アメリカ議会下院は3月26日にグルジア、ウクライナ、アルバニア、クロアチア
そしてマケドニアのNATOへの加盟支持に関する法案を承認した。
これを受けてアメリカはNATO加盟を目指す国々に、その準備費用として数百
万ドルを拠出することになる。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
政治に疎い人間でさへもウクライナを別にして、これらの国々がNATOをより強
力なものにしたり、NATOの安全性を高めるものではないことは容易に理解出
来るだろう。
またアメリカがオーストラリアやメキシコなどのNATO加盟を、強く支持している
のであればロシアが懸念を抱くことも無いだろう。
しかしこれがウクライナとグルジアとなれば話は別だ。
と言うのもこの2つの国は、ロシアと国境を接する隣国であり、また共通した歴
史。文化、伝統によってロシアと結ばれている国だからだ。
グルジアのサーカシヴィリ大統領やグルジア政府閣僚が、アメリカからの資金
で経済力を肥やしていることは周知の事実で、だからこそ彼らはNATO支持を
表明しているのだ。
しかし一般のグルジア人にとってNATOは無用の長物だ。ウクライナで最大70
%までの市民が、NATO加盟に反対していることを知っている人はそれ程、多く
は無いだろう。
しかし実際にはウクライナの政治家達もまた、同じような立場を示している。
例えばヤヌコヴィッチ首相は最近声明を表し、そのなかでウクライナは現段階
で、NATO加盟への準備を整えてはいないと明らかにしている。
またウクライナの国防相もまた、NATO加盟という決定は2009年に採択される
可能性が在るとの考えを示している。
つまり現在ウクライナのNATO加盟を主張しているのは、ユシチェンコ大統領と
オレンジ革命の参加者だけという訳だ。
NATO加盟を支持するというアメリカの決定は、ウクライナへの内政干渉であり
ウクライナ指導部に、NATO加盟プロセスを加速化させようとする明らかな先導
行為だ。
ロシア政府はアメリカのこうした努力は、ロシアに対する非友好的な行為であり
、ロシアとウクライナを引き離し、ポスト・ソ連圏におけるロシアの立場を弱めよ
うとするものだと捉えている。
ウクライナやカフカス地方、取り分けグルジアでアメリカの対ミサイル防衛シス
テムを配備しようとする動きが出てきているのも偶然ではない。
1990年代にNATOがソ連の国境付近に、軍事設備を配備することはないと約束
したことを覚えている人は、それほど多くはないかも知れない。
しかしだからこそ、その確約を大きく違反しているアメリカやヨーロッパの政治家
の汚さはより明白で、それを許す訳にはいかない。
こうしたことの全ては当然の事ながら、ロシアとNATOとの関係強化や信頼情勢
を促進するものではなく、ロシアは自国の国益を守るために、その対抗策を練る
必要に迫られている。
3月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
そしてマケドニアのNATOへの加盟支持に関する法案を承認した。
これを受けてアメリカはNATO加盟を目指す国々に、その準備費用として数百
万ドルを拠出することになる。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
政治に疎い人間でさへもウクライナを別にして、これらの国々がNATOをより強
力なものにしたり、NATOの安全性を高めるものではないことは容易に理解出
来るだろう。
またアメリカがオーストラリアやメキシコなどのNATO加盟を、強く支持している
のであればロシアが懸念を抱くことも無いだろう。
しかしこれがウクライナとグルジアとなれば話は別だ。
と言うのもこの2つの国は、ロシアと国境を接する隣国であり、また共通した歴
史。文化、伝統によってロシアと結ばれている国だからだ。
グルジアのサーカシヴィリ大統領やグルジア政府閣僚が、アメリカからの資金
で経済力を肥やしていることは周知の事実で、だからこそ彼らはNATO支持を
表明しているのだ。
しかし一般のグルジア人にとってNATOは無用の長物だ。ウクライナで最大70
%までの市民が、NATO加盟に反対していることを知っている人はそれ程、多く
は無いだろう。
しかし実際にはウクライナの政治家達もまた、同じような立場を示している。
例えばヤヌコヴィッチ首相は最近声明を表し、そのなかでウクライナは現段階
で、NATO加盟への準備を整えてはいないと明らかにしている。
またウクライナの国防相もまた、NATO加盟という決定は2009年に採択される
可能性が在るとの考えを示している。
つまり現在ウクライナのNATO加盟を主張しているのは、ユシチェンコ大統領と
オレンジ革命の参加者だけという訳だ。
NATO加盟を支持するというアメリカの決定は、ウクライナへの内政干渉であり
ウクライナ指導部に、NATO加盟プロセスを加速化させようとする明らかな先導
行為だ。
ロシア政府はアメリカのこうした努力は、ロシアに対する非友好的な行為であり
、ロシアとウクライナを引き離し、ポスト・ソ連圏におけるロシアの立場を弱めよ
うとするものだと捉えている。
ウクライナやカフカス地方、取り分けグルジアでアメリカの対ミサイル防衛シス
テムを配備しようとする動きが出てきているのも偶然ではない。
1990年代にNATOがソ連の国境付近に、軍事設備を配備することはないと約束
したことを覚えている人は、それほど多くはないかも知れない。
しかしだからこそ、その確約を大きく違反しているアメリカやヨーロッパの政治家
の汚さはより明白で、それを許す訳にはいかない。
こうしたことの全ては当然の事ながら、ロシアとNATOとの関係強化や信頼情勢
を促進するものではなく、ロシアは自国の国益を守るために、その対抗策を練る
必要に迫られている。
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3月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル