新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語の中の外来語の表記

2023-06-27 08:16:20 | コラム
どうして英語の発音と違う表記にしたのだろう:

今回は「和製英語(カタカナ語)と造語」の読み方編から派生したものである。英語というか原語とは違う表記にした訳が解らないし、何故そうなったのかという興味があった言葉を幾つか取り上げてみた。ここに取り上げる以外にも、未だ幾らでもあると思っている

エンゼルス  Angels
解説)言うまでもなく大谷翔平が所属する「なおえ」のLA Angelsのことである。これはangelで「天使」のことと思っていて良いだろう。問題にしたいことが二つある。それはOxfordの発音記号通りにしても「エインジェル」であること。次はgelを「ゼル」にしたこと。何故2箇所とも変えた訳が解らないのだ。このgeを「ゼ」にしてしまった他の例は、generalの「ゼネラル」やLos Angelsの「ロサンゼルス」がある。カタカナ語製造業者に説明を求めたくなる。

オアシス  oasis
解説)英語では“a”を「ア」と発音しない言葉が多いと指摘してきた。これもその一例だが、英語の通りに「オエイシス」しなかったのは、ローマ字読みを優先したからだろう。そうする必要があったとは思えないのだ。「エンゼルス」もそうだが、英語の発音通りに表記した方が英語を正しく覚えやすいのではないのかな。青木功氏の「青木」はアメリカに行くと「エイオキ」と発音されることは既に取り上げた。

ガーゼ  gauze
解説)英語の発音は「ゴーズ」である。もしかして元はドイツ語ではないかと調べてみれば、その通りでgaze即ち「ガーゼ」のようだった。考えてみれば、昭和30年代まではお医者様たちの専門語はドイツ語だった。「ガーゼ」はその名残だろう。昭和35年12月に急性肝炎で生まれて初めて入院したときには「患者」の私は「クランケ」だった。今はpatientのようだ。

コラーゲン  collagen
解説)コラーゲンの英語表記がcollagenだなんて、つい最近まで考えたこともなかった。これも英語の発音は「コラージェン」なのだから、エンゼルスのところで取り上げるべきだった気もする。だが、テレビのCMなどで何かと言えば「コラーゲン」の効用を強調されるので、ここに「英語の読み方は違います」と言いたくなった。

チップ  tip
解説)「心付け」のことでもあり、「氷山の一角」のように“tip of the iceberg”、即ち「先端が尖ったもの」の意味でもある。混乱しやすいことは、木材の粉砕されたものは“wood chips”のように文字通り「チップ」となっていることだろう。

プレゼン  presentation
解説)これは少し面倒だ。それは、わが国ではごく当たり前のように「プレゼン」のような略語が通用している。即ち「プレゼンテーション」である。ところが、アメリカ語では「プリーゼンテイション」のような発音になるので、紛らわしいのだ。アメリカ語から採れば「プリーゼン」となるのだっただろう。「贈る」のpresentはUKでもUSAでも「プレズント」なのであり、「現在」もpresentなのだ。これはアクセントの違いで使い分けている。

ペプチド  peptide
解説)このような生物・化学用語には、何と言って批評したら良いか分かりにくい例がある。このpeptideの英語読みは「ペプタイド」なのだ。私がつい先頃まで服用していた薬「ビカルタミド」はBicaltamideなので、「ビカルタマイド」となっているべきだったのかも。

「ワレンを呼べ」 Warren
解説)これは番外編である。戦後間もなくだったと記憶するが、アメリカ製のテレビドラマで「沿岸警備隊」(だったと思う)を見ていた。その隊長(艦長?)が何かと言えば「ワレンを呼べ」と、信頼する部下を呼ぶのだった。当時は何も考えなかった。だが、それから何十年も経って、思ってもいなかったアメリカの会社に移ると、わが事業部にニュージーランド人が異動してきた。彼はWarrenなのだったが、「ウオーレン」であっても「ワレン」ではなかった。