リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

中央線の酔っ払い

2011-02-13 09:00:12 | オヤジの日記
土曜日の午後2時過ぎ。

四谷の得意先での打ち合わせを終え、中央線に乗った。
車内は比較的空いていたので、座ることができた。

車両の真ん中あたりに席を取って、文庫本(万城目学の「鴨川ほるもー」)を読み始めた。

しかし、車両の端の方から、突然の大声が。

「処女時代がさあ~」という品のないだみ声。

そして、「足しかないじゃん! 他に何かあるのか、処女時代!」と叫ぶ。

声の方を向くと、20代後半と30代半ばと思われる男二人が、まるで哀川翔のように足を180度に開脚して、居酒屋の延長のようなノリで、がなりたてていた。

土曜の昼間、2時である。

迷惑という言葉は、彼らの頭にはないようだ。

つまり、完全な酔っ払い。

「ジージージージー」と手拍子を取りながら、座りながら足を開脚したり、閉じたり。
その合間に、癇に障る笑い声が入るから、両手に力が入って、絞め殺したくなる衝動に駆られる。

そして、「処女時代がよー!」とまた下品なひとこと。

「そうだよ、処女時代ぃー! 足しか見せない処女時代ぃー!」

「少女時代」を「処女時代」と言う程度の低さに、あきれ返る。
幼稚園児のほうがまだウィットを知っている。

こいつらは、最悪だ。
そして、醜悪だ。

その場にい合わせた誰もが、殺意を感じたのではないかと思う。

それくらい邪魔で、下品で、うるせえやつらだった。


そう思っていたとき、小学校高学年と思われる女の子3人組が、酔っ払いの前に立ちはだかった。

その中の、真ん中の背の高い大柄な体型の子が、酔っ払いを指さして、言い放ったのである。

「おじさんたち、『ショジョジダイ』じゃないよ『ショウジョジダイ』だよ。『ソニョシデ』だよ。わかってんの! 批判するのは勝手だけどさ、グループ名を正確に言わないと、伝わらないよ」

そして、大きく息を吸って、さらに声を張り上げた。

「日本人として、恥ずかしいよ!」


酔っ払いが、黙った。
静かになった。

私は、小さく拍手をした。

その小さな拍手が、私の人間としての小ささを表していたが、とりあえず胸がスカッとした。

いいぞ! 小学生!

情けない大人を救ってくれて、感謝します。


小学生に負けた日だった。