない。稲葉監督の人選を見ていると「過去の実績や評判にとらわれて無難な者たちを選んでいたかと思えば、今シーズン前半の実績だけで拾い上げてきた国際試合未経験の者もいる。またコーチ陣が彼の日本ハム時代の気心が知れた所謂『お友達』ばかりとの批判もある」という具合だ。誰を選ぼうと、最後には優勝できたという使い方が出来て結果が出れば、それで良いのだ。そこまでの腹があるのかという問題。

彼の選択には最盛期を過ぎたと思わせる田中将大もいれば、当たりが出ていなかった鈴木誠也も柳田悠岐もいるし、ホームラン打ちまくりの村上宗隆もいるし、私が「ここぞという時には打てない」と酷評するトリプルクラウンの山田哲人もいるし、坂本勇人もいる。「昨年は素晴らしかったが今年は」と言いたくなる大野雄大も選んでしまったので、中継ぎに出して見せた。稲葉監督が選んだ連中の全員の好調の波が全て最高潮の時に当たれば良いのだが、そうとは行かないのが野球だけではない、世の中なのだ。

長期間のリーグ戦ではないのだから、思い切りよく実力者でも誰でも交替させる必要がある。昨夜のように1回が三者三振だったからといってあの程度の田中将大を引っ張ってしまった人の良さというか、決断力不足には不安が残る。マスコミ報道では、彼の問題点は「人の良さ」だという。監督だの経営者という職務は、時には非情でなければなるまい。決断は全て二択であって中間はないのだ。そう論じていると、我が国が相手となると異常な力を発揮する韓国戦に先発投手に誰を使うのかが、彼に課された最重要課題ではないのだろうか。決断力の見せ場だ。