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複雑化するアメリカとトルコの二国間関係

2007-10-21 | ラジオ
アメリカとトルコの二国間関係が複雑化している。対イラク戦争を開戦したア
メリカはNATOで、最も親密なパートナー国の一つであるトルコとの関係も悪化
させている。
イラク北部のクルド人武装組織を闘争するため、クルド人(?)地域で軍事作戦
を行なうことを認める法案を、トルコ議会が可決したことに対し、アメリカは否
定的な反応を示している。
ブッシュ大統領はトルコ指導部に対し、イラク(放送では誤ってイラン))北部へ
侵攻しないよう警告している。
ブッシュ大統領はワシントンでの記者会見のなかで、この問題について触れ、
イラクへ派兵することは、トルコの利益にはならないとの見方を示した。
アメリカがトルコの決定に対して、このような対応をとるのは理解できる。

内戦が続くイラク国内において、クルド人居住区域は国内でほぼ唯一、比較的
平穏な地域であり続けていた。
しかしこの地域をトルコが攻撃することになれば、現地の状況を根底から覆す
ことになりかねない。
アメリカとその同盟諸国にとり、このことは不安定さをもたらし、新たな問題を引
き起こす危険を孕んでいる。
一方、当のイラクもトルコが攻撃した場合、反撃する用意があると表明している。
このためイラクのクルド人居住区域でのトルコの軍事作戦は、成功が保証され
ているわけでは決して無い。

この問題に付いてロシア戦略評価分析研究所の専門家は、次のような見方を
示している。
「トルコが軍事作戦に踏み切ったとしても、決してそれが成功すると保障されて
いる訳ではない。そのことはトルコ軍総司令部も、よく判っていると思う。最終的
にトルコが大規模な軍事攻撃を行なうことは無いだろう。
ただある地域での小規模な軍事作戦、つまり砲撃や爆撃、特殊部隊の投入な
どはあるかも知れない」
ロシア戦略評価分析研究所の専門家は、このように述べている。

全てのことから判断して、この予想は当たっているようだ。
18日、およそ4万人規模のトルコ軍がイラクとの国境で、クルド人部隊に対する作
戦を開始した。
攻撃は主に山岳地域で行なわれており、トルコの情報筋は戦闘員の潜伏地域に
ピンポイント攻撃を行なわれているとしている。
トルコの軍事作戦の目的はイラク北部の、クルド人の独立を求めるクルド労働者
党の拠点を殲滅することだけでなく民族的、成長的に、イラクを3つの部分に分割
する計画に反対することにもある。

トルコはイラク北部、つまりトルコとの国境近くに独立したクルド人居住区域が誕
生することに反対している。
しかしイラクでのイラクでの内戦が(?)化し、アメリカがイラク危機を克服することが
出来なかった結果、クルド人居住区域の独立はより現実的なものとなってきてい
る。

(?)は聴き取れず

クルド人もうひとつの中東問題 (集英社新書)

川上 洋一
集英社


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10月18日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル