ロシアとアメリの関係はリセットを続けている。両国はある分野ではパートナーだが、別の分野ではライバルだ。しかし軍事分野も含めて重要な諸問題において露米両国は協力に向けた心積もりを持っている。
15日、ワシントンではゲイツ国防長官とセルジュコフ国防大臣の間で交渉が始まった。この交渉を前にゲイツ国防長官は、ロシアのマスコミのインタビューに応じ、露米国防担当省庁間の相互関係に付いて自分の見解を表した。
経験豊かな政治家であるゲイツ長官は、より合意のチャンスのあるテーマに付いては熱心に話し、また存在する矛盾に付いては努めてソフトに話した。重要なテーマは先ごろ締結された戦略攻撃兵器に関する条約の、一日も早い批准に関する両国国防担当省庁間の共同作業だ。
このことに付いてロシア科学アカデミー・アメリカ、カナダ研究所副所長は、次のように話している。
「戦略攻撃兵器削減条約に関しては、両担当大臣の間で意見の相違は無いだろう。むしろ両国の議員達の、この条約は対等でないとか一方の側に損失をもたらすとかいった、疑いや懸念を払拭し得るような、論拠を共同で模索することになるだろう。
これに比べロシアとアメリカの間で、遥かに大きな意見の隔たりがあるのはミサイル防衛システムの問題だ。この問題における両国の食い違いは大変深いものだ。
何故ならアメリカの意図は事実上、ヨーロッパにヨーロッパのミサイル防衛システムでは無く、NATO諸国のミサイル防衛システムを作ることと関連しているからだ。
このことはアメリカが今年取り決めた、文章から結論として出てくるものだ。そこでのロシアの参加は控えめなものに過ぎず、ロシアのレーダー基地の利用、それ以上のものは無い。ロシアにとってそうしたアプローチは受け入れ難いものだ」
副所長はこのように述べている。
ロシア国防省、アメリカ国防総省は露米両国軍隊の中で行われている変革に関心を示している。
ここにおいて重要なのは単なる意見の交換ばかりではなく経験の交換だ。
テロリズムに対抗する中での協力も進んでいる。ロシア連邦の領土内を通ってアメリカ軍向けのトランジット貨物の15%がアフガニスタンに送られている。
これは印象的な数字だろう。アフガニスタンからの麻薬密輸に、共同で対抗していく行動の調整においても潜在的な協力の可能性が存在している。
また海賊との戦いにおいてもロシアとアメリカは協力し合っている。
露米国防省協議をまとめる形で二つの文書の調印が期待されている。
理屈は1993年の合意を一新する、相互理解に関する覚書だ。
もう一つはオバマ・メドヴェージェフ大統領委員会の枠内での、軍事協力に関する作業グループに付いての合意だ。
相互行動の展望が存在している。肝心なことは、かつて敵対していたロシアとアメリカが、自分達の安全にとって脅威としてお互いを思う、い見なくなっているという点ではないだろうか。
9月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル