ロシアと韓国の経済協力はアジア安定の重要ファクター

2月25日ロシアのビクトル・ズブコフ首相は、韓国の新大統領就任式に出席した。
李明博新大統領は就任の席で、ロシアとの関係に付いて最高の最重要事項の
一つと明言している。
一方のロシア側も、韓国との経済関係強化がアジアの安定にとって重要なファク
ターとなるだろうとの姿勢を見せている。
ロシアの声の評論委員は、次のように解説している。
李明博氏のロシアでの知名度はかなり高いと言える。80年代末から90年代はじ
めにかけて同氏は、大手財閥現代のトップとして、ロシアとの対話を支持し2カ国
の経済関係発展に多大な貢献を果たしてきた。
李明博氏は大統領選出後、すでにプーチン大統領からロシア公式訪問の招待を
受けている。

外交関係者の間では25日ズブコフ首相の就任式出席は、次に行なわれるロシア・
韓国首脳会談の準備の第一歩と見られている。
しかしズブコフ首相のソウル訪問は、韓国新政府との最初のコンタクトという訳で
はない。
昨年12月の当選後、直ぐに李明博氏はモスクワへ特使を送った。そして両者は朝
鮮半島の非核化や、北東アジアの平和安全メカニズム創設へ向けて、継続的な
取り組みをしていくことを確認し、同時に原子力をはじめとしたエネルギー、ハイテ
ク、自動車製造、宇宙など2カ国の協力の柱として定めた。

ロシアと韓国の関係は躍動的に発展している。それは露日関係や日中関係が陥
っているような、政治的なフィールドからは自由なものだ。
しかし一方で北東アジアという地域には、そうした障害を克服する気運と言うものが
存在する。
そしてこれが協力の為の、新たなチャンスとなるだろう。

専門家のミヘエフ氏は次のように語っている。
「北東アジア3カ国、つまり中国、日本、韓国との統合的な協力が、ロシアがアジア
太平洋経済圏に進出していくための戦略的な方針だ。
各国の権益が重なる分野は非常に大きいと言える。それは先ずロシア産エネルギ
ー資源の使用、3カ国経済にとってエネルギー分野のクッションとして働くものだろう。
エネルギーに加え漁業、環境、輸送、安全というのも協力分野だ」
専門家のミヘエフ氏は、このように語っている。

また挑戦半島横断鉄道とシベリア鉄道の連結、これも潜在的に興味深いといえる多
国間プロジェクトだ。
この21世紀型シルクロードが実現すれば、太平洋から大西洋までロシアを貫き、中国
へも繋がる長大な輸送路が完成することになるのだ。

日中韓「自由貿易協定」構想―北東アジア共生経済圏を めざして 蛯名 保彦 明石書店 このアイテムの詳細を見る

2月26日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル