新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

“tornado”に思う

2021-12-13 08:20:52 | コラム
アメリカ中西部6州で竜巻発生:

テレビの報道に見る惨状は、被害を被った方々を何と言って慰めたら良いのだろうと感じた凄まじさだった。アメリカでの竜巻(tornado)とは暖かい季節に起きるものだと思っていた。テレビのニュースでは破壊された跡しか見せないので、あの州の他の地域がどうなっているのかは知り得ない。余り人影が見えないのは、被害者は何処かに収容されたのだろうか。

あの凄まじい絵を見て先ず感じたことは「あれでは仮設住宅を建てようにも何にも、残骸の処理だけでも長期間を要するのではないか」ということだった。次には「アメリカ式の2X4方式(枠組み壁方式)」で建てられた家は、竜巻などに遭えばあのように簡単に破壊されてしまったのかな」だった。この分野に詳しい訳ではないが、我が国も従来の方式のように建材(材木)をはめ込んで組み立てられていないので、あれほどの強風には耐えきれなかったのかと思ったという意味。

次に感じたことは、私自身が1985年の貰い事故の被害に遭い重症の自律神経失調症となり、神経性下痢に深刻に悩まされた経験があるので「被害者たちのトイレがどうなっているのだろうか」だった。言うなれば、尾籠な話かも知れないが、この問題は非常に深刻なのだ。自分のことを回顧すれば、当時住んでいた藤沢まで小田急で帰る際に各駅停車を利用して、殆ど各駅で下車して勝手知ったる駅舎内の手洗いに駆け込んでいたのだった。イタリアではいつ何時襲ってくるか解らない天災に備えて、多くの仮設トイレを準備してあると聞いたことがあった。

ここで話を大きく変えて、“tornado”という語源がスペイン語である単語に触れてみよう。私は源がスペイン語であった為に、カタカナ表記が「トルネード」になったのだと解釈している。大体からして我が国とは縁がなかった竜巻を意味する英語の単語が我が国に急激に広まったのは、かの野茂英雄投手の一種独特の投球フォームがアメリカで「トルネード投法」として取り上げられたかだと信じている。

その当時は、現在では歴としたカタカナ語排斥論者の私は、tornadoなどという綴りに全く何の関心もなかった。ところが今となってその綴りをあらためてみて見れば、何と例の如くに英語では「ル」と発音されることなどないrが「ル」になっていたのだった。そこでその気になって調べてみれば、tornadoの語源がスペイン語であり、当たり前のことで「トルナード」となっていると判明したのだった。またもやrを「ル」としたのかとウンザリだったが、スペイン語だったら仕方がないと諦めた。

何れにせよ、我が国のカタカナ語には元の英語の発音を無視してrを「ル」としている例が多いのだ。古い例には「エネルギー」がある。英語の綴りはenergyであるし、モルガン銀行のMorganがある。「オルガン」の語源はポルトガル語のorganoであり、英語ではorganであるが「オーガン」とはならなかった。兎に角、カタカナ表記を担当する何処かの方は何でもかんでも「ル」としたいようで、最近の例ではゴルフのKordaさんを「コルダ」とした例がある。

他には会社名を挙げてみれば、ワクチンのModernaという社名は「モデルナ」ではなく「マダーナ」か、最悪でも「モダーナ」であるべきだった。また、我が国の会社であるMercariを「メルカリ」と表記したのは残念だが、山田某氏を責めるのは酷かも知れない。アメリカ人は「マーケアリ」に近い発音をするだろう。

竜巻からここまで脱線してしまったが、「貴方はここが言いたかったのではないのか」と批判されれば、敢えて反論しない。