新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

稀勢の里についての閃き

2017-03-25 07:42:00 | コラム
稀勢の里が負けることは閃いていた:

24日に稀勢の里が負けるというか、あのまま勝ち続けることはないだろうと私には閃いていた。即ち、彼の行く手には何となく不吉なものが見えていたということ。私は元々相撲には関心も興味もない。だが、テレビを始めとしてマスコミが「日本出身」という奇妙な枕詞をつけて賞賛した辺りから少し関心が出たし「そうは物事はそうしょっちゅう上手くいくものではないだろう」という閃きがあった。

即ち、日本人の力士が二場所続けて優勝させるほどモンゴル出身者は心優しくないだろうと感じたのだった。また、昨年の今頃にも、日本出身で久し振りに優勝した琴奨菊はマスコミに褒められ過ぎて駄目になると閃いたと書いたが、可哀想にその通りになってしまった先例があった。

故に、やや傲慢とも見える表情で勝ち続けてきた稀勢の里には、何か悪いことが起きるのではという閃きがあったのだ。相撲に興味がないとは言ったが、新聞でもテレビでも騒ぐし、テレビのニュースの中に出てくればつい見てしまうと言い訳をしておこう。24日も他に見るものがなく、高校野球も終わった後なので見ていたらあの負け方で、たまたま居合わせたフットボール経験者の長男が「あの落ち方と痛がり方では恐らく左肩を脱臼したのだろう」と診断した。

まー、言ってみれば「好事魔多し」の類いではないかと思っている。私には稀勢の里君は未だ勝ち慣れている訳ではないので、横綱として横綱が相手の場合の勝ち方を知らず、そこにあの傲慢とも私の見えた表情には、矢張りいくらかの思い上がりと、過剰にチヤホヤされた(誰に?)ことの悪影響が出たのではないかと邪推している。


2016年の広告費の分析

2017-03-24 07:33:29 | コラム
広告費を業種別に見れば:

23日は結局ほぼ一日籠池理事長の国会への証人喚問のテレビ中継に取られて、と言うか見ていたので、落ち着いてPCの前に座っている時間がとれないうちに終わってしまった。

さて、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)への出稿では化粧品・トイレタリーが最大で28,845(単位:千万円、以下同じ)と対前年比+1.5%、構成比は10.6%だった。次が情報・通信で28,40対前年比+3.5%、構成比は10.4%となっていた。第3位は僅差の28,012で食品となり対前年比+3.5%で構成比は10.2%だった。4位が交通・レジャーで20,784で対前年比△3.9%、構成比は7.8%だった。5位は飲料・嗜好品」で18,354で対前年比△5.3%、構成比は6.7%だった。

次に媒体別で見ると、新聞には交通・レジャーが第1位で8,678(単位:千万円、以下同じ)で対前年比△4.9%、構成比は16.0%だった。2位は流通・小売業で6.894で対前年比+2.3%、構成比は12.7%だった。3位には食品が入り対前年比+0.8%、構成比は11.7%だった。4位は出版で5,019で対前年比△3.5%、構成比は9.2%だった。5位は4媒体向けで第1位だった化粧品・トイレタリーで2,969で対前年比△0.4%、構成比は5.5%となっていたのはこの種の広告には新聞が不向きのようだと解る。なお、ここに取り上げられた21業種の中でプラス成長は流通・小売業、食品の他には官公庁・団体の2.5%があるだけだった。

雑誌向けでは第1位には4媒体向けでは10位だったファッション・アクセサリが入り5,648で対前年比△13.5%、構成比が25.4%だった。2位が化粧品・トイレタリー2,914で対前年比△3.7%、構成比は13.1%だった。3位には交通・レジャーが来て1,832で対前年比△2.0%、構成比は8.2%だった。4位は食品で1,260で対前年比△5.5%、構成比は5.7%だった。5位は趣味・スポーツ用品で1,225で対前年比△8.4%、構成比は5.5%だった。ここまで上位5業種が皆マイナス成長だったが、10位まででプラスを記録したのは1.4%の流通・小売業だけだった。

以上のように各業種別にどの媒体を主力とするかの傾向が見える辺りが興味深い統計だった。

日米間の野球文化を考えると

2017-03-23 09:20:57 | コラム
三振を数多く取っても負けた日本野球:

本心では「負けた侍野球」としたかったのだが、「侍ジャパン」という名称に抵抗感もあるし、好ましいとは思っていないので避けた。「侍」という呼称は故篠竹幹夫監督が率いた日大フェニックスだけに止めておけば良いと思っている。未だ45歳の小久保裕紀が監督であるテイ―ムには相応しくないし、私には時代感覚の欠如としか思えない。尤も、我が国の野球界には伝統もあるのだだろうが、古い仕来りが多すぎるとしか思えないので、侍でも良いのかも知れないと勝手に割り切っている。

日本時間22日のWBC野球の準決勝の対アメリカの試合は負けたの残念だったが、それなりに大変見るべきところが多い野球だった。掲題に従って論じれば「あれほどアナウンサーが興奮して三振とを取った」と何回も叫んだ割には、一桁の三振しか獲れなかったアメリカにやられたのは何でだろうかと考えてみたい。

このWBC野球では最初から投手の投球数に制限が設けられていた。それが投手の肩の消耗を防ぐための目的なのか知らないが、一向に腑に落ちる説明を聞かせてくれていなかった。そういう形での試合を見ていて感じたが、今や売り出しのソフトバンクで育成から上がってきたという枕詞がつく千賀投手が二次予選だったかで、三振でバッタバッタとなぎ倒していたのは大変素晴らしかったが、アッという間に投球数が増えてしまった。確か相手方の投手の同じ回数での投球数は遙かに少なかった。

ここに我が国の野球とそれを中継するテレビ局の文化があるのだと思う。確かに三振を数多く取る投球は華々しいし、見ている者も興奮させてくれる。だが、三振を取るためには全力を挙げて自分の持ち球を力を込めて投げ込み続けねばならない、それも最小でも3球を。即ち、毎回全員を三振にとって9回を投げれば81球を要するのだ。しかし、もしも毎回各打者の1球で仕留めて9回投げきっても27球と三振主義の3分の1という省エネ投法になる。どちらが投手のエネルギーと肩を消耗させるのかは言うまでもあるまい。

解説者は口を揃えて「アメリカの投手は動く球を数多く投げる」と言う。即ち、微妙に動くので「来たな」と思って振りに行くと思ったところと違うので、芯で捉えることが出来ずに凡打になるという寸法だ。意外にも身体能力に優れ力持ちであるアメリカ人の方が省エネ投法に走っているようなのだ。誤解なきよう申し上げておくが、私は省エネ投法の方が優れていると言っているのではない。だが、三振至上主義では常に全力で神経の集中を絶やすことなく投げ続けるので、何処かで消耗して集中が切れた時に打たれてしまうのではないかなと考えているのだ。

菅野はあれだけ良く投げたが、たった1本を危機の場面で打たれたヒットで失点した。千賀も好投して三振を取り続けたが、矢張り打たれた上に松田のあの記録には出ない失態で決勝点を取られてしまった。因果なものである、野球という競技は。私にはあの試合は良い投手を注ぎ込んで守るのに精一杯で、打つ方にまで神経が回っていなかったのではないかのように見えていた。更に言えば「我が国のバッテイングの特徴であるジックリと選んで自分の好きな球が来るのを待つ方式」が動く球に負けたという気がする。

一方のアメリカ野球は「全員が我も我もという各人の個性の主張が特徴で、打つ方ではテイ―ムの為よりも何よりも自分の手柄にしてやろうとばかりに局面も何も考えずに、来た球を打って勝負してやろう」というのだと思っている。であるが故に、彼らは三振を厭わない。それは勝負を賭けた結果であるからだ。この点は、前高野連会長の脇村春夫君が「見送り三振を極めて非難したこと」と似ている。尤も、脇村君はアメリカからの帰国子女であるから、アメリカ野球の思考回路が組み込まれていたのかも知れない。結論的に言えば「個性豊かに力で勝負をする」のがアメリカ野球の文化であろう。

昨日の野球は身体能力の点からの力不足を何とか神経を集中して三振を取りに行き、打つ方ではじっくりと待つ日本式の全員が一丸となる野球が、「個性と勝負を仕掛ける強力な身体能力を基礎にした力一杯の野球に負けたのだと思っている。しかも、トーナメント方式で慣れぬ天然芝で雨中に野球をやらされたという不利もあったので、同じ顔触れでもう一度やれば勝ったとも言えると程度の実力差しかなかったと思う。だが、いくら頭脳で勝負しても体格と身体能力の差は埋めきれないのかとも思う。


3月22日 その2 残念ながら負けた方が弱いのだ

2017-03-22 14:33:17 | コラム
残念な結末だったが、我が代表は持てる力は出し切ったのだろう:

22日は一寸個人的な事情があって時間に余裕がなく、対アメリカの準決勝戦の前半は飛び飛びにしか観戦出来なかった。試合開始の時はジムでエアロバイクに久し振りに20分も座って見ていたのだが、非常に遺憾なことで「閃き」では我が代表からは明らかに緊張し過ぎというか「いれこむ」というか、過度に意気込んでいる様子が見え、悲観的にならざるを得なかった。回りくどいこと言わなければ「我が方の負け」と出ていた。

だが、時間の制限があって3回までは原の懸命の投球はやや上ずっているように見えたが、何とか0:0に終わっていたようだった。用事を終えて11:30頃に帰宅してみれば、0:1でアメリカにリードを許していた。所謂「完全アウエー状態」の中で、言わばMLBのオールスター的なアメリカ代表とその状態であれば上出来だと思って見ていた。そこに、思いがけない菊池のライト観覧席への際どいホームランで同点に追い付いたのは立派だった。

だが、勝負とは残酷で無残なものだということをイヤと言うほど立証したのが、恐らく初めて本当のMLBと対戦したのだろう千賀の好投を無にしてしまった、記録に表れない松田の失策だった。何が残酷かと言って、弱い方の欠陥は「ここぞ」という重大な時にして出てこないものだという勝負の意地悪さが、あの捕り損ないというかボールの握り損ないとなって出てきたのだった。私は松田は責められて然るべきだとは思うが、彼がティーム全体の弱さを背負ってあの場面であの失態となってしまったので、彼一人の責任とするのは酷だと思う。

私はあの失点で全てが終わったと諦めて、椅子から降りて寝そべって観戦することにした。その後の平野、宮西、秋吉と繋いだ継投作戦は言わば結果オーライで、小久保監督の采配としては上出来だったと評価する。だが、如何せん入れ替わり立ち替わり出てくるMLBの一線級の中継ぎやクローザーのリレーに遭っては打てなかったことを責められないと思う。寧ろ、代打で出て見事にヒットを打った内川などは褒めてやらねばなるまい。

この野球を見てあらためて痛感したことは、我が国の各球団のエース級の投手や中継ぎや締めくくりの投手たちは、MLBに行っても立派に通用することがあらためて立証された。もしも移籍というか引き抜きが自由であれば、MLBは菅野や千賀には触手を伸ばしてくるだろう。だが、野手はこれまででも成功例が少ないことから考えても、まだ一寸力足らずとというか、彼ら大リーガーの身体能力には及ばないのではないかと痛感させられた。

今回はトーナメント方式で1試合だけの勝負だったが、我が方があの顔触れで(もう少しましな監督が率いれば)MLBに加わっても、リーグ戦では直ぐにある程度以上の成績を残せる可能性はあると見たのは僻目か。何れにせよ、非常に緊迫した良い試合だったのは、例え負けたとはいえ持てる力を出し切ったのだから、立派なものだったと思う。選手たちを「ご苦労様」とねぎらってやりたい。

2016年の我が国の広告費

2017-03-22 07:58:52 | コラム
我が国の広告費は5年連続でプラス成長:

電通は毎年「日本の広告費」を集計して発表しており、この度2016年の実績を発表した。それによると、広告費は緩やかな景気拡大にともなって増加し、対前年比で1.9%の6兆2,880億円で5年連続の増加となっていた。その中で製紙産業にとって遺憾だったことは、紙系統というか印刷媒体のシェアの後退傾向には歯止めがかかっていなかった点だった。

広告費の推移をGDPと比較すれば、16年度にはGDPが5,373,112億円で対前年比+1.3%で、広告費は62,880億円で対前年比+1.9%、対GDP比では1.17%だった。15年度にはGDPは5,305,452億円で対前年比+3.3%で、広告費は61,710億円で対前年比+0.6%で、対GDP比が1.16%となっていた。

次に16年の広告費を媒体別に分析してみると、

マスコミ4媒体が28,596億円で対前年比△0.4%で、15年度の△2.4%よりはやや改善されていた。この中で新聞は5,431億円で対前年比△4.4%と前年の△6.2%よりはましだったと言えよう。雑誌は2,223億円で対前年比△9.0%と大幅の落ち込みで、前年度の△2.3%よりも更に悪化していた。ラジオは1,285億円で対前年比+2.5%で前年度の△1.4%より改善されていた。テレビは19,657億円と+1.7%と前年度の△1.2%から3%近く改善されていた。

問題のインターネットは13.0%の伸びで13,100億円となり、15年度の10.2%をも上回った。しかし、これでも広告費全体に占めるシェアーは20.8%で、マスコミ4媒体の45.5%の半分以下だった。インターネットを分析すれば、媒体費が10,378億円で対前年比+12.9%、広告制作費は2,722億円で対前年比+13.4%となっていた。

上記以外ではプロモーションメディアが21,184億円で対前年比△1.1%で前年に続いて減少していた。その中でフリーペーパー紙誌は2,267億円で対前年比△1.6%と前年度の△0.6%から続けてマイナス成長だったのは、個人的にはやや意外な感があったし、紙媒体(=印刷媒体)の衰退が続くのは時代の流れとは言え、悲しいものがある。

参考資料:紙業タイムス社刊 FUTURE誌 17年3月27日号