新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

あれは法輪功だったのか

2021-12-19 10:41:08 | コラム
大久保通りで女性が「真相」特集号を配布していた:

2~3日前に大久保通りの山手線外側に買い物に出掛けたときのことだった。歩道に立っていた女性が何かビラというかチラシのようなものを手渡そうとしていたが、殆どの通行人は無視していたし、私もそのうちの一人だった。1時間ほど経って戻るときにも未だ女性は立っていて、私に受け取って欲しいとばかりに差し出してきたので、何の意識もなく受け取って手に持っていたエコバッグとでも言いたいずた袋の中に放り込んで、そのまま忘れていた。その女性が法輪功辺りの一員だろうことの見当は付いていたが。

昨日、またその袋を取り出して、そのビラを読んでみることになった。それは、かなりチャンとした両面コート紙に両面に写真入りで多色印刷されていたのが印象的だった。「なるほど、彼らの組織に用紙を提供し、オフセット印刷を請け負っている会社があるのだ」と知ったのだった。表面には「コロナウイルスだけでは終わらない 迫る中国共産党の脅威」とあり、裏面は「にわかに信じがたい 人類史上未曾有の国歌犯罪 中共による臓器狩り」とあった。

直ちに思ったことは「中国の若者がこれほど溢れかえっているこの街で、このような反中国であり反中国共産党の資料を撒き散らすとは良い度胸だな」だった。大久保通りの山手線外側を一歩でも歩いて見れば解ることで、そこを闊歩する若者の過半数が大声で北京語と思しき言葉で語り合っているのだ。私は彼らが「国家防衛法」の対象であり、事があれば工作員として活動することを義務付けられているはずだと理解しているのだ。そうであるから、私がビラを受け取った際に女性が「有り難う御座いました」と囁いたのだと認識している。

そこで、参考までにビラの小見出しだけを書き出してみようと思う。表面では「中国と中共を混同していないか」、「コロナ流行 中共の隠蔽でパンデミック」、「全世界に及ぶ浸透工作 日系企業にも多くの中共党員」、「人権や国家安全面でも中共の傍若無人ぶりが日本の眼前に」、「中共排除はもはや世界の潮流」とある。

私にとって最も印象的だった記述は「全世界に」の所では「中共は世界各地で政治浸透工作を行っている。多国籍企業及び外国の領事館や大学などで雇用されている中共党員は約200万人にのぼり、上海の日系企業だけでも5000人の中共党員が雇用されている。中国の人材招致プロジェクト「千人計画」には、中国の国防大学系大学に所属していた研究者8人を含め、少なくとも44人の日本人研究者が関与している。こういったプロジェクトを通じて中共政府は海外から情報盗用と中共イデオロギーの海外への浸透を目論んでいる」という辺りだった。

私は記載されている事柄の真偽を論じるよりも、こういう反中国政府的なことを広めて行こうとする人たちがいることをあらためて認識させられた。だが、この組織のような人たちが本当に反中国政府であり反中国共産党なのだろうかとまで疑いたくなった。このような資料を配付して反中国の者たちをおびき寄せる手段なのかなとまで考えたということだ。香港に於ける民主派狩りの徹底ぶりを見せられては、そこまで疑っても良くはないかと思ったという意味だし、表面の見出しにあった「中国共産党の脅威」を見せ付けられた気がしたのだった。