8月上旬、「ルクセンブルクワイン・テイスティング」が都内のルクセンブルク大使館にて開催されました。
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ルクセンブルクは、九州より小さく四国より大きい面積(2,586 平方キロ)を持つ、人口約55万人の小さな大公国(大公国は世界唯一)です。
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左)ルクセンブルク大公国 ベアトリス・キルシュ駐日大使
右)ルクセンブルク貿易投資事務所 松野 百合子さん
ドイツワインで有名なモーゼル川はルクセンブルクとドイツの国境を流れ、ルクセンブルクのモーゼル川流域でもワインが伝統的に造られています。
モーゼル川流域でつくられるルクセンブルクワインも“モーゼルワイン”と呼ばれますが、ドイツのモーゼルが“Mosel”であるのに対し、ルクセンブルクのモーゼルは“Moselle”と綴られます。
発音は同じですが、綴りが違うのが見分けるポイントです。
ルクセンブルクでのワインづくりの歴史は2000年にもおよび、ケルト人、ゴール人、ローマ人によるブドウ栽培から始まり、中世の修道院によるブドウ畑の開拓で発展を遂げます。
18世紀初頭には、記録的な冷害で生産地の縮小がありましたが、19世紀になると、白ワイン品種の栽培が本格化し、1932年にはルクセンブルクのワイン法が施行されます。
1991年にはクレマン・ド・リュクサンブール品質管理(Cremant de Luxembourg Apellation Controlee)が導入され、2015年には新品質基準AOPが導入されました。
※2015年以前のルクセンブルクワインについては、以前の記事を参考にしてください → コチラ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/f2/075dc54e9b49428e1f1e95783e83125b.jpg)
今回のテイスティングでは、2015年に導入された 新品質規格 (AOP)
“Appellation d’origine protégé – Moselle Luxembourgeoise” が紹介されました。
2014年まで
個々のワインを科学的に検査&専門家による官能検査を「毎年」行ない、
科学的検査&官能検査結果をポイントにして4等級に格付け分類。
2015年以降
AOP Moselle Luxembourgeoiseを設置し、毎年のポイント評価制ではなく、
生産地と収穫高による新しい格付けに移行。
最大収穫高100hl/ha(リヴァネールとエルブリングは115hl/ha)を守ったワインをAOP認定。
産地を表記する際の規格を厳密化し、産地によりワインの品質を特定。
[AOP新格付け](2014年ヴィンテージより適応)
Côtes de
調和のとれた日常ワイン。最大収量100hl/ha(ElblingとRivanerは115hl)
Coteaux
手作業による収穫。それぞれの土地の特徴が表現された優良なブドウ畑のワイン。
北)Grevenmacher地区(グレーヴェンマハ )=貝殻石灰質→ ミネラル感の強い優雅なワイン
南)Remich地区(レミッヒ)=粘土質泥灰岩コイパー →やわらかでバランスの取れたフルボディ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/7d/57802d84d8b6c702adbac5c5e3272044.jpg)
(ルクセンブルク貿易投資事務所のプレゼンテーション資料より引用、加工)
Lieu-dit
最上の畑のワイン。手作業でセレクションしながら収穫。最大収量 75hl/ha
“Premier cru” または “ Grand premier cru”の格付け併記も可能。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/ba/c1ec16e0136256ecc0adb67ce4d20aba.jpg)
上は、Remich地区のCoteaux de Remichですが、Lieu-ditの規定をクリアしているため、“ Grand premier cru”表記が併記されているAOC Moselle Luxembourgeoiseワインです。
Crémant de Luxembourg
1991年に制定されたAppellation Crémant de Luxembourgの呼称を使用するための品質基準を踏襲。
2014年ヴィンテージより適用で、細かい規定がありますが、抜粋してまとめます。
手作業による収穫。 全房圧搾。搾汁は150kgのブドウから100Lまで。
瓶内二次発酵(最低9カ月)。 デゴルジュマンによる澱の除去。
残糖量50g/L以下。二酸化硫黄含有量の上限150mg/L。
2016年から瓶内熟成24カ月以上のクレマンに“millésimé”呼称が適応されます。
つまり、2014年という年号表記のクレマンが間もなく登場します。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/7c/d07a866943a9007414845ed3bb00f803.jpg)
ルクセンブルクのクレマンはスタイリッシュな姿のものが多い?
テーブルを華やかに盛り上げてくれそうです。
その他にも、ルクセンブルクワイン周辺では、さまざまな展開が始まっています。
{![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/6f/2d4135edad05a9055851626af2cdeaa2.jpg)
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貝殻石灰土壌の影響で強いミネラル感のあるルクセンブルクの「リースリング」。
ドイツのモーゼルによく似たタイプもありました。
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単一品種として仕込む「オーセロワ」が面白い!
