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どうなる今後の露米関係

2010-10-27 | ラジオ
ロシアの外務次官はロシアの声からのインタビューに答えた中で、露米関係に付いて言及し、ロシアとアメリカには二国間関係を発展させるための前提条件が揃っているが、今後、関係が悪化する可能性もあるとの見解を示した。
こうした発言は気持ちの良いものではなく、悲観的ではあるものの客観的なものと言えるだろう。
事実は事実として捉えることは必要だが、ソ連邦崩壊後の20年間、こうした状態であり続けるのは喜ばしいことではない。

つまりメドヴェージェフ大統領とオバマ大統領が提唱した、露米関係のリセットも露米の明るい未来を保障するものではないということになるのだ。
外務次官はアメリカとの関係の問題は、ここにあると指摘している。
露米の関係には極めて多くの要因が影響している。そして今、両国の未来を肯定的なものにするために必要なのは、両国指導部の政治的意思と決意にあることは疑いない。
しかしロシアとアメリカの関係を順調に発展させるためには、両国首脳の善意だけでは充分でないのも確かだ。エリツイン元大統領とブッシュ、クリントン元大統領、プーチン前大統領とブッシュ前大統領が互いを友人と呼び合っていたことは記憶に新しいところだ。
しかしそうした首脳同士の良好な関係も革命的な変化を齎すことは出来なかった。
最も露米協力関係が現在ほどダイナミックな動きを見せたことは、かつて無かった。しかし両国は共に、今後、二国間関係を悪化させないという段階にまでは達していない。
そうした関係に達するためには、両国首脳だけでなく両国の政治エリートや国民の間の信頼を深めることが必要不可欠だ。
オバマ大統領とアメリカ国民に対しロシア人は、アメリカの多くの同盟国の国民よりも良い印象を持っている。

しかしアメリカでは状況は異なっているようだ。
アメリカ政府の多くの高官がロシア、ロシア政府、ロシア人に対し冷戦の頃と同じような不信感を抱き続けている。
このことをはっきりと示しているのが、ロシアとの貿易に差別的な制限を設けているジャクソン・バニク修正条項の適用だ。これは実に1974年に導入されたものだ。
しかし実際には冷戦時代に作られた、ロシアに関するステレオタイプ的な見方は、残念ながら今も両国関係の様々な局面に否定的な影響を与えている。
両国の間で調印された新たな核軍縮条約の批准に向けた動きを見てもそうだ。

もしアメリカで11月に実施される中間選挙で民主党が退廃すれば、オバマ大統領ば支持を失ってしまう。専門家らは民主党が敗北すれば、それでなくても問題が山積する露米関係に、さらに壊滅的な結果を与えることになるだろうとの見方を示している。
今後、露米関係がどうなっていくのかは、アメリカに掛かっている。


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副島 隆彦
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10月14日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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