ハノイでのASEANプラス8国防相会議によせて(1)

アジアにおいて集団安全保障のシステムが形作られようとしている。ベトナムの首都ハノイで、歴史上初めてASEANとASEANのいわゆるパートナー諸国の間の国防問題、防衛問題をめぐる協議、ASEAN・プラス8ヶ国国防相会議が開かれる。
この会議には東南アジア諸国とASEANの対話パートナー国と呼ばれている国々、具体的には中国、日本、ロシア、アメリカ、オーストラリア、韓国など8ヶ国の国防担当大臣が出席する。
つい最近までASEANそのものの枠内では、そうした国防大臣レベルの協議メカニズムは存在しており、そこではこのところタイとカンボジアの国境紛争や、南シナ海の島の領有をめぐる意見の食い違いといった諸問題が話し合われ、部分的には解決を見ていた。
そして今回協議に加わる国々の数は本質的に拡大している。

ハノイでの協議を主張した、ベトナムを主催したべトナム側の責任者の一人、チヴィン国防次官は今回の協議は、世界的な安定と安全に対する脅威が増大しているなか、ASEANとそのパートナー諸国の間の密接な調整と相互信頼の強化に繋がるであろうだろうの期待感を明らかにした。

協議で各国の国防大臣たちが話し合う具体的テーマとしては、テロリズムとの戦い、海上での安全の保障、自然災害時の対応といったものが先ず挙げられる。
もちろん3日間の協議の中で取り上げられるのが地域の安全保障問題ばかりではない。
二国間の重要な問題に付いても話し合いが行われる。中でも注目されているのが日中の接触だ。ご承知の通り日本側が東シナ海の日本名、尖閣諸島沖で操業していた中国の漁船の船長を逮捕し、その後、船長は釈放されたが、この事件が起きた後、日中間はギクシャクしている。
すでに新しい情報では日中の防衛担当大臣は短い話し合いを行い、中国側は日本側に対して、敏感な問題を適切に処理し、中日関係をできるだけ早く正常な軌道に乗せるよう努力して欲しいとの要請を行った。
ちなみに日本は隣接するほぼ全ての国々との間で領有問題、領土問題を抱えている。

南北朝鮮との間には、いわゆる日本海の竹島の問題があるし、ロシアとの間には南クリル、日本で言うところの北方領土問題が存在する。
新しい内閣が誕生してからロシアに対して、かなり多くの激しい主張が突きつけられた。また今回ハノイでは米中の、国防担当責任者同士の接触もあるだろう。テーマは言うまでもなく先ず第一に、現在もアメリカが続けている台湾への武器供与問題だ。

※(???)は不明瞭な言葉で聴き取れず
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10月11日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル