なかなか報告できないでいますが、私が2月に出かけた、南仏モンペリエで開催されたワイン展示会「Vinisud」とからめて、世界のロゼワイン事情を紹介したいと思います。
ヨーロッパではロゼは定番のワインで、フランスで購入される4本に1本がロゼワインです。
欧州の各ワイン生産地を巡ると、本当に普通にロゼワインが飲まれているのを実感します。
また、流行に敏感なNYでもロゼは数年前からブレイクしています。
が、なぜ、日本ではそれこそ 桜の季節限定程度でしか飲まれないんでしょうね?
「Vinisud」は地中海沿岸地域のワイン産地にフォーカスした展示会ですが、このVinisudのプレス資料をめくると、最初のテーマとして、ロゼワインのデータが登場しています。
まず、世界で販売されるロゼワインの76%が地中海沿岸地域の畑から生まれています。
OIV(International Organisation of Vine and Wine:国際ブドウ・ワイン機構)とプロヴァンスワイン委員会(Conseil Interprofessionnel des Vins de Provence - CIVP)の2015年度の調査によると、
2014年度のロゼワインの主要生産国は、
1位 フランス(31.50%)、2位 スペイン(22.5%)、3位 アメリカ(14.50%)、4位 イタリア(10.50%)、5位 南アフリカ(3.00%)、5位 ドイツ(3.00%)、7位 ポルトガル(1.50%)、8位 アルゼンチン(1.20%)、その他12.3% となっています。
※青文字が地中海産地に該当
Main rosé‐producing countries in 2014
(Sources: OIV‐CIVP 2015)
消費の方を見ると、ロゼワインの消費は18~24歳の若年層が多いという統計が出ています。
※外国では飲酒OKな年齢が日本より低いので18歳~となっています
この年齢層では、他のスティルワイン(白、赤)に比べて、平均で10%も消費が伸びています。
若年層がロゼをより好むという傾向は、フランスでは顕著ではありませんが、
ドイツ、オーストラリア、ベルギー、カナダ、米国、フィンランド、日本、ニュージーランド、オランダ、英国、スウェーデン、ロシア、ブラジル、中国で明らかになっています(下記のグラフ参照)
Rosé wines as a percentage of total still wine consumption by age group as stated by consumers
(Source: Wine Intelligence, OIV‐CIVP 2105, Vinitrac 2014)
一番左が24歳以下の若年層で、英国を除き、どの国でも若年層が最もロゼワインを消費しています。
ただし、フランス(濃い青のライン)はどの年齢層でもロゼをよく飲んでいます。
日本(淡いピンクのライン)も、若い層の方がロゼを飲んでいるのがわかります。
さらに、Vinisudの資料では、男性よりも女性の方がロゼワインを好む傾向にあり、よって、
若年層と女性がロゼワインを牽引する重要な存在、としています。
たしかに、これは紛れもない事実だと思いますが、これを日本市場でそのまま当てはめると、
「ロゼワインは女や若者が飲むもの」という、昔ながらのパターンに戻ってしまいます。
ふと気づいたのですが、年齢層が上がるにつれてロゼの比率が下がってくるとはいえ、45~54歳、55~64歳の中高年層でロゼの消費が少し盛り返している傾向も見られます。
これは、ワインをあれこれ飲んできた大人がロゼワインに戻ってきていることの現れなのではないでしょうか?
そう考えると、ロゼワインは、大人が楽しめるゆとりのワイン、でもあるのでは?
あともうひとつ、日本では、ロゼワインは今のこの桜の時期によく飲まれ、桜が終わるとなかなか振り向いてもらえなくなりますが、「桜=ロゼワイン」と結びつける日本だからこそ、逆に、ロゼワインの本来の楽しみ方をわからなくしてしまっているのかもしれません。
欧州でのロゼワインの楽しみ方を見ると、普段の生活の中に普通にロゼが存在します。
男性もロゼをよく飲みます。
ロゼは料理を選ばないワインでもありますし(ここはポジティブに)、ちょっと軽く飲みたい、という時にも、選びやすい存在です。
もちろん、ロゼの中にはフルボディタイプのものも存在しますけれど。
だから、色々飲んできたオトナが、頭の中でピピっとひらめいてロゼをチョイスする、なんてことが、自然にできるのかなぁと思うのです。
「若者、女性、日本の桜」 というこれまでのキーワードは頭の隅に置いといて、
「オトナ、余裕、季節問わずいつでも」 を考えていけば、日本でロゼワインを楽しむ機会がもっともっと増えるのではないでしょうか?
ヨーロッパではロゼは定番のワインで、フランスで購入される4本に1本がロゼワインです。
欧州の各ワイン生産地を巡ると、本当に普通にロゼワインが飲まれているのを実感します。
また、流行に敏感なNYでもロゼは数年前からブレイクしています。
が、なぜ、日本ではそれこそ 桜の季節限定程度でしか飲まれないんでしょうね?
「Vinisud」は地中海沿岸地域のワイン産地にフォーカスした展示会ですが、このVinisudのプレス資料をめくると、最初のテーマとして、ロゼワインのデータが登場しています。
まず、世界で販売されるロゼワインの76%が地中海沿岸地域の畑から生まれています。
OIV(International Organisation of Vine and Wine:国際ブドウ・ワイン機構)とプロヴァンスワイン委員会(Conseil Interprofessionnel des Vins de Provence - CIVP)の2015年度の調査によると、
2014年度のロゼワインの主要生産国は、
1位 フランス(31.50%)、2位 スペイン(22.5%)、3位 アメリカ(14.50%)、4位 イタリア(10.50%)、5位 南アフリカ(3.00%)、5位 ドイツ(3.00%)、7位 ポルトガル(1.50%)、8位 アルゼンチン(1.20%)、その他12.3% となっています。
※青文字が地中海産地に該当
Main rosé‐producing countries in 2014
(Sources: OIV‐CIVP 2015)
消費の方を見ると、ロゼワインの消費は18~24歳の若年層が多いという統計が出ています。
※外国では飲酒OKな年齢が日本より低いので18歳~となっています
この年齢層では、他のスティルワイン(白、赤)に比べて、平均で10%も消費が伸びています。
若年層がロゼをより好むという傾向は、フランスでは顕著ではありませんが、
ドイツ、オーストラリア、ベルギー、カナダ、米国、フィンランド、日本、ニュージーランド、オランダ、英国、スウェーデン、ロシア、ブラジル、中国で明らかになっています(下記のグラフ参照)
Rosé wines as a percentage of total still wine consumption by age group as stated by consumers
(Source: Wine Intelligence, OIV‐CIVP 2105, Vinitrac 2014)
一番左が24歳以下の若年層で、英国を除き、どの国でも若年層が最もロゼワインを消費しています。
ただし、フランス(濃い青のライン)はどの年齢層でもロゼをよく飲んでいます。
日本(淡いピンクのライン)も、若い層の方がロゼを飲んでいるのがわかります。
さらに、Vinisudの資料では、男性よりも女性の方がロゼワインを好む傾向にあり、よって、
若年層と女性がロゼワインを牽引する重要な存在、としています。
たしかに、これは紛れもない事実だと思いますが、これを日本市場でそのまま当てはめると、
「ロゼワインは女や若者が飲むもの」という、昔ながらのパターンに戻ってしまいます。
ふと気づいたのですが、年齢層が上がるにつれてロゼの比率が下がってくるとはいえ、45~54歳、55~64歳の中高年層でロゼの消費が少し盛り返している傾向も見られます。
これは、ワインをあれこれ飲んできた大人がロゼワインに戻ってきていることの現れなのではないでしょうか?
そう考えると、ロゼワインは、大人が楽しめるゆとりのワイン、でもあるのでは?
あともうひとつ、日本では、ロゼワインは今のこの桜の時期によく飲まれ、桜が終わるとなかなか振り向いてもらえなくなりますが、「桜=ロゼワイン」と結びつける日本だからこそ、逆に、ロゼワインの本来の楽しみ方をわからなくしてしまっているのかもしれません。
欧州でのロゼワインの楽しみ方を見ると、普段の生活の中に普通にロゼが存在します。
男性もロゼをよく飲みます。
ロゼは料理を選ばないワインでもありますし(ここはポジティブに)、ちょっと軽く飲みたい、という時にも、選びやすい存在です。
もちろん、ロゼの中にはフルボディタイプのものも存在しますけれど。
だから、色々飲んできたオトナが、頭の中でピピっとひらめいてロゼをチョイスする、なんてことが、自然にできるのかなぁと思うのです。
「若者、女性、日本の桜」 というこれまでのキーワードは頭の隅に置いといて、
「オトナ、余裕、季節問わずいつでも」 を考えていけば、日本でロゼワインを楽しむ機会がもっともっと増えるのではないでしょうか?