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アメリカがウクライナとグルジアのNATO加盟を支持するのは何故か

2007-04-28 | ラジオ
アメリカ議会下院は3月26日にグルジア、ウクライナ、アルバニア、クロアチア
そしてマケドニアのNATOへの加盟支持に関する法案を承認した。
これを受けてアメリカはNATO加盟を目指す国々に、その準備費用として数百
万ドルを拠出することになる。

これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
政治に疎い人間でさへもウクライナを別にして、これらの国々がNATOをより強
力なものにしたり、NATOの安全性を高めるものではないことは容易に理解出
来るだろう。
またアメリカがオーストラリアやメキシコなどのNATO加盟を、強く支持している
のであればロシアが懸念を抱くことも無いだろう。
しかしこれがウクライナとグルジアとなれば話は別だ。
と言うのもこの2つの国は、ロシアと国境を接する隣国であり、また共通した歴
史。文化、伝統によってロシアと結ばれている国だからだ。
グルジアのサーカシヴィリ大統領やグルジア政府閣僚が、アメリカからの資金
で経済力を肥やしていることは周知の事実で、だからこそ彼らはNATO支持を
表明しているのだ。

しかし一般のグルジア人にとってNATOは無用の長物だ。ウクライナで最大70
%までの市民が、NATO加盟に反対していることを知っている人はそれ程、多く
は無いだろう。
しかし実際にはウクライナの政治家達もまた、同じような立場を示している。
例えばヤヌコヴィッチ首相は最近声明を表し、そのなかでウクライナは現段階
で、NATO加盟への準備を整えてはいないと明らかにしている。
またウクライナの国防相もまた、NATO加盟という決定は2009年に採択される
可能性が在るとの考えを示している。
つまり現在ウクライナのNATO加盟を主張しているのは、ユシチェンコ大統領と
オレンジ革命の参加者だけという訳だ。

NATO加盟を支持するというアメリカの決定は、ウクライナへの内政干渉であり
ウクライナ指導部に、NATO加盟プロセスを加速化させようとする明らかな先導
行為だ。
ロシア政府はアメリカのこうした努力は、ロシアに対する非友好的な行為であり
、ロシアとウクライナを引き離し、ポスト・ソ連圏におけるロシアの立場を弱めよ
うとするものだと捉えている。
ウクライナやカフカス地方、取り分けグルジアでアメリカの対ミサイル防衛シス
テムを配備しようとする動きが出てきているのも偶然ではない。

1990年代にNATOがソ連の国境付近に、軍事設備を配備することはないと約束
したことを覚えている人は、それほど多くはないかも知れない。
しかしだからこそ、その確約を大きく違反しているアメリカヨーロッパの政治家
の汚さはより明白で、それを許す訳にはいかない。
こうしたことの全ては当然の事ながら、ロシアとNATOとの関係強化や信頼情勢
を促進するものではなく、ロシアは自国の国益を守るために、その対抗策を練る
必要に迫られている。

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3月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル