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イラクでの政治的目標達成に失敗したアメリカ

2007-04-21 | ラジオ
アメリカ議会上下両院で多数派を占める民主党の指導者達は、イラクに駐留
アメリカ軍部隊の増強を目指すブッシュ政権の考えを非難する決議案を、それ
ぞれ上下両院に提出した。決議案はたとえ採択されても、事務的な拘束力を
持つものではないが、民主党の指導者達は決議案の採択が、この問題に関
してブッシュ大統領が政治的に孤立している事実を示すものになるはずだと
見ている。
一方ブッシュ大統領は、昨年はイラクにとって失敗に終わった年だったと認め、
一年前、自分は楽観的な気分でアメリカは目標を達成するだろうと、何よりも
イラクが自ら権力を持ち、自ら国を守れるようにアメリカが導いていくことが出来
るだろうと感じていたと述べた。
いまやブッシュ大統領は失望を感じている。おまけに大統領の右腕であるライ
ス国務長官までが、アメリカの新しいプラン及びイラク政府の努力にも関わらず、
イラク国内では暴力が横行していると認めている始末だ。

アメリカはイラクでの勝利への道筋を見つけられなかったばかりでなく、勝利は
何処にあるべきかをハッキリさせることさへ出来なかった。
ブッシュ大統領の当初の戦略は予防措置をとる事によって、テロの脅威の拡大
を許さないというもので、この戦略に従ってイラクでの戦争は開始されたが上手
くいかなかった。

確かに軍事的観点から見れば勝利はあったが、イラク正規軍は早くも分裂して
しまった。
ロシアの専門家はロシアの声からのインタビューの中で、それぞれの戦争の目
的というのは、ある政治的目標達成のため一定の条件を作り出すことにある。
との見方を示し次のように述べている。
アメリカはこの戦争の政治的目的を達成することが出来なかった。つまり彼らは
民主主義の諸条件を作り出せなかったし、テロの脅威を軽減することも出来なか
った。イラクに増援部隊を送り、それによって状況を根本的に変えようとの、アメリ
カの今回の試みに付いて言えば、それを新しい戦略と呼ぶことは賛成しかねる。
それはむしろ武力行使に密着した、前の戦略の続きというべきだろう」
ロシアの専門家は、この様に指摘している。

イラクでは実例が示したように武力による圧力は、全く正しくないことが明らかにな
っている。
まして(?)戦争という条件下で軍部隊を増強するなど実際意味が無い。
このことをブッシュ大統領に理解させるべきだ。あらゆることから判断して、アメリカ
政府のプランは少なくとも、首都バグダットの治安が一見良くなり平静さを取り戻し
たようになったら、それが悪くならないうちに軍部隊を撤退させるというものだ。

いわゆるブッシュ大統領の新しいイラク政策は、明らかに状況を正そうとする最後
の足掻きといえるものだ。
次のプランはすでに原則的に別のものとなり、あれやこれやの口実の下、イラクか
らの撤退プランが示されることになるだろう。
アメリカ民主党の指導者達は何よりも、共和党のブッシュ大統領が状況を全く絶望
的なところまで追い込んだ後で退陣し、次の大統領こうした場合、民主党の大統領
になる可能性が高いわけだが、彼あるいは彼女に、その尻拭いをさせることになる
のではないかと心配している。
1975年ベトナム戦争当時、南ベトナムの首都だったサイゴンのアメリカ大使館から、
多数のアメリカ人がヘリコプターで逃げ出したような状況は、絶対にバグダットでは
繰り返したく無い。そう思っているのだ。

(?)は不明瞭で聴き取れず

ホワイトハウスの職人たち

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1月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル