韓国の盧武鉉大統領は国営TVに出演し、その中でアメリカが北朝鮮に
対して圧力を強めることは、米韓関係を複雑化させる可能性があるとの
考えを示した。
これに関連して、ロシアの声の評論委員は次のようにコメントしている。
盧武鉉大統領のこうした声明は、朝鮮半島の核問題の正常化に向けた
プロセスにおける行き詰まり状態を打開するための道を模索する、極め
て困難な時期に表された。盧武鉉大統領は同時に、アメリカ政府高官の
北朝鮮に対する度重なる非難攻撃によって、状勢をさらに複雑にしようと
するアメリカのあらゆる試みには反対の立場を示した。
ここで思い出されるのはアメリカのバーシュボウ駐韓国大使が、北朝鮮に
は犯罪的な体制が存在しているとの、許しがたい発言を行ったことだ。
バーシュボ大使の発言は、多くの韓国の政治家の間でもハッキリとした反
感を呼び起こした。
北朝鮮の今後の政治体制に関して、アメリカが北朝鮮に圧力をかけようと
していることに対して、韓国はこれに反対する立場を表している。とりわけ
ドル札偽造やマネーロンダリングに関与しているとして、北朝鮮を非難する
アメリカの積極的な活動に付いて、韓国は明確な不満を表明している。
韓国政府は公式的な見解を示したわけではないが、マスコミの報道や様
々な政治家らの発言を見れば、韓国政府が北朝鮮に対する経済的な制
裁の導入を支持していないことは明らかである。
このように韓国とアメリカは、対北朝鮮政策において異なる方針を取って
いる。アメリカは北朝鮮に対し敵対政策を取っており、現在の政治的な手
段に代わって、将来は軍事力を用いる可能性もある。一方の韓国は経済
分野を中心に、様々なコンタクトを拡大し、南北朝鮮間の対話をより発展
させる等、平和的な手段を模索する方針を貫いている。
こうした観点から韓国と北朝鮮の間に、平和条約を締結すると言う韓国の
提案は肯定的な役割を果たすものとなる可能性がある。
南北朝鮮間の平和条約は、1950年から1953年にかけての朝鮮戦争を、
最終的に終結させるものとなるだろう。
韓国の盧武鉉大統領は国営TVに出演した中でさらに、北朝鮮の核問題を
巡る6カ国協議を再開させるため、可能な限りの努力を行うことが不可欠だ、
との考えを示すと共に、出来るだけ早く交渉プロセスの障害となっている意
見の相違を取り除く必要があると述べている。
また盧武鉉大統領は、もしもアメリカがこの問題を圧力をかけるという方法で
解決しようとした場合には、アメリカと韓国の間に衝突と対立が生じるだろう
と警告した。
韓国との対立を避けたければアメリカは、自らの方針を見直す必要に迫られ
るだろう。
1月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
