新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

非常に興味深かった1日と2日のスポーツから

2022-10-03 08:26:35 | コラム
「こうなったら面白いのに」と思っていたら:

先週末は10日間の入院での精神的疲労を建て直そうとばかりに、外出もせずに専らテレビでのスポーツ観戦で過ごしていた。

ゴルフ:
中でも、最大の関心は女子の日本オープンのゴルフだった。それは女子にとっては長いと解説者が言う6,839ヤードの千葉県紫スミレCCの非常に難しく(俗っぽく言えば「過酷」か)設定されたコースで、彼らが言う「ベテラン」から十台の新進気鋭の若手までがその技量のほどを試されていたからだった。

女子のプロゴルフの世界にはここ寸年間では21世紀生まれかまたはそれ以下の十台の若手が後から後から出てきて、大きな大会での優勝をさらっていく事態となっていた。しかも、今回はアメリカで世界女子アマチュア選手権を制してきたばかりの馬場咲希が出場していたので、私の関心はどの年齢層が本当に難コースを制覇できるだけの力と技術を身につけているのかにあった。

このスミレコースはその点については実に残酷で無慈悲だった。解説者の塩谷育代が指摘していたように、アメリカで賞金女王にまでなっていた34歳?の申智愛などは「見事な」と言いたいほどのスキルを見せて如何なる難しい設定にも対応して、最終日を首位で迎えていた。結果的には申のような真の実力者と二連覇を達成して見せた勝みなみを除けば、残るベテランも新鋭も誰一人として4日間通算で「アンダーパー」を記録できていなかった。言ってみれば「残酷な試練」だった。

私はマスコミが女子のゴルフ界と若手の進出をチヤホヤしすぎているのではないかと思っている。確かに19歳で彼らが言う「メジャー」(majorの正しい発音はメイジャーである)を制覇したのは立派だとは思う。だが、その若い女性たちの優勝が本当に技術とスキルを兼ね備えた実力によるものだったかどうかの議論を聞いたことがない。ゴルフ界にとっては慶賀すべき事で、斯道奨励にもなるし、絶好の宣伝媒体にもなっているのだろう。

だが、私の疑問は「それで良いのか」という点にある。商業主義だけで走っていて良いのということ。如何なるコースの設定にも負けることがないように訓練しておく必要もあるのではないのか。4日間も難しいコースでやらせてみれば、脱落者続出で良いのかということだ。「女子用にフェアウェイの芝を調整してドライバーの距離が伸びるようにしておくことに疑問を感じないのか」という意見を聞いたこともあった。

でも、そうなれば面白いのにと思って観戦していた勝みなみの二連覇は、意外にも難しいコース設定に負けてしまった実力者の申智愛を追い抜いて勝ってくれたのは非常に良かったと思う。

パシフィックリーグの野球:
この場合でも、私はバッファローズが最後の最後でひっくり返して、二連覇になっていれば面白いだろうとの一点の興味で観戦していた。バッファローズは昨年には最下位からの優勝だったし、今年は11.5ゲームだったかの差を付けられていたホークスを追い落としたら凄いなという興味だ。

昨2日の夜は直前に気が付いて「ホークス対マリーンズ」と「バッファローズ対イーグルス」の試合を頻繁に往復して、特に手に汗握ったほどはなかったが、これほどまでに先行きが見えてこない試合を見たことがなかったので、興奮させられていた。リーグの優勝を決めることになる試合をしているマリーンズの井口監督とイーグルスの石井監督の心中はどれほど複雑なものがあるのかなどとも想像していた。

結果としてはローテーションだったのかどうかは知る由もないが、私の冷静な評価では「終わった投手」である田中将大を起用していたことが、バッファローズの連覇に貢献したのだった。一方のホークスは既に和田と千賀を使い終わっていたので、私は出てくる投手たちを一々選手名鑑を開いて「何者」と調べていた状態だった。一昔ではなく三昔か四昔も前だったならば、ローテーションなど無視して主戦投手(エースのこと)に連投でも強いていただろうに。

マリーンズは良く言われている「目の前で優勝監督の胴上げをみたくない」との意地を発揮したのだろうが、負けたホークスは勝負というものの残酷さをこれ以上にないほど味合わされたことだったろう。だが、故野村克也氏は言っていたではないか「勝ちに不思議あり、負けに不思議無し」と。野村氏は往年の南海ホークス出身だった。これも何かの因果か。