新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月17日 その2 詐欺メールは恐ろしい

2023-06-17 11:43:42 | コラム
“I need your help.”と言ってきた:

つい先日、テレビのニュースで「中国ではメールアドレスなり何なりをハッキングして、知人・友人を装って、緊急の買い物の代行を依頼して、後刻決済するというメールが方々に来ていて、被害者が出ている」と伝えていた。発信地は香港か台湾もあるのだそうだ。「なるほど、そういう詐欺もあるのか」という程度に受け止めていた。

それが何と、光栄にも我が方にも見出しのように英語のEmailが、OCNの迷惑メールブロッキングサービスの網を掻い潜ってやってきたのだった。発信者は在職中に最も親しくしていた上司の奥方で、これまでに何度か述べてきたMBAにしてコンサルティング事務所を経営しておられた方だった。メールアドレスも彼女のものだった。躊躇せず「何でも私にできる事なら」と返信した。

すると、次に来たのは差し迫った買い物の代行の依頼で、それも購入する店は皆アメリカにしか存在していないものばかり。しかも姪への誕生日の贈り物を買ってくれという内容。これはおかしいと時代遅れの私にも解った。と言うのも、その姪の親である長男は、愚息も親しくしている間柄だったから、彼が知らないはずがないのだ。そこで愚息の指導の下に無視する事にした。

そして、確認のために長男にも照会する事にしてメールを送った。ところが、彼は何時も即時返信してくるのに2日経っても返信無しだった。これはおかしいと催促すると「その問い合わせのメールは受信していないが、これは詐欺である。(因みに、fraudulent mailというのだそうだ)何故なら、母のメールアドレスはハッキングされたので、既にパスワードを変更してある」と言ってきた。

こういう世界では如何なる事が起きているかには疎いのだが、「彼らはハッキングして彼女のメールアドレスを盗み、さらに何処の誰と交信しているのかも把握して、その交信相手である私が日本人とは知らずに送信してきたのではないのか」と考えている。しかしながら、落ち着いて最初のメールを読み直すと、何時もなら先ず私の名字に「san」を付けて呼びかけてくるのだが、それがなかった。その時点で「詐欺」と見破れたはずだったと反省。

今回の件で思い出した事があった。それは数年前のことで、毎度取り上げている元の技術サービスマネージャーの秘書のJeanからEmailが2回来たのだった。これはかなり巧妙で、いきなり“Hi, Mas!”と呼びかけていた。このMasは社内だけで通用する私のニックネームで、ここまでしている以上彼女からかと一瞬考えた。ブロッキングサービスに捕捉されないのでは真物だと思いたくなるのだ。

だが、彼女は私が2003年にPCを導入したとは知るはずがないので、念のためにマネージャーに確認して貰った。ここでもハッキングと判明。不思議といえば不思議な事で、3回目はブロッキングサービスが捉えていたのだった。このようにハッカーなのか詐欺集団なのか知る由もないが、巧妙な手口を使っていると思える。そうでなければ「何とかの鉄砲数打ちゃ当たる」式に送信しているのかも知れない。超後期高齢者は絶好のカモなのだろうか。

なお、私のメールアドレスはPCを使い始めて何年目かにアメリカと交信を始めたら直ぐに盗まれて、自分から自分へのメールが頻繁にブロッキングサービスの網にかかっている。この手の迷惑メールはここ1~2年は減ったが、頻繁に捉えられていた。彼ら詐欺の常習犯どもは意外に杜撰なのかも知れない。


外国人に対して厳しく接すべきではないか

2023-06-17 08:11:19 | コラム
驚き呆れた国立産業技術総合研究所の技術情報漏洩事件:

この件では中国人の上級主任研究員が、事もあろうに先端技術の情報を中国に流していたというのだ。これまでに何度も中国の国家総動員令や他国の情報を入手したら即座に細大漏らさず政府に報告する義務を課す法律を論じてきた。これだけではなく「性善説の視点で外国人を扱うのは非常に疑問だ」とも指摘してきた。亡母の「日本にやってきて暮らそうという外国人は食い詰め者と思え」との主張も紹介した。

その権某という研究員は上記の命令にも義務を果たしたに過ぎないのでは」と言いたい。雇い入れた組織の長は中国の法律というか習近平が何を目指しているかを知らなかったのだろうか。知らなかったのならば由々しき事だ。政府も同罪ではないのか。

我が国では性悪説論が普及していないので、押しかけてくる多くの外国人を「その性善なる者たちと見て扱ってはならない」という姿勢にはなれないようなのは、本当に芳しくない事なのだ。20年以上も外国人の世界で過ごしてきて、彼らと同化しないと何ともならない社会の経験をしたので、彼らを性善説の視点で見てはならない事を十二分に承知している。

中国については業務上で訪れた事がないので、彼らの正体について知るところはマスコミ情報しかない。だが、東南アジア諸国を歩けば、その国の経済を華僑が握っている事がイヤというほど解る。華僑の財閥Sinar Masが中国を世界最大の製紙国にのし上げていった手法も間近で見る機会を得てその「狡さと凄さ」をあらためて知った。最近の報道では中国が諸外国(と我が国にも?)に「秘密警察」の組織を築いていると知らされた。

ここで少し論点を変えると、我が国では明治維新後に門戸を開いて外国人を入れ、西欧の文明も文化も導入して近代化してきた。また、戦後には進駐軍に支配され、戦時中は「物量作戦」と呼んだアメリカとアメリカ人の豊かさと先進的な技術に圧倒され、「外人さん」などと敬称で呼んでしまうようになったほど外国人を尊敬し有り難がる流れになっていた。いや、洗脳されたのかも知れないと疑う。

だが、彼らの中に入ってみれば解る事がある。それは何度も述べてきた事で「アメリカを物質的にというか技術的に経済的に支配しているのは、精々全人口の5%にも満たないだろう図抜けて能力が高い少数の人たちである事」なのである。この点は「アメリカ人が100人いる組織があれば、それを率いているのは非常に高い能力を備えた1人である」とも論じてきた。即ち、我が国のように均一であり質の高い人の集団の国とは全く違うのだ。

中国には94年にリタイアした後で個人的な旅行で3回行っただけだが、その頃では未だ少しでも北京や上海のような大都会を離れると、そこには文化も文明も存在しない地域があると解るのだった。大都会でも一歩でも裏道に入るか覗ける機会があれば「何だ、これは」と、その裏と表の落差に気が付くのだ。その点では90年代初期のソウルにも似ていた。

次にまた譬え話をすれば、今は亡き日大フェニックスの篠竹幹夫監督が弱体化したフェニックスを「我々が同じ所にいる間に他校が進歩して追い抜いたので、我が方が劣化した訳ではない」と述懐されたのを思い出す。即ち、我が国が「失われた20年」とか「30年」と自虐的に回顧している間に、ハッキングの技術まで駆使した中国に追い抜かれだけだと思っている。そこで世界第2の経済大国になったところに習近平が登場して世界制覇を企んだと見ている。

そんな事とは露知らずにか承知しているのか不明だが、未だに媚中派や日中親善を唱える国会議員がいるのだ。確かに「アメリカに付いていくか、中国に靡くか」という選択はあるだろう。だからと言って、国立の研究所に中国人を研究員として雇用しても良いとの理屈にはなるまい。しかも、報道によれば、この研究員は中国政府から表彰されたというではないか。「人を見れば泥棒と思え」という言い習わしがあるのを忘れてはなるまいと言いたい。

何方だか忘れたが、ある評論家が岸田総理を評して「人が良さそうな顔付き」と言ってしまった。それが当たっているかどうかは知らないが、もう好い加減に「人が良い国」である事を放棄して、外国人に対して厳しく当たるような自信を持つ国になるべきだ。これも「国際化」の範疇に入ると思っている。結論だが、経験からも「外国人と見たら先ず疑ってかかれ」と言うのだ。