食事によく合う「ピノ・グリ」は現地でも人気急上昇中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/99/ad2decc36b3be8920ea15c809403113b.jpg)
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エレガントな「ピノ・ノワール」は、約20年前から栽培が始まり、今では全体の10%まで増えてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_wine.gif)
ルクセンブルクワインの年間生産量は120,000~150,000 hlと少なく、量は2008年をピークに縮小傾向にありますが、新しいAOP制度の導入など、クオリティを高める方向に向かっているといえます。
生産量の約半分を近隣国に輸出し、日本へのルクセンブルクワインの輸入はまだ数が少ないですが、新たに2つの輸入元が加わるそうです。
今回のプレゼンテーションでも、いくつかの輸入元が興味を示していたので、少しずつ増えてきそうな予感がします。
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ルクセンブルクは、人口100万人あたりのミシュランの星付きレストラン数が日本に次いで2位という美食国で、ワイン消費量も世界トップクラス。
大陸性気候の影響を含んだ西岸大洋性気候で、冬の寒さは厳しくなく、夏は極端に気温が高くなることはないということですから、実際に訪問し、美食とワインを楽しむのに最高な地かもしれません。
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ルクセンブルクは、九州より小さく四国より大きい面積(2,586 平方キロ)を持つ、人口約55万人の小さな大公国(大公国は世界唯一)です。
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左)ルクセンブルク大公国 ベアトリス・キルシュ駐日大使
右)ルクセンブルク貿易投資事務所 松野 百合子さん
ドイツワインで有名なモーゼル川はルクセンブルクとドイツの国境を流れ、ルクセンブルクのモーゼル川流域でもワインが伝統的に造られています。
モーゼル川流域でつくられるルクセンブルクワインも“モーゼルワイン”と呼ばれますが、ドイツのモーゼルが“Mosel”であるのに対し、ルクセンブルクのモーゼルは“Moselle”と綴られます。
発音は同じですが、綴りが違うのが見分けるポイントです。
ルクセンブルクでのワインづくりの歴史は2000年にもおよび、ケルト人、ゴール人、ローマ人によるブドウ栽培から始まり、中世の修道院によるブドウ畑の開拓で発展を遂げます。
18世紀初頭には、記録的な冷害で生産地の縮小がありましたが、19世紀になると、白ワイン品種の栽培が本格化し、1932年にはルクセンブルクのワイン法が施行されます。
1991年にはクレマン・ド・リュクサンブール品質管理(Cremant de Luxembourg Apellation Controlee)が導入され、2015年には新品質基準AOPが導入されました。
※2015年以前のルクセンブルクワインについては、以前の記事を参考にしてください → コチラ
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今回のテイスティングでは、2015年に導入された 新品質規格 (AOP)
“Appellation d’origine protégé – Moselle Luxembourgeoise” が紹介されました。
2014年まで
個々のワインを科学的に検査&専門家による官能検査を「毎年」行ない、
科学的検査&官能検査結果をポイントにして4等級に格付け分類。
2015年以降
AOP Moselle Luxembourgeoiseを設置し、毎年のポイント評価制ではなく、
生産地と収穫高による新しい格付けに移行。
最大収穫高100hl/ha(リヴァネールとエルブリングは115hl/ha)を守ったワインをAOP認定。
産地を表記する際の規格を厳密化し、産地によりワインの品質を特定。
[AOP新格付け](2014年ヴィンテージより適応)
Côtes de
調和のとれた日常ワイン。最大収量100hl/ha(ElblingとRivanerは115hl)
Coteaux
手作業による収穫。それぞれの土地の特徴が表現された優良なブドウ畑のワイン。
北)Grevenmacher地区(グレーヴェンマハ )=貝殻石灰質→ ミネラル感の強い優雅なワイン
南)Remich地区(レミッヒ)=粘土質泥灰岩コイパー →やわらかでバランスの取れたフルボディ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/7d/57802d84d8b6c702adbac5c5e3272044.jpg)
(ルクセンブルク貿易投資事務所のプレゼンテーション資料より引用、加工)
Lieu-dit
最上の畑のワイン。手作業でセレクションしながら収穫。最大収量 75hl/ha
“Premier cru” または “ Grand premier cru”の格付け併記も可能。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/ba/c1ec16e0136256ecc0adb67ce4d20aba.jpg)
上は、Remich地区のCoteaux de Remichですが、Lieu-ditの規定をクリアしているため、“ Grand premier cru”表記が併記されているAOC Moselle Luxembourgeoiseワインです。
Crémant de Luxembourg
1991年に制定されたAppellation Crémant de Luxembourgの呼称を使用するための品質基準を踏襲。
2014年ヴィンテージより適用で、細かい規定がありますが、抜粋してまとめます。
手作業による収穫。 全房圧搾。搾汁は150kgのブドウから100Lまで。
瓶内二次発酵(最低9カ月)。 デゴルジュマンによる澱の除去。
残糖量50g/L以下。二酸化硫黄含有量の上限150mg/L。
2016年から瓶内熟成24カ月以上のクレマンに“millésimé”呼称が適応されます。
つまり、2014年という年号表記のクレマンが間もなく登場します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/c0/afd4eeff0c7ef5b368c44a57d83a83be.jpg)
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ルクセンブルクのクレマンはスタイリッシュな姿のものが多い?
テーブルを華やかに盛り上げてくれそうです。
その他にも、ルクセンブルクワイン周辺では、さまざまな展開が始まっています。
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貝殻石灰土壌の影響で強いミネラル感のあるルクセンブルクの「リースリング」。
ドイツのモーゼルによく似たタイプもありました。
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単一品種として仕込む「オーセロワ」が面白い!
食事によく合う「ピノ・グリ」は現地でも人気急上昇中。
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エレガントな「ピノ・ノワール」は、約20年前から栽培が始まり、今では全体の10%まで増えてきました。
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ルクセンブルクワインの年間生産量は120,000~150,000 hlと少なく、量は2008年をピークに縮小傾向にありますが、新しいAOP制度の導入など、クオリティを高める方向に向かっているといえます。
生産量の約半分を近隣国に輸出し、日本へのルクセンブルクワインの輸入はまだ数が少ないですが、新たに2つの輸入元が加わるそうです。
今回のプレゼンテーションでも、いくつかの輸入元が興味を示していたので、少しずつ増えてきそうな予感がします。
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ルクセンブルクは、人口100万人あたりのミシュランの星付きレストラン数が日本に次いで2位という美食国で、ワイン消費量も世界トップクラス。
大陸性気候の影響を含んだ西岸大洋性気候で、冬の寒さは厳しくなく、夏は極端に気温が高くなることはないということですから、実際に訪問し、美食とワインを楽しむのに最高な地かもしれません。
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