ダライラマ14世との対話を行なう用意がある中国政府

ロシアはチベット自治区に付いて、中国の固有の領土の一部あり、ダライラマ14
世との相互関係は、中国の内政問題であるとの声明を再三に亘り繰り返してき
た。
これはロシア外務省情報出版課の出したコメントの中で、中国チベット自治区で
起きた事件に関連して、と題され発表されている。
これに付いてロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
ロシア外務省の出したコメントの中では、ロシアはチベットの事件に対し、中国か
ら入る情報を注意して追っていると述べられている。
こうした一方ロシア政府からは中国政府が、違法行為を封じるための必要なあら
ゆる措置を講じ、一刻も早く自治区の状況を正常化できるよう期待を表わす声明
が出されている。

これと同じ頃、北京では温家宝首相が声明を表し、チベット自治区で起きた騒ぎ
にダライラマ14世が組織して、先導したものとの見方を示した。
温家宝首相はラサの事件によって、一般市民が巻き添えになって死亡し秩序が
乱され、市民に損害を与えと非難している。
こうした一方で温家宝首相は、中国としてはダライラマ14世と対話を行なう準備が
あると述べ、ダライラマ14世が分離独立の動きを止めチベットと台湾は、中国の不
可分の領土であることを認めるのであれば、話し合いの為の扉は、いつも開いてい
ると語っている。

これ以外にも温家宝首相は、中国政府が外国人記者団のラサ入りを組織する問題
に付いても、見直す構えであることを明らかにし、ラサの状況を憂慮する外国のマス
コミに対し理解を示した。
こうした一方で西側のTV局の中には、直接対話に臨むところもあり、ラサの現状と
政府の強硬姿勢に付いてコメントしながら、北京で20年前に撮影されたフィルムを
流している。

少なくとも中国政府の憂慮は充分に根拠があるのあるものだ。と言うのも2週間後
にはギリシャから北京に向けて、この夏に開催される北京五輪の聖火リレーがス
ターとし、その道筋でチベットも通過するからだ。
これに関して国際オリンピック委員会会長も声明を表し、北京五輪参加のボイコッ
トを呼びかける声に反論を表わした。
会長はボイコットを起こしても何の解決にもならず、何の罪も無い五輪参加者らが
被害をこうむるだけだと述べている。
欧州委員会の広報報道官も同じように、北京五輪ボイコットはチベット人の権利を
保護する事に繋がらないとする声明を表している。

このラサの事件に世界中が反応している。ニューヨーク、パリ、ミュヘン、ローマ、ブ
リュッセル、シドニーやインド、ネパールの数箇所で抗議のデモンストレーションが
行なわれてた。
専門家らの中にはアメリカのように、今回のチベットの事件を利用しようとしている
西側勢力の影が、存在しているとの見方を表わしているものもある。
コソボが一方的に独立宣言したときのシナリオのように、そうした勢力はチベットの
民族的勢力を中国本土から引き離すことで、中国の世界における地形政治学的に
強いポジションを崩そうとしていると言うのだ。

いずれにせよアメリカ政府はすでに、今回のラサの事件に関連して近い将来、国際
ラジオ放送のV.O.Aや自由アジア放送を、このチベット自治区に拡大する声明を表
わした。
アメリカ大統領府は過去にも、1949年から79年までC..I.Aと軍事諜報部の組織を
使って、直接的にチベットの民族主義的運動を援助していた。
ところが中国と正式に国境を開いた後は、こうしたラインでは無くロンドンに或るチベ
ット解放センターの様な、様々な基金を通しての援助へと切り替えられた。

昨年10月ダライラマ14世がワシントンを訪れ、ブッシュ大統領と会見を行い、アメリカ
議会の金のメダルを授与されたのも偶然ではないのだ。
これから考えると、これにはコソボの独立劇と同じシナリオ.があって、この事件の次
に今度は北京五輪開催の前に、中国政府の名誉毀損が行なわれる下敷きになって
いるはずだ。
ロシア外務省情報出版課の出したコメントにもあるように、北京五輪を政治的に利用
することは受け入れられない。
ロシアは中国側が北京五輪を最高レベルで組織し、五輪参加の競技者や観客の安
全保障を確保するだろうと確信を表わしている。

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3月19日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル

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