目に見えないもの

幽霊は信じない。見たことがないからだ。

宇宙人も信じない。これも見たことがない。

しかし、ＵＦＯは見たことがある。
20年近く前、まだ開発途中のお台場で見た。
そのとき、まわりに10人以上の目撃者がいた。
葉巻型のＵＦＯで、この世のものとは思えない飛行軌跡を示していた。
だから、ＵＦＯは信じる。

神様は信じない。見たことがない。
仏様も信じない。見たことがない。

しかし、私がそう言うと、必ず非難する人がいる。

「罰当たり！」

確かに、罰当たり。
それは、自覚している。

しかし、私は「信じる」という人に何かを言ったことがない。

信じるのは自由だから、その気持ちを私は最大限に尊重している。

私の目には見えないが、みんなは「こころの目」で見えているのだな、と羨ましくも思っている。

だが、なぜ人は、私が信じないと言うと、「人間に非ず」というような口調で、私につらく当たるのだろうか。

ときに「無心論者なんて」と蔑むように言われる。

「論」なんて大層なものではない。
ただ、見てないから信じない、と素直に言っているだけなのだ。

見えないものを信じるという行為は、崇高なものである。

私には、それができない。

だから、うらやましいといっているだけなのだが・・・。

「じゃあ、信じましょうよ」

いや、だから、目に見えないものを、私は空気以外信じられないのですよ。

堂々巡りだ。


蔑まれた。