“I need your help.”と言ってきた:
つい先日、テレビのニュースで「中国ではメールアドレスなり何なりをハッキングして、知人・友人を装って、緊急の買い物の代行を依頼して、後刻決済するというメールが方々に来ていて、被害者が出ている」と伝えていた。発信地は香港か台湾もあるのだそうだ。「なるほど、そういう詐欺もあるのか」という程度に受け止めていた。
それが何と、光栄にも我が方にも見出しのように英語のEmailが、OCNの迷惑メールブロッキングサービスの網を掻い潜ってやってきたのだった。発信者は在職中に最も親しくしていた上司の奥方で、これまでに何度か述べてきたMBAにしてコンサルティング事務所を経営しておられた方だった。メールアドレスも彼女のものだった。躊躇せず「何でも私にできる事なら」と返信した。
すると、次に来たのは差し迫った買い物の代行の依頼で、それも購入する店は皆アメリカにしか存在していないものばかり。しかも姪への誕生日の贈り物を買ってくれという内容。これはおかしいと時代遅れの私にも解った。と言うのも、その姪の親である長男は、愚息も親しくしている間柄だったから、彼が知らないはずがないのだ。そこで愚息の指導の下に無視する事にした。
そして、確認のために長男にも照会する事にしてメールを送った。ところが、彼は何時も即時返信してくるのに2日経っても返信無しだった。これはおかしいと催促すると「その問い合わせのメールは受信していないが、これは詐欺である。(因みに、fraudulent mailというのだそうだ)何故なら、母のメールアドレスはハッキングされたので、既にパスワードを変更してある」と言ってきた。
こういう世界では如何なる事が起きているかには疎いのだが、「彼らはハッキングして彼女のメールアドレスを盗み、さらに何処の誰と交信しているのかも把握して、その交信相手である私が日本人とは知らずに送信してきたのではないのか」と考えている。しかしながら、落ち着いて最初のメールを読み直すと、何時もなら先ず私の名字に「san」を付けて呼びかけてくるのだが、それがなかった。その時点で「詐欺」と見破れたはずだったと反省。
今回の件で思い出した事があった。それは数年前のことで、毎度取り上げている元の技術サービスマネージャーの秘書のJeanからEmailが2回来たのだった。これはかなり巧妙で、いきなり“Hi, Mas!”と呼びかけていた。このMasは社内だけで通用する私のニックネームで、ここまでしている以上彼女からかと一瞬考えた。ブロッキングサービスに捕捉されないのでは真物だと思いたくなるのだ。
だが、彼女は私が2003年にPCを導入したとは知るはずがないので、念のためにマネージャーに確認して貰った。ここでもハッキングと判明。不思議といえば不思議な事で、3回目はブロッキングサービスが捉えていたのだった。このようにハッカーなのか詐欺集団なのか知る由もないが、巧妙な手口を使っていると思える。そうでなければ「何とかの鉄砲数打ちゃ当たる」式に送信しているのかも知れない。超後期高齢者は絶好のカモなのだろうか。
なお、私のメールアドレスはPCを使い始めて何年目かにアメリカと交信を始めたら直ぐに盗まれて、自分から自分へのメールが頻繁にブロッキングサービスの網にかかっている。この手の迷惑メールはここ1~2年は減ったが、頻繁に捉えられていた。彼ら詐欺の常習犯どもは意外に杜撰なのかも知れない。