1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

モスクワでの露独首脳会談を振り返って

2008-03-27 | ラジオ
ロシアのプーチン大統領はモスクワを実務訪問した、ドイツのメルケル首相と
合同記者会見に臨み、ロシアとドイツは世界発展の共通の戦略ビジョンを互
いに近づけつつあると述べたが、プーチン・メルケル会談では世界発展の戦
略的諸問題に関し意見が一致するところもある一方で、若干の国際問題に付
いては見解が食い違うところもあることが明らかになった。

プーチン大統領はこれに関して、次のように述べている。
「二つの敵対的な接点の対立など、存在しない現在の条件下での軍事政治ブ
ロックNATOの際限のない拡大は、不合理であるばかりではなく有害かつ実り
のないものだ。AX
国連そのものに取って代わるような組織作りの試みが、あるとの印象が作られ
ようとしている。
軍備はそうした国際機構作りに恐らく同意はしないだろう。
本当の潜在的な可能性を広げるだけになると考える。すでに今日NATOは、自
らの権限の枠の外に出ようとしている。
ロシアはアフガニスタンの支援に、何も反対してはいない。しかしNATOつまり
北大西洋条約機構は、北大西洋の問題を処理すべきであってアフガニスタンは、
そうではない」
プーチン大統領はこのように指摘した。

これに対してメルケル首相は、次のように反論している。
「NATOは完全に防衛的な性格を持った同盟だ。NATOはアフガニスタンにおいて
も活動をしているが、それはアフガニスタンが、NATO加盟国に対して脅威となっ
ているからだ」
ドイツのメルケル首相は、このように答えている。

またセルビアのコソボ問題に関しても意見が異なっている。
プーチン大統領はコソボの一方的な独立宣言は、危険な前例を作り出し、軍事主
義勢力を強力に後押しするものになったと指摘し、その影響はヨーロッパのみに
留まらないと強調した。
また大統領は次のように続けている。
「とは言えこうした意見の食い違いはロシアとドイツの、実り豊かな協力関係を妨げ
るものではない。ドイツ側はロシア側が示した論拠を、然るべき注意を持って受け止
め、歩みよりの模索を誠意を持って望んでいる」
プーチン大統領は、このように述べている。

プーチン大統領とメルケル首相は又、イランをめぐる状況や中東アフガニスタン、そ
の他の紛争地における紛争の調整に向け、共同の努力を続けていくことで意見の
一致を見た。
尚プーチン大統領と会談した後メルケル首相は、3月2日のロシア大統領選挙で
次期大統領に決まり、5月のはじめにロシアの第3代大統領ロに就任するメドベージ
ェフ氏とも会い、およそ30分間会談し、そのなかで双方はロシア・ドイツ関係を発展
させ全面的に協力していく心積もりのあること、そしてそうしていくことの希望が両
国にあることを確認している。

アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか

菅原 出
草思社


このアイテムの詳細を見る

3月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル