先日はチリワイン生産者の「ウンドラーガ」を取り上げましたが、その中に書いたことで再考したいことがあります。
チリワインの生産量も輸出量もここ20年で順調に伸びており、日本の2015年度のワイン輸入量ではチリが初めて1位となりました。
今や、チリは押しも押されもせぬワイン生産国となったわけですが、消費者はどう感じているでしょうか?
例えば、シャンパーニュとプレミアムクラスのチリワインが同じ3500円で並んでいた場合、どちらを選びますか?
そのシャンパーニュの素性や保管状態がわからなくても、一般消費者は、チリワインよりもシャンパーニュの方を選ぶ確率が高いのではないでしょうか?
詳しい人なら、そのチリワインが、厳選された畑の高い樹齢のブドウから粒選りされたもので、当代随一の醸造家が手をかけて仕込んだ上級品と気づくかもしれません。
それでも、週末のホームパーティーの持ち寄りワインにするなら、お安いシャンパーニュの方を選んでしまいそうな気もします。
つまり、一緒に飲む相手のことを考え、「チリワイン=安くて手頃なワイン」と思われることを回避したい、という気持ちが働く可能性が大いにありそうでは?
安くておいしい、最高じゃないですか。
おいしいけれど、「安い」が常に付いて回るところが、チリワインの不幸です。
(Maipo Valley in Chile Sep. 2013)
チリワインが日本でブームになった1990年代後半、チリワインの価格は今ほど安いものはなく、エントリーレベルで約1000円程度が多かったと思います。
1000円で充分おいしいことで、一般消費者も買いやすく、折しも赤ワインの健康ブームもあり、チリのカベルネが大ヒットしました。
現在、チリワインが日本の輸入ワインのトップになったことからも想像できるように、赤ワインブームの時と比べものにならないくらい多くのチリワインが輸入され、販売されています。
チリワインの不幸は、価格競争の方向にベクトルが向いたことです。
できるだけ安いもの、安いもの、を追求する傾向が強まり、「安い」が当然となりました。
もちろん、安さだけでなく、クオリティを追求する販売者もいます。
結果、チリワインの販売量は増えたかもしれませんが、全体のイメージ戦略としては微妙です。
「チリワインを買うならワンコイン以下だよね?」
「せいぜい1000円台」「3000円以上なんて考えられない」
ですから、ドンメルチョー等、ごく一部のスーパープレミアムチリワインは置いといて、中価格帯のチリワインの販売は厳しい状況が続いています。
この価格帯には世界中に競争相手がたくさんいますからね。
Old vineyards in Chie 2013
「チリワイン=安いイメージのワイン」を打破するには、まずは、生産者らが心をひとつにして取り組んでいくことが必要でしょう。
チリには、チリのワイン産業の発展のために2007年に設立されたWines of Chile(チリワイン協会)がありますが、イメージ戦略の動きは弱いように思います。
そして、販売者もチリワインに真剣に向き合わねばなりません。
ただ量を売るだけでなく、その先のことを考えていかないと、真に実力のある素晴らしいチリワインが陽の目を見ないことになり、実にもったいない!
私たち消費者も、チリワインのことを真面目に考える時が来ました。
チリワインの生産量も輸出量もここ20年で順調に伸びており、日本の2015年度のワイン輸入量ではチリが初めて1位となりました。
今や、チリは押しも押されもせぬワイン生産国となったわけですが、消費者はどう感じているでしょうか?
例えば、シャンパーニュとプレミアムクラスのチリワインが同じ3500円で並んでいた場合、どちらを選びますか?
そのシャンパーニュの素性や保管状態がわからなくても、一般消費者は、チリワインよりもシャンパーニュの方を選ぶ確率が高いのではないでしょうか?
詳しい人なら、そのチリワインが、厳選された畑の高い樹齢のブドウから粒選りされたもので、当代随一の醸造家が手をかけて仕込んだ上級品と気づくかもしれません。
それでも、週末のホームパーティーの持ち寄りワインにするなら、お安いシャンパーニュの方を選んでしまいそうな気もします。
つまり、一緒に飲む相手のことを考え、「チリワイン=安くて手頃なワイン」と思われることを回避したい、という気持ちが働く可能性が大いにありそうでは?
安くておいしい、最高じゃないですか。
おいしいけれど、「安い」が常に付いて回るところが、チリワインの不幸です。
(Maipo Valley in Chile Sep. 2013)
チリワインが日本でブームになった1990年代後半、チリワインの価格は今ほど安いものはなく、エントリーレベルで約1000円程度が多かったと思います。
1000円で充分おいしいことで、一般消費者も買いやすく、折しも赤ワインの健康ブームもあり、チリのカベルネが大ヒットしました。
現在、チリワインが日本の輸入ワインのトップになったことからも想像できるように、赤ワインブームの時と比べものにならないくらい多くのチリワインが輸入され、販売されています。
チリワインの不幸は、価格競争の方向にベクトルが向いたことです。
できるだけ安いもの、安いもの、を追求する傾向が強まり、「安い」が当然となりました。
もちろん、安さだけでなく、クオリティを追求する販売者もいます。
結果、チリワインの販売量は増えたかもしれませんが、全体のイメージ戦略としては微妙です。
「チリワインを買うならワンコイン以下だよね?」
「せいぜい1000円台」「3000円以上なんて考えられない」
ですから、ドンメルチョー等、ごく一部のスーパープレミアムチリワインは置いといて、中価格帯のチリワインの販売は厳しい状況が続いています。
この価格帯には世界中に競争相手がたくさんいますからね。
Old vineyards in Chie 2013
「チリワイン=安いイメージのワイン」を打破するには、まずは、生産者らが心をひとつにして取り組んでいくことが必要でしょう。
チリには、チリのワイン産業の発展のために2007年に設立されたWines of Chile(チリワイン協会)がありますが、イメージ戦略の動きは弱いように思います。
そして、販売者もチリワインに真剣に向き合わねばなりません。
ただ量を売るだけでなく、その先のことを考えていかないと、真に実力のある素晴らしいチリワインが陽の目を見ないことになり、実にもったいない!
私たち消費者も、チリワインのことを真面目に考える時が来ました。